瘴気の谷。瘴気に包まれる通り道には、大小様々な骨が、そこら中に散らばり、まるで死に場所を求め、集まったモンスター達の墓場の様だ。その瘴気が立ち込める中、群れを引き連れるモンスターの親玉は、少ない餌を求め徘徊する。その抵抗のない身体を、瘴気に蝕まれながらも、ハンターは、奥へと進んで行く。…しばらく進むと目の前に立ち込める瘴気の向こう側にギルオスの影が見えてきた。その影は、周りに見える影よりも一回り以上大きい。間違いない、ドスギルオスだ!その大きな影は、こちらに向かって、ゆっくりと進んできている。物影に隠れようと周りを見渡すが、身を隠す場所が見当たらない。このままでは群れと鉢合わせになってしまう。ならば方法はただ一つ!ハンターは、武器を握り締め、目の前の瘴気に向かって、勢いよく走り出す!身体を蝕まれながらも、瘴気の中を進んで行く。抜け出た先で黒く大きな頭が顔を出す!突然姿を見せたハンターに、周りの群れが騒ぎ出す、それよりも速く放たれた渾身の一撃は、黒く大きな頭に襲い掛かる!その凄まじい衝撃に痺賊竜は地面に激しく叩き付けられる!もがく痺賊竜に、周りの群れがハンターを取り囲むが、攻撃の手を緩めない!次々と襲い掛かってくるギルオス達をかわしながら、その頭部に重い一撃を浴びせていく!凄まじい衝撃に耐えながら、何とか起き上がった痺賊竜は、怒り、激しく威嚇する!武器を手に、群れの攻撃をかわしながら、回り込もうと動き始めたハンターに、狙いを付け、液の滴る大きく鋭い牙が、勢いよく襲い掛かる!その攻撃をかわそうと、回避行動に入るが、群れに阻まれてしまう。次の瞬間、勢いづいた大きく鋭い牙がハンターの身体を貫く!その凄まじい衝撃に後方に吹き飛ばされる。倒れたハンターは立ち上がろうとするが、全身が動かない!それも、そのはずだ。痺賊竜の牙を滴る、その液は、強力な麻痺毒!その鋭い牙をまともに受け、滴る液は、その傷口から体内をめぐり、全身を麻痺させる!痺賊竜は群れと共に、動く事が出来ないハンターを取り囲み、一斉に襲い掛かる!瘴気漂う屍の地。絶体絶命の中、痺賊竜達の猛反撃が始まる!
瘴気に包まれる谷の上層部。色々な種類の屍が所狭しと散らばる開けた場所。甲虫カンタロスが骨の上をカサカサと音を立て歩き回る。上層部には、そういった開けた陸地が多い。そのエリアどうしを結ぶ大きな通路を、身体を丸め、転がりながら移動してくる巨大なモンスターは、開けた場所に降りてくると、身体に付く無数の骨をまき散らしながら、もの凄い音と地響きを立て、豪快に止まる。その衝撃に地面に散らばる無数の骨もあちこちに吹き飛ばされてゆく。ゆっくりと持ち上げられる大きな顎、全身を包む色々な種類の骨の数々は、硬く、自身の身を守る。その後ろ姿を視界に捕らえ、走り出したハンターは、斜面の多い、この地形を利用し、坂を滑り降りていく。武器を構え、滑り降りていく両脚に力を入れたハンターは、勢いよく跳躍した身体を丸め、空中で回転を始めた身体と外側の武器は速度が増してゆく。次の瞬間、高速回転する武器の矛先が、巨体の骨と激しくぶつかる!衝撃を受けた骨は、尻尾の先から胴体にかけて次々と砕かれてゆく!折れた骨がバラバラと音を立て地面に落ちていく光景を横目に、ハンターは着地すると同時に受け身を取り、斜面を駆け上がっていく。身体に付く骨の折れていく感覚にゆっくりと振り向く骨鎚竜の視界に、斜面を滑り降りてくるハンターの姿が映る。咆哮しようとする骨鎚竜よりも早く、跳躍し、空中で高速回転する武器の矛先は、骨鎚竜の頭部に激しい衝撃を与える!その衝撃に怯む巨体を容赦なく連撃が襲う!頭部から胴体にかけて放たれた連撃は、巨体に付く様々な骨を次々と砕き、骨鎚竜を包んでいた骨の半分近くが砕かれ、むき出しになった部分も、ちらほら顔を出す。怯む巨体の傍らで、たま受け身を取ったハンターは、むき出しになった黒い身体の一部に矛先を向け、一撃を放つ!普段は骨で覆っている部位でも、身体がむき出しになる今なら、確実にダメージを与えることが出来る!むき出しになった身体に衝撃が走り、一瞬怯むも、体勢を立て直した骨鎚竜は怒りの咆哮を上げる!その咆哮を傍らで受け、怯むハンターを横目に、骨鎚竜は屍の地面に潜りながら粘着質の身体をグルグルとかき回し始める。咆哮を受け、少しずつ意識を取り戻していくハンターの視界に、屍の地面から這い上がってくる骨鎚竜の姿が映る。這い上がって来た巨体には、頭から尻尾の先までびっしりと様々な骨が生え揃う。苦労して砕いてきた骨や、むき出しになった身体も包み込まれ、振り出しに戻されてしまう。武器を握り締め、走り出したハンターに狙いを付け、骨鎚竜は身体を丸め、勢いよく転がりだす!瘴気漂う谷の上層部。屍の散らばる開けた大地で、再び睨み合った両者は激しくぶつかり合う!