龍結晶の地。溶岩が冷え固まり作られた、開けた斜面は湾曲した壁に覆われる。大空が覗く、この場所を好む巨体は、背中には転がる事に適した柱が生え揃い、叩きつける事に適した大顎は対象物を粉々に粉砕する。斜面を滑り降りてくるハンターは、武器を手に、下った先でゆっくりと佇む巨体に向かって力強く跳躍した身体を丸めると、空中で回転を始めた身体の外側を回る武器は、それと同じ方向に大回転を始める。佇む頭部に向かって叩き付けられた矛先は、頭部から後ろ脚に掛けて連撃を繰り出してゆく。幾度となく繰り返される衝撃に、頑丈な巨体も、よろめきを見せる。揺れ動く脚に叩き付けられた連撃のトドメは、叩き抜けた先の地面を砕き、岩石を飛び散らせる!持ち直した武器を構えた視界に、体勢を立て直した巨体は大顎を振り上げる。その動作に危険を感じたハンターは、武器を腰に掛け、その場から離れようと一気に駆け出すが、傍らに、隕石の様な大顎が勢いよく落ちてくる!大顎は地面へ叩き落されると同時に地震が起きた様な凄まじい揺れを起こし、大きく砕かれた地面は、大量の岩石を勢いよく飛び散らせる!傍らで起きた大地の揺れに、脚を取られ、うずくまるハンターを砕かれた岩石の欠片が大量に襲い掛かってくる!勢いよく飛んでくる岩石の欠片を大量に浴びた身体は、弾き飛ばされ、地面を転がる。揺れが収まり、全身にぶつけられた岩の痛みに耐えながら、立ち上がった視界の先に、半球状に大きな穴が出来上がっていた。それは、溶岩が冷え固まって出来た硬い地面を、易々と破壊するだけの凄まじい威力を持っている事を物語っていた。あの攻撃をまともに受ければ、命はない。ゾッとする様な考えが頭をよぎり、思わず息を吞む。視界の先でゆっくりと持ち上がる大顎は、ハンターに向き直し、前転する様に身体を丸めると、勢いよく転がり始める!轟音を立てながら、転がり迫る巨体に対し、真横に飛び込む様に跳躍した身体の傍らを、巨体が勢いよく通り過ぎてゆく。飛び込んだ先の地面に倒れ込む様に着地した身体の傍らに、巨体から零れ落ちてきた赤々とした甲殻の塊が転がってくる。次の瞬間、その塊はハンターの傍らで爆発し、衝撃を受けた身体は、弾き飛ばされた先で地面を転がる。爆発する甲殻の塊を知り、痛みに耐え、立ち上がった視界の先で、顎を地面に叩きつけ地響きを立てながら止まる爆鎚竜の姿があった。坂の上まで転がり着いた姿に向かい、走り出したハンターは、力強く坂を駆け上がってゆく。その姿を見下ろす様にゆっくりと振り向いた爆鎚竜は、駆け上がって来るハンターに向けて、脚を軸に大きく回転させた身体に生える巨大な尻尾は、振り回される勢いに、身体に付く赤々とした甲殻の塊をまき散らす。これは先程、爆発した塊と同じ物だと分かり、落ち転がってくる塊を慎重にかわしながら駆け上がっていく。その後方で、転がり落ちていく赤々とした塊が音を立て、次々と飛び散ってゆく。回転を終え、深呼吸を始めた巨体の傍らまで登り着いたハンターは、武器を構えた勢いで力強く矛先を振り切る!放たれた矛先は、大きな脚を横殴るが、頑丈な脚はビクともしない。次の瞬間、爆鎚竜の身体から燃え盛る炎が吹き荒れる!巨体を中心に噴き出した炎は、一瞬にしてハンターの身体を包み込む!炎に包まれた身体は、勢いよく吹き飛ばされると同時に、焼かれる痛みを全身に受け、地面を転がる。燃える暑さに耐えながら、よろける身体に力を入れ、立ち上がるハンター。燃え残る炎を払い除けながら戻した視界に、身体を丸め、勢いよく転がってくる爆鎚竜の姿が映し出される。溶岩が作り出した斜面の地形で、全身に火傷を負ったハンターに、トドメを刺す様に勢いよく転がる巨体が襲い掛かる!
