【モンハンワールド】ブログ小説⑰

上位リオレウス#36

古代樹の聳え立つ高所。大空の見渡せる開けた陸地に、夫婦で暮らす火竜は、巣を作り寄り添う。その姿を、茂みに隠れるハンターは、息を凝らし様子を覗う。しばらくすると、緑色の甲殻を持つ火竜は、大きく翼を広げ、青い空へと羽ばたいてゆく。大きく羽ばたく風圧は、周りの木々を揺らし、茂みに隠れるハンターの防具の隙間をすり抜けてゆく。餌を求め、飛び去っていく姿を見つめる火竜は、赤い甲殻に身を包み、大きな翼を休める。その姿を目にしたハンターは、茂みから勢いよく飛び出してゆく。背後から聴こえてくる物音に振り向いた火竜は、視界の先に現れた侵入者に対し、咆哮を上げる!咆哮の範囲外まで走り抜いたハンターは、身体を翻し、火竜へと走り出す!近づいて来るハンターに対し、身体をのけ反らせた火竜の口から燃え盛る炎が顔を出す。次の瞬間、勢いよく吐き出された燃え盛る火球は、急速にハンターへと近づいてくる。目の前に迫る火球に、真横に転がり、傍らを通り過ぎた先で火球は、地面とぶつかると爆発を起こし火花を散らせる。身体を起こし、視界を戻すと、そこには、大空へと羽ばたいた空の王者が、勢いよく飛びかかってくる姿が目に映る。とっさに転がった身体の傍らを、毒を持つ力強い爪が勢いよく通り過ぎてゆく。互いに振り返る姿に、円を描くように走り出したハンターを見下ろす火竜は、前方に薙ぎ払う様に炎を吐き出す!その炎の外側を回り込む様に走るハンターは、飛んでくる火花と暑さに耐えながら走り抜けた先で、空中を羽ばたく火竜の脚爪を視界に捕らえる。素早く構えられた武器は勢いよく振り切られ、矛先は脚爪を捕らえ、羽ばたく身体は、よろめきを見せる。体勢を崩す羽ばたきに向け、放たれたもう一撃は、大きな翼の片翼を突き上げる様に叩き込まれ、維持できなくなった羽ばたきに、落下する身体は地面に激しく叩き付けられる。この好機に正面へと回り込んだハンターは、頭部に向けて矛先を力強く振り下ろす!だがそれは、背後から吹き荒れる強烈な風圧に阻まれてしまう。吹き荒れる風圧に体勢を崩しながら、振り返るハンターの視界に、緑色に染まる羽ばたきが、力強く着地する。傍らに立つ緑色の頭部を見上げ、額に汗をにじませる。体勢を立て直し、起き上がった火竜と、ハンターを見下ろす緑色の頭部は、同時に激しい咆哮を上げる!古代樹の聳え立つ高所。大空に響き渡った夫婦の咆哮は、傍らに立つハンターを硬直させる。侵入者を見下ろす二頭の、息の合ったコンビネーションが始まろうとしていた。

