瘴気漂う谷の中層部。群れを引き連れ移動する群れのリーダーは、餌を求め、今日も徘徊を続ける。元々餌の少ない、この谷では、餌を求め徘徊するモンスターも少なくない。もし出会ってしまえば、激しい縄張り争いが始まってしまう。群れを引き連れ、リーダーは、瘴気が漂い、所狭しと様々な種類の骨が散らばる開けた通り道に辿り着く。ここは、谷よりも上層の、まだ新しい死体が、よく落ちてくる場所。落ちてくる餌にありつく為、群れと共に、この場所を訪れたのであろう。その姿を、瘴気に身体を蝕まれながらも、骨の間に身を隠したハンターは、息をひそめ、見つめる。次の瞬間、攻撃範囲まで入ってきたリーダーを、坂になるほど積み上がった骨の間から確認できたハンターは、勢いよく飛び出し、武器を握り締め、骨の坂を滑り降りてゆく。群れるギルオスをかわしながら、勢いよく跳躍し、丸めた身体は空中で回転を始め、その外側に構えた武器は力強く大回転する。坂の下から上を見上げる様に振り返る、黒々とした頭部に向けて、勢いづいた激しい連撃が襲い掛かる!その凄まじい連撃に頭部に並ぶ黒々とした鱗が剝がれてゆく。凄まじい衝撃に、頭部から横倒れになってゆく姿の傍らで、着地と同時に受け身を取り、身体を翻したハンターは、親玉の頭部目掛けて武器の矛先を勢いよく叩きつける!手応えのある感覚に、調子づくが、それは矛先に飛び込んできたギルオスだった。攻撃を阻み、身代わりの様に渾身の一撃を浴びた一匹は、吹き飛んだ先で地面を転がり、動かなくなった。武器を持ち直したハンターは、群れに取り囲まれ、傍らで倒れる黒々とした頭が起き上がる。横目で鋭く睨み付け、振り向きざまに、噛み付いてくる大きな頭を、傍らで、巨体に潜り込む様にかわすと、その脇腹に、振り切った武器の矛先を当て、股をすり抜ける様に冷静に通り抜けたハンターに、飛びかかってきた一匹が片腕に噛み付き、ぶら下がる。腕を力強く振り、払い飛ばすが、嚙まれた腕は痺れ、力があまり入らない。防具を付けているものの、それを貫通した牙が腕に刺さり、その傷口から彼らの持つ強力な麻痺毒を貰ってしまったようだ。戦いが長引けば、やがて身体の自由を奪われてしまう。構えていた武器を背中に掛けると、大きな尻尾の傍らに立っていたハンターを、取り囲んでいた群れが、次々と襲い掛かってくる!飛びかかってくる群れの動きを見極めながら、かわしていくハンターは、親玉に対し円を描くように大きく回り込む。それは、群れとリーダーを出来るだけ引き離す為だった。でなければ、例え傍らにいた親玉に、大きな一撃を与えられていたとしても、群れの一斉攻撃を全て、かわす事は出来ない。当たり所が悪ければ、一瞬の内に全身に麻痺毒が回り、その先に待っているのは死だ。振り向いた痺賊竜は、群れに追われながら大回りに走るハンターを目掛けて、身体をのけぞる様にして、麻痺液を勢いよく吐き出す!それを待っていたハンターは、身体の方向変え、痺賊竜に向かって走り出す!吐き出された麻痺液が直線的に飛んでくるのに対し、斜め前方に前転したハンターの傍らを麻痺液が勢いよく飛び去ってゆき、ハンターを追って来ていた群れの何匹かを、麻痺液が覆いかぶさり、包み込まれる。その強力な麻痺液を浴び、倒れる群れを背に、駆けるハンターは、麻痺液を吐き出した反動に大きく振られる頭を目掛けて、武器を構えた勢いで、麻痺に蝕まれる片腕をかばいながら力強く振り切った!その矛先は、黒々とした頭部を捕らえ、その衝撃に、一瞬怯みを見せた頭部の傍らで、武器を背中に掛け、距離を取り始めるハンターを視界に、痺賊竜は、怒り、激しく威嚇する!瘴気漂う谷の中層部。様々な骨が所狭しと敷き詰められた開けた通り道。群れに追われ、麻痺に蝕まれる片腕をかばいながら戦うハンターは、痺賊竜の逆鱗に触れる!