龍結晶の地。熱気が充満する火山地帯を進んで行くハンターは、袋に入れてきたクーラードリンクを飲みながら、更に奥地を目指す。溶岩が滝の様に流れ出る光景が広がる奥地に辿り着いたハンターは、溶岩が冷え固まった広い足場に足を踏み入れる。黒々と固まる足場にはいくつかの大きな穴が開き、そこから赤々とした溶岩が煮えたぎる。次の瞬間、その大穴の一つが、大きな音を立て大噴火する!大量に飛び散ってくる溶岩に身体をかばいながら、戻し見た視線の先に、全身を溶岩で覆った巨大な魚竜が佇んでいた。先程の噴火は奴が飛び出して来た為に起きたものだった。足場に降り立った魚竜に向けて走り出したハンターは、物音に気付き振り返る赤々と発光した、溶岩の頭部に武器の矛先を勢いよく叩きつける!叩き付けられた溶岩の甲殻は、内側にある頭部まで衝撃を与え、のけ反る姿に手ごたえを感じ、持ち直した武器をもう一度頭部に向けて、勢いよく振り切る!だが、武器を矛先は頭部を確実に捕らえるも、鈍い音を立て弾かれてしまう。弾かれた反動に体勢を崩し始めた視界に、映り込んできた頭部を見て気付かされる。さっきまで赤々と煮えたぎる様に発光していた頭部は、一変して黒々と染まっていた。それは、冷え固まった溶岩の様に黒く硬くなっていたのだ。今度は逆にのけ反る姿になってしまったハンター目掛けて、巨体を勢いよく真横に回転させた後ろに付く巨大な尻尾が、力強くぶち当たる!全身に走る凄まじい衝撃に、弾き飛ばされた身体は、宙を舞い、転がった先の地面で止まる。防具に守られているものの、それを超えてきた衝撃に、全身が悲鳴を上げる。よろけながら立ち上がろうとする傍らを見て、硬直する。手を付いた傍らに大きな穴が口を開き待っていたのだ。大穴の中では溶岩がぐつぐつと煮えたぎっている。転がり止まるのが、あと一歩遅ければ、その中に落ちていた。そうなれば溶岩に呑み込まれ、跡形もなく溶かされていただろう。ゾッとする様な考えを巡らせながらも、震える身体に活を入れ、また走り出したハンターに向けて身体をのけ反らせ出した溶岩竜は、いっぱいになるまで膨らませた口から、赤々と煮えたぎる溶岩を覗かせる。次の瞬間、勢いよく吐き出された巨大な溶岩の塊は、ハンターを覆いかぶさる様に飛んでくる!あまりの大きさに危険を感じ、真横に飛び込む様に跳躍した身体の後ろに落ちてきた巨大な溶岩の塊は、地面と接触すると同時に爆発が起きたように破裂し、勢いよく飛び散ってゆく!距離は取れていたはずだが、予想以上の爆発に巻き込まれた身体は、地面を転がる。爆発の衝撃に耐えながら起き上がる身体を守ってくれた防具を見て、驚く。爆発により飛んできた溶岩が付着した部分は、焼ただれ、変形してしまっている。爆発の起きた中心に目線を向けると、黒々とした溶岩の冷え固まって出来ていた足場は、大穴を開き、中から煮えたぎる溶岩が顔を覗かせている。それは、溶岩竜が吐き出した赤々と煮えたぎる溶岩の塊が、一瞬にして、冷え固まって出来た足場を溶かし切った事を物語っていた。あの塊をまともに受ければ、命どころか跡形もなく消え去ってしまうだろう。息を呑み、流れ出る汗を拭いながら、走り出したハンターに狙いを付けた溶岩竜は、身体をのけ反らせ、口から赤々とした溶岩を覗かせる。溶岩が滝の様に流れ出る奥地。溶かされてゆく足場と熱気の中で、再び武器を握り締め、駆けだしたハンターに向かい、巨大な溶岩の塊が勢いよく吐き出される!