上位ディアブロス#37

荒地の砂漠。斜面を滑り降りた先にぽっかりと口を開ける洞窟は、同じ様な穴をいくつか開ける。上層から荒地の砂が風に乗り、運ばれて来ては、堆積していく。そうして出来あがった洞窟内の砂漠には、薄暗い中、閃光羽虫があちらこちらで飛び回る。その地を好む立派な二本角を持つ角竜は、大きな脚で砂地を踏み歩く。その後ろ姿に忍び寄るハンターは、武器を手に、大きな股の下から見上げた先にある腹部目掛けて勢いよく矛先を叩きつける!乾燥した硬い甲殻に身を包む中、唯一柔らかい腹部に届いた矛先に、後方に跳躍した角竜は、見下ろした先に回り込む様に走り出すハンターに向けて高鳴り声を上げようとする!だがそれよりも早く、突き上げる様に勢いよく繰り出された矛先は、腹部を叩き上げる!柔らかい部位を襲う二度目の衝撃に、阻まれた咆哮は、うなり声へと変わる。のけ反る身体にもう一撃を振り下ろすが、体勢を立て直しながら、ゆっくりと進み始める硬い大脚を矛先がかすめ、通り過ぎてゆく。傍らで振り上げられた大きな脚に周りの砂が巻き上げられ、ハンターの視界をかすめる。目に入ってくる砂を片腕で覆いながら、薄っすらと見えてくる視界に、方向転換した二本の巨角が勢いよく迫って来る!砂煙に突き出された巨角は、地面に飛び込む様に跳躍した防具をかすめ、通り過ぎる。かすめられた防具に体勢を崩した身体は、地面を転がり砂煙が舞う。立ち上がる視界に振り下ろされた頑丈な尻尾は、舞い上がる砂を斬り、力強く叩き付けられる!考える間もなく弾き飛ばされた身体は、宙を舞うと共に激しい痛みが全身を襲い、落ちた先の地面を転がる。全身に走る激痛と朦朧とする意識の中、立ち上がろうとするハンターの視界の先で狙いを付けた巨角が猛突進を始める。やっとの事で、取り戻せた意識に、迫ってくる狙いを付けた猛突進。かわそうとした所で、詰め寄られた巨体と、狙いを付けた猛突進を回避できるだけの距離を取れる様な状況ではない。このままでは、確実に突き飛ばされてしまう。命の保障のない状況に、恐怖し、汗がにじむ。焦りながら周りを見渡した薄暗い視界に、閃光羽虫が飛び回る。それを目にし、ハンターは、ある事を思いつく。あれを試してみるか、いや、あの方法しか残されていない!迫りくる突進を視界に捕らえながら、走り出したハンターは、近くで飛んでいた閃光羽虫に触れると同時に目を閉じる。触れた手先を中心に薄暗い洞窟が一瞬にして激しい閃光に包まれる!ハンターを追っていた瞳は、目の前で放たれた激しい閃光に視界を奪われ、コントロールを失った巨体の大きな脚は絡み合い、巨角は前のめりに倒れながら地面をえぐり滑り、大量の砂粒を巻き上げながらハンターの傍らを滑り抜けてゆく。傍らを通り過ぎてゆく轟音と砂粒が肌に当たる感触の後、ゆっくりと目を開けた視界に、横倒れ、もがく巨体が映し出されてゆく。武器を手に、走り出したハンターは、もがく頭部に向かって武器の矛先を勢いよく叩き下ろす!その凄まじい衝撃をまともに受けた片角は勢いよく吹き飛ばされ、叩き抜けた矛先が、地面の砂を舞い上げる。武器を持ち直し、戻し見た視界に、立ちはだかる様に立つ巨体に付く瞳は、片角を折り飛ばしたハンターを見下ろし、激しい高鳴り声を上げる!洞窟へ風が運んできた砂が堆積して出来た下層の砂漠。薄暗い洞窟の中、片角を折られた角竜の、怒りの猛攻撃が始まる!

【モンハンワールド】ブログ小説⑯

上位レイギエナ#34

陸珊瑚の台地。高所に暮らす飛竜は、美しい翼を大きく広げ、大空を見渡せる開けた陸地へと降りてくる。大きな羽ばたきに、砕かれたように細かい珊瑚の砂粒が舞い上がり、降り立った台地を鋭いかぎ爪が、踏み歩く。海藻の様な草陰から飛び出したハンターは、武器を手に、勢いよく走り出す!珊瑚の砂を蹴り、近づいて来る足音を聴き、振り向く頭部に、力強く矛先を振り下ろす!だが、その一振りは、後方に跳躍した頭部をかすめ、武器の矛先は地面を叩きつけ、珊瑚の砂を舞い上げる。鋭い眼光がその姿を捕らえ、激しい咆哮を放つ!高鳴り声は珊瑚の台地に響き渡り、正面に立つよろめく姿に、跳躍した身体は空中で回転を始め、勢いよく突進する!加速する鋭いくちばしは、ハンターの身体を貫き飛ばし、通り過ぎた先で氷の結晶を散りばめながら、美しい翼を大きく広げ、羽ばたく。身体を貫く衝撃の後、空中へ弾き飛ばされた身体は、後方の地面を転がり、珊瑚の砂を舞い上げながら止まる。痛む身体を支えながら起き上がる視界に、翼を畳み空中で身体を回転させながら迫る風漂竜の姿が映る。すぐさま真横に転がった身体の傍らを、急加速した回転する身体が通り過ぎ、冷たい風が防具の隙間を吹き抜けてゆく。身体を翻し、通り過ぎた視界の先で、大きく羽ばたく風漂竜に向かい走り出したハンターを、鋭く見下ろす風漂竜は翼を大きく広げ、深呼吸すると身体に覆う氷の結晶を急激に成長させる。急激に成長した氷の結晶に、周りの空気は急激に冷え、ハンターの吐く息は白く染まる。大きく広げた翼は、勢いよく羽ばたくと同時に身体に付く氷の結晶を飛ばす。巻き起こった激しい風圧に急激に冷やされた地面は、一瞬にして凍り付いてしまう。異変を感じ、避ける様に転がるハンターを寸前で捕らえた凍り付く地面は、接触する脚具を凍り付かせる。凍り付いた脚具に急激に体温を奪われ、身体を震わせながらも、力強く走り出したハンターは、ついばむ鋭いくちばしをかわし、手にした武器を勢いよく振り切る!振り切られた矛先は鋭い爪を叩き抜け、その衝撃によろめいた身体は、着地すると同時に体勢を立て直す。武器を持ち直し、走り出したハンターを傍らで見つめる風漂竜は、力強く地面を蹴ると勢いよく宙返りし、視線の先にいるハンター目掛けて長く、しなやかな尻尾を勢いよく叩きつける!目の前に迫る勢いづいた尻尾に、寒さに耐えながら、地面に飛び込む様に回避したハンターの傍らに叩き付けられた地面は、えぐられた状態のまま一瞬にして凍り付く。振り返るハンターの視界に現れた、凍り付いた地面のオブジェクトは、叩き付けられた尻尾、その威力を証明する。地面に叩き付けた反動を利用し、宙返りした身体は、また元の位置へと着地する。珊瑚の砂が堆積する、大空を見渡せる開けた台地。風漂竜へと向き合うハンターは、武器を握り締め、また走り出す!周りの空気が急激に冷やされる中、ハンターの頬を一滴の汗が流れ落ちる。