瘴気漂う谷の上層部。様々な骨が所狭しと敷き詰められる、大きく開けた大地。この場所へ足を踏み入れたハンターは、坂の上から聴こえてくる物音に耳を傾ける。その音は次第に大きくなり、坂の上から姿を現す。鋭く尖った骨の数々を身にまとう巨大な塊は、勢いよく転がりながら降りてくる。地面に敷き詰められた骨は、転がってくる巨大な塊に、弾き飛ばされてしまう。バラバラと音を立て落ちてくる骨を、見極めかわしていくハンターの視界の先に、地面に大きな顎を叩きつけ、止まる骨鎚竜の姿があった。その叩きつけられた大きな顎に、敷き詰められた様々な骨の数々は、凄まじい衝撃が巻き起こり、爆発が起きたかの様に周りの地面と共に勢いよく吹き飛び散ってゆく。ゆっくりと持ち上げられた大きな顎の下にあった地面は、半球状に大穴が出来上がっていた。飛び散ってくる骨をかわしながら、武器を手に走り出したハンターは、黒々とした大きな股の間から、骨で守られていない腹部に向かって、武器の矛先を勢いよく振り下ろす!腹部に走る衝撃に、後ずさる股の間を抜け、前方に走り出すハンターを見下ろした骨鎚竜は、現れた邪魔者に対し、咆哮を上げる!咆哮の範囲外まで逃れる事の出来たハンターは、身体を翻し、また巨体へと向かい、走り始める。近づいてくる姿に狙いを付けた骨鎚竜は、身体を丸めながら前転すると同時に力強く回転を始めた。その地面を転がり始めた巨大な塊に、巻き込まれた骨の数々が音を立てながら飛び散ってゆく。直線的に迫ってくる巨大な塊に、真横に前転したハンターは、転がってくる巨体を寸前でかわす。だが、傍らを通り過ぎた巨大な塊に、巻き上げられた骨達が飛び散り、その中の、いくつかがハンターの背中にぶち当たり、その衝撃に尻餅を付いてしまう。巨大な塊は、通り過ぎた先で方向転換すると、ハンター目掛けて勢いよく転がり出す!尻餅から立ち上がろうとしたハンターの身体に、勢いよく転がる巨大な塊が激しく衝突する!防具を貫通する様な凄まじい衝撃に、全身に激痛が走ると同時に、勢いよく弾き飛ばされた身体は、その先にある、骨の斜面に激しく打ち付けられて転がる。全身に受けた激しい痛みと朦朧とする意識の中、立ち上がったハンターの視界の先で、勢いよく転がり、大きな顎を激しく地面に叩き付け止まる骨鎚竜の姿が映る。死を思わせる程の恐ろしい破壊力に額に汗をにじませながら、後がないハンターは、武器を腰に掛けると、痛む全身に力を込めて駆け出してゆく!振り向く骨鎚竜の姿に、円を描くように走るハンターは同時に坂を駆け上がる!その姿に、尻尾を力強く横振りした骨鎚竜の遠心力は身体に付く骨を振り飛ばす!坂を駆け上がったハンターは、勢いよく滑り降りながら、振り飛ばされてくる鋭く尖った骨をかわすと、腰に掛ける武器を握り締めながら地面を勢いよく蹴り、力強く跳躍した身体を丸め、空中で回転を始めた身体の外側で、大回転を始めた武器の矛先を、尻尾を大きく振り、一回転して戻ってきた頭部を目掛けて凄まじい連撃を叩き込んでゆく!その連撃に頭部から背中にかけて生え揃う尖った骨は、次々と音を立てながら、砕かれてゆく!その凄まじい衝撃に、うなり声を上げながら体勢を崩した骨鎚竜の傍らで、受け身を取り、武器を持ち直したハンターは、よろめく巨体の腹部に、力強く振り下ろした武器の矛先を叩きつける!その衝撃に耐えながら、体勢を立て直した股の下を潜り抜けたハンターは、武器の腰に掛け、走り出す!振り向く骨鎚竜は、離れて行くハンターに、怒りの咆哮を上げる!危険に一早く気付き、走り出していたハンターは、咆哮の範囲外まで逃れ、振り向くと、そこには巨大な顎を大きく掲げた骨鎚竜が立ちふさがっていた!瘴気漂う谷の上層部。様々な骨が所狭しと敷き詰められ、大きく開けた大地で、ハンターを覆いかぶさる様に掲げられた巨大な顎が勢いよく振り下ろされる!