新大陸に渡り、調査を進めていた古龍の居場所がついに判明する。生態研究所を後にしたハンターは、翼竜に摑まり、結晶の連なる大地へと降り立つ。見上げると、噴煙の上がる空が広がる開けた場所に、大きく口を開ける暗がりの入り口。奥へ進むと一面を結晶が覆う開けた場所へと辿り着く。凹凸の激しい地形には、針の様に鋭く尖る結晶が連なり生え揃う。視界の先で聴こえてくる物音に目を向けると、暗がりから白く染める鋭く長い棘を、全身に生やす巨体が、近づいて来る。それは、熔山龍との闘いで現れた、あの古龍だった。武器を構えるハンターに、向き合った滅尽龍は激しい咆哮を上げる!その咆哮は、一面に生え揃う結晶を震わせ、響き渡る雄叫びを肌で感じながら、武器を握り締め、走り出す!凹凸のある地面を越え、駆けて抜けて来るハンターに、力強い四つ脚は簡単に詰め寄り、前脚で地面を削り、勢いよく引っ搔き上げる!とっさに真横に転がり、寸前でかわしたハンターの傍らを大爪が通り過ぎ、砕き飛ばされた地面の欠片が、腕具をかすめ、通り過ぎてゆく。あの大爪をまともに受け、引き裂かれれば、ただでは済まされないだろう。前脚の外側に転がり立ったハンターは、そこから見える脇腹に向けて矛先を力強く振り切る!次の瞬間、脇腹の目の前に折り畳まれた翼は地面に付けられ、滅尽龍は内側から翼を力強く押し付けながら近づく。内側から押し付けられた鋭い棘が立ち並ぶ翼は、溶岩が冷え固まって作られた地面をいとも簡単に磨り潰す様に、勢いよく押し迫る!それはまるで、剣山の壁が勢いよく迫ってくる様な感覚に捕らわれてしまう。次の瞬間、目の前から迫ってくる白く染まる剣山に、その身を貫かれ、力強く押し上げられた身体は、宙を舞い、防具を貫通して来た無数の棘に全身を串刺しにされた様な激痛が走り、押し飛ばされた先の地面を転がる。全身を流れ出る血と貫かれた痛みに耐え、よろけながらも立ち上がろうとする身体に、力強く駆け寄って来た滅尽龍は、強靭な前脚を振り上げると見下ろした視界に映るハンター目掛けて、前脚を勢いよく振り下ろす!見上げる先の光景に、傷付いた全身に力を込めて、振り絞る様に転がった傍らに、振り下ろされた強靭な前脚は、地面を粉々にする破壊力を見せつけ、叩き付けられた衝撃で前脚に生える無数の棘が一瞬にして弾け飛ぶ!勢いよく弾け飛んだ無数の棘は傍らに転がった身体に突き刺さる!突き刺さる棘を抜いた傷口から血が滴り落ち、更に増す痛みに耐える呼吸は荒くなっていく。破壊力と隙のない攻撃に追い詰められていくハンター。回避したところを攻撃され、攻撃するにも凹凸の地形に慣れている滅尽龍に分がある。全身に傷を負い絶望的な状況で、ある考えが頭をよぎる。それは危険な賭けだが、この状況では他に方法がない。闇雲に動き回っても倒されるのは時間の問題だ。覚悟を決めたハンターに、トドメを刺しに来た強靭な前脚が勢いよく振り下ろされる!その姿に対し、懐に飛び込む様に跳躍した身体は脇腹と後ろ脚の間を飛び抜け地面に転がる。後方に転がり抜けた身体を叩きつける様に強靭な尻尾が勢いよく振り下ろされる!頭上から降りてくる尻尾を、転がった身体は寸前でかわし、走り抜けた先にある坂を駆け上がり、身体を翻すと、武器を握り締め、勢いよく滑り降りていく。振り返り、滑り降りてくるハンターに狙いを付けた滅尽龍は、振り上げた強靭な前脚を勢いよく振り下ろす!振り下ろされる強靭な前脚を目に、力強く跳躍し、丸めた身体は空中で回転を始め、その外側に構えた武器は勢いよく大回転する!地面に叩き付けられた強靭な前脚から放たれた無数の棘がハンターに襲い掛かる!だが、高速回転する武器の矛先が無数の棘を弾き飛ばしてゆく!棘の嵐を通り過ぎた先に巨大な二つの角が現れる。高速回転する武器の矛先は巨大な角に幾度となく連撃を繰り出していく!