上位オドガロン#35

瘴気漂う奈落の底。死体をくわえた地獄の番犬は、薄暗い開けた場所を抜け、自分の寝床へと戻ってゆく。様々な骨が重なり合う狭い通路。その奥にある開けた場所は、あちこちに地獄の番犬の食べ終えた後に残る骨が散乱している。その場所へ足を踏み入れたハンターは、大きな死体を食べる惨爪竜の後ろ姿を目にし、走り出す!薄暗い中、地面に転がる骨を踏み走り、食事に夢中になる後ろ姿の傍らを通り過ぎると血塗られた様に赤く染まる頭部が顔を出す。握りしめた武器を頭部目掛けて勢いよく叩きつける!矛先は頭部を力強く叩き付けた後、地面にぶつかりると砕かれた骨達が周りに飛び散ってゆく。頭部を走る痛みに食事を止め、ゆっくりと頭を持ち上げる惨爪竜は、武器を腰に掛け、距離を取ってゆく邪魔者を見つけ、咆哮を上げる!寝床で放たれた雄叫びは食べ残った骨達を震わせる。ビリビリと伝わってくる音を肌で感じながら、何とか範囲外まで逃げ切ったハンターは、振り返った先に立つ惨爪竜の姿を目にし、驚く。血塗られた様に赤く染まった身体は、背中から頭部にかけて、赤々とした発光し膨張している。今までに見た事のない恐ろしい姿に、思わず息を呑む。回り込む様に駆け寄って来た惨爪竜は、二層に分かれる鋭く研ぎ澄まされた爪で、勢いよく引き裂いてくる!この爪で引き裂かれると、二層に分かれる爪は身体に深い傷を残し、流れ出る血が止まらなくなってしまう。その状態のまま闘うのは非常に危険だ。引き裂いてくる爪に対し、すぐさま回避行動をとるハンターは、鋭く尖る爪を寸前でかわし、転がった身体は、傍らに見える脇腹に矛先を振り切る!だが、転がった身体を目で追っていた地獄の番犬は、それよりも早く薙ぎ払う様に、力強く嚙み付く!勢いよく噛み付かれた片腕を、不規則に並ぶ鋭い牙が防具を突き抜け、血が流れ出す。そのまま身体ごと投げ飛ばされた身体は片腕の激痛と共に宙を舞い、落ちた先の地面で、ばら撒かれた骨をまき散らしながら地面を転がる。血の流れ出す片腕をかばいながら、起き上がるハンターの視界に、壁をよじ登った惨爪竜が飛びかかってくる姿が映し出される。急降下する様に覆いかぶさってくる姿に、とっさに真横に転がった身体の傍らを通り過ぎ、着地した惨爪竜を、横目で確認するハンターの視界に、また壁をよじ登り、急降下する様に飛びかかってくる惨爪竜の姿が目に映る。すぐさま地面を転がり、寸前で回避したハンターの真横に着地した惨爪竜は、鋭い牙をむき出しにし、薙ぎ払う様に豪快に噛み付いてくる!その姿に、目の前に見える骨の散らばる地面に飛び込む様に跳躍した身体を守る防具を、勢いよく噛み付いてきた牙は、かすめながら、大きく振り上がってゆく。飛び込んだ地面の骨を散らばらせながら、立ち上がるハンターを見下ろす様に傍らに立つ地獄の番犬は、二層に分かれる鋭い爪を振り下ろす!瘴気の谷。奈落の底に広がる、食べ終えた後に残された骨が、あちこちに散らばる番犬の寝床。次々と繰り出されてゆく、全く隙の無い猛攻撃に、ハンターは急速に追い詰められてゆく。片腕の傷をかばいながら立ち上がるハンターの視界に背中を赤々と発光させる地獄の番犬の凄まじい一撃が振り下ろされる!

