新大陸の調査を進める内に各地で見つかる変わった痕跡。ハンターが見つけたのも、その内の一つだった。それは、見慣れた雌火竜の痕跡なのだが、微妙に異なる様にも見える。その痕跡を持ち帰ったハンターは、生態研究所を訪ねる。ここはモンスターを専門に様々な研究を行う施設だ。顔なじみの老人、彼はこの施設の所長を務めている。変わった痕跡を見てもらうが、一つだけでは手掛かりが足りないと言われ、他の調査と併用して痕跡を回収していたのだが、ついに奴の居場所が特定された。翼竜に摑まり、この地に降り立ったハンターは、海の中が、そのまま陸地になった様な自然が広がる珊瑚の並木を進んでゆく。しばらく進むと巨大なイソギンチャクの樹が育つ通り道へと辿り着いたハンターは、周りを彩る桃色の景色を眺めながら、歩みを進める。珊瑚の壁の向こう側、視界を遮られた壁へと脚を伸ばしたハンターは、振り向いた視界の先に立つ、モンスターの姿を目にし、驚く。そこに立つ雌火竜は、全身を桜色に染め、周りの風景に溶け込んでいたのだ。普段と違う色の雌火竜に驚くハンターに、振り向いた桜火竜は、鋭く睨むと同時に咆哮を上げる!その咆哮は珊瑚の並木を揺るがし、イソギンチャクの樹も揺れる。咆哮をまともに受けたハンターは、鼓膜を引き裂かれる様な痛みに襲われ、動くことが出来なくなった。足音を響かせながら駆け出し、正面に詰め寄ってきた桜火竜は、脚を軸に身体を大きく動かし回転させると、棘の付いた硬い尻尾が、ハンターの身体を薙ぎ払う様に勢いよく放たれる!その衝撃を脇腹から受けた身体は、胴体を中心に走る激しい痛みと共に真横に勢いよく弾き飛ばされる!宙を舞う身体は、イソギンチャクの樹にぶつかり、地面に落ちる。弾力のある樹にぶつかった事で衝撃は和らいだものの、胴からくる激しい痛みに簡単に立ち上がる事はできない。挨拶代わりの一撃にしては、重過ぎる。よろけながらも立ち上がるハンターの視界に、大きく口を開き噛み付こうとする桜火竜が目に映り、とっさに真横を向き、転がる後ろで牙と牙がかみ合う音が鳴る。だが、すぐに振り向いた桜火竜は、まだ起き上がれていないハンターに噛み付こうと、また口を開く!開かれた口は傍らまで迫り、慌てて転がるが脚が頭部をかすめ、その勢いに押し出され、体勢を崩した身体が地面を転がる。横たわる身体を横目で見下ろす桜火竜は、身体を低く構えると巻き上がる様に全身を回転させながら一気に跳躍する。その勢いで回転した尻尾が、立ち上がろうとするハンターに襲い掛かる!目の前まできた尻尾に、とっさに真横を向き転がった身体を、かすめる様に通り過ぎてゆく尻尾の勢いに、巻き上げられた風圧はハンターの脚をもつれさせる。巻き上がる様に大空に羽ばたいた桜火竜は、見下ろした先にいるハンター目掛けて急降下する!風圧に脚を取られるも、立ち上がろうとするハンターの視界に、勢いよく急降下する桜火竜の姿があった。珊瑚の揺れる並木道。イソギンチャクの樹が聳え立ち、桜色に染まるこの場所で、隙の無い桜火竜の猛攻撃が、ハンターを苦しめる!
龍結晶の地。溶岩の冷え固まった山岳地帯。斜面を滑り降りていくハンターは、大きく口を開けた洞窟の中へと入って行く。長い斜面を滑り降りた先には、いくつもの大きな結晶が柱の様に聳え立ち、溶岩が冷え固まって出来た地面からも小さな結晶が、ちらほらと顔を覗かせる。その大きく開けた地に、黙々と岩を食べ続けるモンスターがいた。奴は近づくハンターに見向きもせず、岩が貯えられてゆく腹は、はち切れんばかりに膨れ上がっている。武器を構えたハンターは、膨れ上がった腹部を目掛けて矛先を勢いよく振り下ろす!いきなり叩きつけられた腹部に逆流する様に波打った大きな腹。波は頭部まで走り、出口から赤々した岩が吐き出され、地面に接触すると爆発し、弾け飛ぶ。周囲を包む熱風を肌で感じながら、武器を持ち直した矛先を、もう一度腹部に振り切るが、後ずさる前脚をかすめ、横眼で邪魔者を見つけた岩賊竜は、咆哮を放つ!洞窟を響き渡る叫びは、傍らに立つハンターの耳に轟音を駆け巡らせる。その凄まじい叫びを受け、よろめく身体に向き合った岩賊竜は、四つ足で這う様に勢いよく突進を始める。しゃくれる大きな口から爆塵を噴き出しながら迫る頭部に、棒立ちの身体は、なすすべなく突き飛ばされてしまう。岩で出来た地面に転がりながら、何とか受け身を取る身体に、防具の隙間に付いてしまった爆発性の塵が火花を散らす様な痛みを与える。このまま放って置けば隙間に付く塵と塵がこすれ合い、爆発を引き起こし周りの隙間に付く塵にも引火し、連鎖爆破してしまう。額に汗をにじませながら、塵を何とか振り払う為、地面を転がる姿に、傍らまで近づいた岩賊竜は、口を大きく膨らませ、地面を転がるハンターに向けて、腹に溜め込んでいた岩を一気に吐き出す!吐き出された赤々とした岩の数々が、ハンター目掛けて降り注いでくる!地面に触れると同時に爆発し、弾け飛ぶ火花を、傍らに転がるハンターは、かわす事が出来ず、ついに、飛んできた火花が爆発性の塵に引火してしまう。次の瞬間、防具の隙間から爆発した塵は次々と連鎖爆破し、ハンターの身体は、一瞬にして炎に包まれると同時に爆発の凄まじい衝撃に、宙を舞う!全身が吹き飛びそうになる衝撃に意識を失いかけながら、地面に叩き付けられた身体は、勢いよく転がる!朦朧とする意識の中、激痛に耐え、立ち上がろうとするハンターの視界の先で、岩を吐き出し少し凹んだ腹を震わせながら、岩賊竜は、突進を始める。龍結晶の地。大きな結晶の柱が支えるかの様に天井まで伸び、冷え固まった溶岩が地面を作る。いくつも通路が伸びる開けた洞窟で、劣勢になりながらも武器を持ち直したハンターを、岩賊竜の突進が襲い掛かる!