【モンハンワールド】ブログ小説⑮

リオレイア亜種#32

新大陸の調査を進める内に各地で見つかる変わった痕跡。ハンターが見つけたのも、その内の一つだった。それは、見慣れた雌火竜の痕跡なのだが、微妙に異なる様にも見える。その痕跡を持ち帰ったハンターは、生態研究所を訪ねる。ここはモンスターを専門に様々な研究を行う施設だ。顔なじみの老人、彼はこの施設の所長を務めている。変わった痕跡を見てもらうが、一つだけでは手掛かりが足りないと言われ、他の調査と併用して痕跡を回収していたのだが、ついに奴の居場所が特定された。翼竜に摑まり、この地に降り立ったハンターは、海の中が、そのまま陸地になった様な自然が広がる珊瑚の並木を進んでゆく。しばらく進むと巨大なイソギンチャクの樹が育つ通り道へと辿り着いたハンターは、周りを彩る桃色の景色を眺めながら、歩みを進める。珊瑚の壁の向こう側、視界を遮られた壁へと脚を伸ばしたハンターは、振り向いた視界の先に立つ、モンスターの姿を目にし、驚く。そこに立つ雌火竜は、全身を桜色に染め、周りの風景に溶け込んでいたのだ。普段と違う色の雌火竜に驚くハンターに、振り向いた桜火竜は、鋭く睨むと同時に咆哮を上げる!その咆哮は珊瑚の並木を揺るがし、イソギンチャクの樹も揺れる。咆哮をまともに受けたハンターは、鼓膜を引き裂かれる様な痛みに襲われ、動くことが出来なくなった。足音を響かせながら駆け出し、正面に詰め寄ってきた桜火竜は、脚を軸に身体を大きく動かし回転させると、棘の付いた硬い尻尾が、ハンターの身体を薙ぎ払う様に勢いよく放たれる!その衝撃を脇腹から受けた身体は、胴体を中心に走る激しい痛みと共に真横に勢いよく弾き飛ばされる!宙を舞う身体は、イソギンチャクの樹にぶつかり、地面に落ちる。弾力のある樹にぶつかった事で衝撃は和らいだものの、胴からくる激しい痛みに簡単に立ち上がる事はできない。挨拶代わりの一撃にしては、重過ぎる。よろけながらも立ち上がるハンターの視界に、大きく口を開き噛み付こうとする桜火竜が目に映り、とっさに真横を向き、転がる後ろで牙と牙がかみ合う音が鳴る。だが、すぐに振り向いた桜火竜は、まだ起き上がれていないハンターに噛み付こうと、また口を開く!開かれた口は傍らまで迫り、慌てて転がるが脚が頭部をかすめ、その勢いに押し出され、体勢を崩した身体が地面を転がる。横たわる身体を横目で見下ろす桜火竜は、身体を低く構えると巻き上がる様に全身を回転させながら一気に跳躍する。その勢いで回転した尻尾が、立ち上がろうとするハンターに襲い掛かる!目の前まできた尻尾に、とっさに真横を向き転がった身体を、かすめる様に通り過ぎてゆく尻尾の勢いに、巻き上げられた風圧はハンターの脚をもつれさせる。巻き上がる様に大空に羽ばたいた桜火竜は、見下ろした先にいるハンター目掛けて急降下する!風圧に脚を取られるも、立ち上がろうとするハンターの視界に、勢いよく急降下する桜火竜の姿があった。珊瑚の揺れる並木道。イソギンチャクの樹が聳え立ち、桜色に染まるこの場所で、隙の無い桜火竜の猛攻撃が、ハンターを苦しめる!

岩賊竜ドドガマル#33

龍結晶の地。溶岩の冷え固まった山岳地帯。斜面を滑り降りていくハンターは、大きく口を開けた洞窟の中へと入って行く。長い斜面を滑り降りた先には、いくつもの大きな結晶が柱の様に聳え立ち、溶岩が冷え固まって出来た地面からも小さな結晶が、ちらほらと顔を覗かせる。その大きく開けた地に、黙々と岩を食べ続けるモンスターがいた。奴は近づくハンターに見向きもせず、岩が貯えられてゆく腹は、はち切れんばかりに膨れ上がっている。武器を構えたハンターは、膨れ上がった腹部を目掛けて矛先を勢いよく振り下ろす!いきなり叩きつけられた腹部に逆流する様に波打った大きな腹。波は頭部まで走り、出口から赤々した岩が吐き出され、地面に接触すると爆発し、弾け飛ぶ。周囲を包む熱風を肌で感じながら、武器を持ち直した矛先を、もう一度腹部に振り切るが、後ずさる前脚をかすめ、横眼で邪魔者を見つけた岩賊竜は、咆哮を放つ!洞窟を響き渡る叫びは、傍らに立つハンターの耳に轟音を駆け巡らせる。その凄まじい叫びを受け、よろめく身体に向き合った岩賊竜は、四つ足で這う様に勢いよく突進を始める。しゃくれる大きな口から爆塵を噴き出しながら迫る頭部に、棒立ちの身体は、なすすべなく突き飛ばされてしまう。岩で出来た地面に転がりながら、何とか受け身を取る身体に、防具の隙間に付いてしまった爆発性の塵が火花を散らす様な痛みを与える。このまま放って置けば隙間に付く塵と塵がこすれ合い、爆発を引き起こし周りの隙間に付く塵にも引火し、連鎖爆破してしまう。額に汗をにじませながら、塵を何とか振り払う為、地面を転がる姿に、傍らまで近づいた岩賊竜は、口を大きく膨らませ、地面を転がるハンターに向けて、腹に溜め込んでいた岩を一気に吐き出す!吐き出された赤々とした岩の数々が、ハンター目掛けて降り注いでくる!地面に触れると同時に爆発し、弾け飛ぶ火花を、傍らに転がるハンターは、かわす事が出来ず、ついに、飛んできた火花が爆発性の塵に引火してしまう。次の瞬間、防具の隙間から爆発した塵は次々と連鎖爆破し、ハンターの身体は、一瞬にして炎に包まれると同時に爆発の凄まじい衝撃に、宙を舞う!全身が吹き飛びそうになる衝撃に意識を失いかけながら、地面に叩き付けられた身体は、勢いよく転がる!朦朧とする意識の中、激痛に耐え、立ち上がろうとするハンターの視界の先で、岩を吐き出し少し凹んだ腹を震わせながら、岩賊竜は、突進を始める。龍結晶の地。大きな結晶の柱が支えるかの様に天井まで伸び、冷え固まった溶岩が地面を作る。いくつも通路が伸びる開けた洞窟で、劣勢になりながらも武器を持ち直したハンターを、岩賊竜の突進が襲い掛かる!

【モンハンワールド】ブログ小説⑭

上位トビカガチ#30

古代樹の森。木々の生い茂る広大な森には豊かな自然が広がる。木漏れ日が差し込める木々の間を抜け、木々が生い茂る開けた場所へ獣は足を踏み入れる。大木がいくつも育ち、その根元近くから段差の様に生えるキノコは大きくて硬い。大木の陰に身を潜めていたハンターは、根元近くから生える大きなキノコに登ると、颯爽と駆け抜けていく後ろ姿に向けて勢いよく跳躍すると、腰に掛けた武器に手を伸ばし、それを力強く叩き落す!矛先は大きく広がる自慢の尻尾に叩き込まれ、突然走る激しい痛みに、よろける尻尾にはハンターがしがみ付いていた。重くなった尻尾に違和感を感じ、振り返る飛雷竜の瞳に、自慢の尻尾にしがみ付く厄介者が映り込む。振り落そうと必死にもがく尻尾に、しがみ付きながらもハンターは、ナイフを突き立てる。自慢の尻尾に痛みが走り、勢いよく大木に叩き付ける!だが、今度は背中から痛みを感じる!それは、大木に尻尾が叩き付けられる直前、しがみ付いた手に力を込めて宙に飛び上がったハンターは、衝撃の少ない背中に着地すると同時に刃物を突き立てた為だった。今度は背中で始まった繰り返される痛みと動き回った疲れに、息を切らす姿を視界に捕らえたハンターは、頭によじ登り、立ち上がると同時に武器を構えると、動けなくなった頭部に渾身の一撃を放つ!その振り下ろされた矛先は勢いよく頭部を叩きつけ、その凄まじい衝撃に横倒れになる頭部の傍らで、受け身を取るハンターは、身体を翻し、正面に向かい合った頭部に、武器の矛先を叩きつける!繰り出された重い一撃に、よろけながらも立ち上がる視界の目の前で、もう一撃が見え、勢いよく跳躍した身体は、近くに生える大木にしがみ付き、枝に付く葉が揺れ、ひらひらと落ちてくる。かわされた武器の矛先は地面に叩き付けられ、ハンターは、持ち直した武器を腰に掛ける。大木を登った飛雷竜は、大きな枝から木々を移動する。だが、移動する位置を推測する事は、大木を下から見上げるハンターには難しい。死角だけは守ろうと、ハンターは大木を背に立つ。だが、攻略法を見つけなければ、いずれは同じ事だ。どうにかして位置を探らなくては。焦る気持ちに鼓動が早くなる。ハンターに分かるのは、木々を移動する微かな物音、落ちてくる樹の葉。だが、ここである事に気付く。青い葉っぱは、飛雷竜が大きな枝から木々を移動する時に、枝が揺れる為落ちてくる。つまり、まだ青い葉が落ちてきた先にある大木に飛雷竜が身を潜めているという事では…。そう考えた矢先、ハンターの視界に、青い葉が、ひらひらと落ちてくる。その先にある大木を見上げた視界に、勢いよく飛び降りてくる飛雷竜の姿が映し出される!古代樹の森。木々が生い茂り、大木がいくつも育つ開けた通り道。木々の間から、時折り木漏れ日が差し込める中、大木に身を潜めた飛雷竜は、ハンター目掛けて勢いよく飛び降りてくる!力強く放たれた、自慢の尻尾がハンターを容赦なく襲い掛かる!

上位アンジャナフ#31

荒地の小さな森。所狭しと木々が生い茂り、草花が育つ。その地を好む巨大なモンスターは、茂みの間から、大きな顔を覗かせる。巨体を大きく動かし、茂みから出て来た大きな脚は、生い茂る木々が木陰を作る、開けた地へと足を踏み入れる。巨体の出て来た茂みの陰に身を潜めていたハンターは、傍らに踏み入れてきた大きな脚に向かい、腰に掛ける武器を手に持つと、その矛先を勢いよく叩きつける!大きくて硬い脚に叩きつけられた矛先は鈍い音を立てる。弾かれはしないものの、大きな脚はビクともしない。後ろ脚に感じる微々たる感触に、見上げるほど高い、振り向く頭部は、感触のあった片脚を見下ろす。振り向く頭部を視界に捕らえながら、大きな股を潜り抜けたハンターは、大きく揺れ動く腹部に武器を突き出し、アッパー状に勢いよく矛先を叩きつける!だが、分厚い皮膚に守られた腹部も鈍い音を立てる。武器を腰に掛け、距離を取り始めるハンターを、後ずさりながら見下ろした視界に、発見した蛮顎竜は、咆哮を上げる!範囲外の咆哮に、ハンターは怯むことなく走り続ける。追いかけてくる大きな脚に、回り込む様に駆けていくハンターを見下ろす頭部は、振り向きざまに大きな口を開きながら鋭く尖った牙は、薙ぎ払う様にハンターに嚙み付く!見上げた先に勢いよく迫ってきた、立ち並ぶ鋭い牙に対し、真横に前転した身体の上をすれすれで通り過ぎて行く顎は、見上げる高さまで戻ってゆく。立ち上がった傍らに見える大きな脚に、武器を構えた勢いで、振り切られた矛先は力強くぶつかる!鈍い音を立てるが、その衝撃に甲殻が少し剥がれ落ちた脚を確認する。硬い甲殻に覆われているが、攻撃が効いていない訳ではない事が剥がれ落ちた甲殻の欠片で証明された。長期戦になる事は間違いないが、確実にダメージは蓄積されている。その事に多少の喜びを感じながら、武器を腰に掛け、走りだそうとするハンターの背中に凄まじい衝撃が走る!その死角からの激しい衝撃に背中に激痛が走り、息が詰まる。弾き飛ばされた身体は大きな股を潜り抜け、蛮顎竜の正面に勢いよく転がる!その一撃の正体は、巨大な尻尾をしならせ、ハンターに狙いを付け、勢いよく放たれた蛮顎竜の物だった。転がってきた邪魔者を見下ろした蛮顎竜は、大きく口を開くと鋭い牙をむき出しにして、巨体と共に勢いよく突進を始める!倒れながらも、意識を取り戻したハンターの視界に、鋭い牙が立ち並ぶ大きな口が迫る!とっさに片腕をついたハンターは、力を振り絞り、真横に前転する。その僅か後ろを通り過ぎてゆく巨体の勢いに巻き起こった風圧が、防具の隙間を通り過ぎてゆく。その風圧に草花が揺れる先を横目で確認すると、通り過ぎた地は地面がえぐられ、その先で、しゃくり上げられた大顎の間から、吐き散らせれる様に草木をまき散らす蛮顎竜の姿があった。もし、一歩遅ければ自分がなっていたかと思うとゾッとする。顎から零れ落ちてくる、砕き折られた木々を見つめながら立ち上がるハンターに、ゆっくりと振り向く大きな頭部に付く瞳は、その姿をジロりと見下ろしてくる。荒地にある小さな森。木々の間から木漏れ日が差し込め、見上げる視界に、光が輝きを放ち、吹き抜ける風が草木をささやかせる。その地に似合わぬほど大きな身体を持つ蛮顎竜を見上げるハンターは、見下ろしてくる瞳に恐怖を感じながらも、武器を握り締め、また走り出す!

【モンハンワールド】ブログ小説⑬

上位ドスギルオス#28

瘴気漂う谷の中層部。群れを引き連れ移動する群れのリーダーは、餌を求め、今日も徘徊を続ける。元々餌の少ない、この谷では、餌を求め徘徊するモンスターも少なくない。もし出会ってしまえば、激しい縄張り争いが始まってしまう。群れを引き連れ、リーダーは、瘴気が漂い、所狭しと様々な種類の骨が散らばる開けた通り道に辿り着く。ここは、谷よりも上層の、まだ新しい死体が、よく落ちてくる場所。落ちてくる餌にありつく為、群れと共に、この場所を訪れたのであろう。その姿を、瘴気に身体を蝕まれながらも、骨の間に身を隠したハンターは、息をひそめ、見つめる。次の瞬間、攻撃範囲まで入ってきたリーダーを、坂になるほど積み上がった骨の間から確認できたハンターは、勢いよく飛び出し、武器を握り締め、骨の坂を滑り降りてゆく。群れるギルオスをかわしながら、勢いよく跳躍し、丸めた身体は空中で回転を始め、その外側に構えた武器は力強く大回転する。坂の下から上を見上げる様に振り返る、黒々とした頭部に向けて、勢いづいた激しい連撃が襲い掛かる!その凄まじい連撃に頭部に並ぶ黒々とした鱗が剝がれてゆく。凄まじい衝撃に、頭部から横倒れになってゆく姿の傍らで、着地と同時に受け身を取り、身体を翻したハンターは、親玉の頭部目掛けて武器の矛先を勢いよく叩きつける!手応えのある感覚に、調子づくが、それは矛先に飛び込んできたギルオスだった。攻撃を阻み、身代わりの様に渾身の一撃を浴びた一匹は、吹き飛んだ先で地面を転がり、動かなくなった。武器を持ち直したハンターは、群れに取り囲まれ、傍らで倒れる黒々とした頭が起き上がる。横目で鋭く睨み付け、振り向きざまに、噛み付いてくる大きな頭を、傍らで、巨体に潜り込む様にかわすと、その脇腹に、振り切った武器の矛先を当て、股をすり抜ける様に冷静に通り抜けたハンターに、飛びかかってきた一匹が片腕に噛み付き、ぶら下がる。腕を力強く振り、払い飛ばすが、嚙まれた腕は痺れ、力があまり入らない。防具を付けているものの、それを貫通した牙が腕に刺さり、その傷口から彼らの持つ強力な麻痺毒を貰ってしまったようだ。戦いが長引けば、やがて身体の自由を奪われてしまう。構えていた武器を背中に掛けると、大きな尻尾の傍らに立っていたハンターを、取り囲んでいた群れが、次々と襲い掛かってくる!飛びかかってくる群れの動きを見極めながら、かわしていくハンターは、親玉に対し円を描くように大きく回り込む。それは、群れとリーダーを出来るだけ引き離す為だった。でなければ、例え傍らにいた親玉に、大きな一撃を与えられていたとしても、群れの一斉攻撃を全て、かわす事は出来ない。当たり所が悪ければ、一瞬の内に全身に麻痺毒が回り、その先に待っているのは死だ。振り向いた痺賊竜は、群れに追われながら大回りに走るハンターを目掛けて、身体をのけぞる様にして、麻痺液を勢いよく吐き出す!それを待っていたハンターは、身体の方向変え、痺賊竜に向かって走り出す!吐き出された麻痺液が直線的に飛んでくるのに対し、斜め前方に前転したハンターの傍らを麻痺液が勢いよく飛び去ってゆき、ハンターを追って来ていた群れの何匹かを、麻痺液が覆いかぶさり、包み込まれる。その強力な麻痺液を浴び、倒れる群れを背に、駆けるハンターは、麻痺液を吐き出した反動に大きく振られる頭を目掛けて、武器を構えた勢いで、麻痺に蝕まれる片腕をかばいながら力強く振り切った!その矛先は、黒々とした頭部を捕らえ、その衝撃に、一瞬怯みを見せた頭部の傍らで、武器を背中に掛け、距離を取り始めるハンターを視界に、痺賊竜は、怒り、激しく威嚇する!瘴気漂う谷の中層部。様々な骨が所狭しと敷き詰められた開けた通り道。群れに追われ、麻痺に蝕まれる片腕をかばいながら戦うハンターは、痺賊竜の逆鱗に触れる!

上位ラドバルキン#29

瘴気漂う谷の上層部。様々な骨が所狭しと敷き詰められる、大きく開けた大地。この場所へ足を踏み入れたハンターは、坂の上から聴こえてくる物音に耳を傾ける。その音は次第に大きくなり、坂の上から姿を現す。鋭く尖った骨の数々を身にまとう巨大な塊は、勢いよく転がりながら降りてくる。地面に敷き詰められた骨は、転がってくる巨大な塊に、弾き飛ばされてしまう。バラバラと音を立て落ちてくる骨を、見極めかわしていくハンターの視界の先に、地面に大きな顎を叩きつけ、止まる骨鎚竜の姿があった。その叩きつけられた大きな顎に、敷き詰められた様々な骨の数々は、凄まじい衝撃が巻き起こり、爆発が起きたかの様に周りの地面と共に勢いよく吹き飛び散ってゆく。ゆっくりと持ち上げられた大きな顎の下にあった地面は、半球状に大穴が出来上がっていた。飛び散ってくる骨をかわしながら、武器を手に走り出したハンターは、黒々とした大きな股の間から、骨で守られていない腹部に向かって、武器の矛先を勢いよく振り下ろす!腹部に走る衝撃に、後ずさる股の間を抜け、前方に走り出すハンターを見下ろした骨鎚竜は、現れた邪魔者に対し、咆哮を上げる!咆哮の範囲外まで逃れる事の出来たハンターは、身体を翻し、また巨体へと向かい、走り始める。近づいてくる姿に狙いを付けた骨鎚竜は、身体を丸めながら前転すると同時に力強く回転を始めた。その地面を転がり始めた巨大な塊に、巻き込まれた骨の数々が音を立てながら飛び散ってゆく。直線的に迫ってくる巨大な塊に、真横に前転したハンターは、転がってくる巨体を寸前でかわす。だが、傍らを通り過ぎた巨大な塊に、巻き上げられた骨達が飛び散り、その中の、いくつかがハンターの背中にぶち当たり、その衝撃に尻餅を付いてしまう。巨大な塊は、通り過ぎた先で方向転換すると、ハンター目掛けて勢いよく転がり出す!尻餅から立ち上がろうとしたハンターの身体に、勢いよく転がる巨大な塊が激しく衝突する!防具を貫通する様な凄まじい衝撃に、全身に激痛が走ると同時に、勢いよく弾き飛ばされた身体は、その先にある、骨の斜面に激しく打ち付けられて転がる。全身に受けた激しい痛みと朦朧とする意識の中、立ち上がったハンターの視界の先で、勢いよく転がり、大きな顎を激しく地面に叩き付け止まる骨鎚竜の姿が映る。死を思わせる程の恐ろしい破壊力に額に汗をにじませながら、後がないハンターは、武器を腰に掛けると、痛む全身に力を込めて駆け出してゆく!振り向く骨鎚竜の姿に、円を描くように走るハンターは同時に坂を駆け上がる!その姿に、尻尾を力強く横振りした骨鎚竜の遠心力は身体に付く骨を振り飛ばす!坂を駆け上がったハンターは、勢いよく滑り降りながら、振り飛ばされてくる鋭く尖った骨をかわすと、腰に掛ける武器を握り締めながら地面を勢いよく蹴り、力強く跳躍した身体を丸め、空中で回転を始めた身体の外側で、大回転を始めた武器の矛先を、尻尾を大きく振り、一回転して戻ってきた頭部を目掛けて凄まじい連撃を叩き込んでゆく!その連撃に頭部から背中にかけて生え揃う尖った骨は、次々と音を立てながら、砕かれてゆく!その凄まじい衝撃に、うなり声を上げながら体勢を崩した骨鎚竜の傍らで、受け身を取り、武器を持ち直したハンターは、よろめく巨体の腹部に、力強く振り下ろした武器の矛先を叩きつける!その衝撃に耐えながら、体勢を立て直した股の下を潜り抜けたハンターは、武器の腰に掛け、走り出す!振り向く骨鎚竜は、離れて行くハンターに、怒りの咆哮を上げる!危険に一早く気付き、走り出していたハンターは、咆哮の範囲外まで逃れ、振り向くと、そこには巨大な顎を大きく掲げた骨鎚竜が立ちふさがっていた!瘴気漂う谷の上層部。様々な骨が所狭しと敷き詰められ、大きく開けた大地で、ハンターを覆いかぶさる様に掲げられた巨大な顎が勢いよく振り下ろされる!