ハンターの思いついた考えは、攻撃と防御を同時に行える、この捨て身の策だった。その凄まじい衝撃に、唸り声を上げる滅尽龍の巨大な片角は砕き飛ばされ、受け身を取り、傍らに着地したハンターは、傷口をかばいながら見上げた視界に立ちはだかる滅尽龍の姿に驚かされ、思わず息を吞む。そこには、全身に生える白い棘を、黒々と染め、棘を更に鋭く長く尖らせた滅尽龍の姿があった。向き合った滅尽龍は激しい咆哮を上げると、翼を大きく広げ、力強く跳躍した巨体は空高く舞い上がり、黒々とした剣山の塊は、全てを呑み込む様に急降下する!咆哮に怯む身体は、必死で意識を集中させ、覆いかぶさってくる巨大な剣山を前に、振り絞る様に跳躍し、前のめりに倒れ込む形で飛び込んだ身体は、剣山の塊を寸前でかわし、すぐ後ろで、爆発が起きたかの様な轟音が走り、辺り一面に飛び散る地面の先で結晶の壁が粉々に砕かれ、破片が広範囲に飛び散ってゆく。轟音と共に勢いよく飛び散ってくる破片を這いつくばる様に凌いだハンターは、振り返った先に広がる恐ろしい光景に目の当たりにする。溶岩が冷え固まった地面は、辺り一面を激しくえぐられ、その上を砕け散った結晶が敷き詰められた様に散らばり、結晶の壁が粉々に砕かれた先に出来上がった大穴は砂煙に覆われ、煙幕が立ち込めたように暗がりを覆う。晴れてくる砂煙の中からゆっくりと姿を現す巨大な黒い影は、暗がりから勢いよく飛び出してくる!一面を覆う美しい結晶が瓦礫と化した、凹凸の地形が広がる開けた場所。暗がりから顔を出す巨体に、傷を負うハンターは、武器を握り締め、また走り出す!
荒地の砂漠。下層に広がる洞窟内の砂漠の奥には、砂が滝の様に流れる落ちてゆく光景が周りを包み込む開けた砂地がある。そこへ続く一本の坂道を下ってゆくハンターは、降り立った先に立つ、全身を真っ黒に染める角竜を視界に捕らえ、向き合った角竜は激しい咆哮を上げる!その激しい咆哮は洞窟内に響き渡り、砂の滝が揺れ動く。大地の揺れ動く咆哮を肌に感じながら、角竜に向かって走り出すハンターを、視界に捕らえる角竜は、黒々とした巨大な二本角を掲げ、勢いよく突進していく。迫ってくる正面からの突進に真横に転がったハンターに合わせ、湾曲する様に曲がってきた突進は、地面に転がった身体を砂ごと、すくい上げる様に勢いよく突き飛ばす!二本の巨角をまともに受けた身体は、激痛と共に突き飛ばされた先で、砂を舞い上げながら地面を転がる。勢いを殺す事無く向きを変えながら突っ込んできた突進に驚かされながら、激痛に耐え、立ち上がろうとする傍らに手を付き、冷や汗が出る。手を付いた傍らには砂の滝が流れ、横目で覗いた滝壺は確認できず、砂が暗闇に無限に呑み込まれてゆく。転がり止まるのがあと一歩遅ければ、底なしの闇の中へ引きずり込まれ、命は無かっただろう。自然に出来た奈落へ通じる落とし穴に、思わず息を吞む。気を取り直し、立ち上がり戻した視界に、取り囲むように力強く歩く巨体は、ハンターを見下ろしながら狙いを付ける。次の瞬間、勢いよく突き出された二本の巨角に、とっさに転がった身体は、突き上げる様に振り上げられた巨角を寸前でかわし、懐に潜り込んだハンターは、目の前にある柔らかい腹部に武器の矛先を振り切る!だがそれは、鈍い音を立て、叩き抜けた矛先は地面に沈む。その一部始終を目の前で見たハンターは、汗をにじませる。腹部に放たれた一撃は、突き振り上げられた巨角の、前に進もうとする勢いを押し殺し、真逆の後方に力強く跳躍し、後方に着地した身体の頭部に掲げられた頑丈な巨角に命中した為だった。俊敏性と破壊力を兼ね揃えた亜種は、原種の角竜をはるかに上回る事に気付かされ、恐怖する。弾かれはしなかったものの、また目の前に掲げられた巨角は勢いよく突進を始める!真横に転がり寸前でかわした身体の傍らを、砂の滝に吸い込まれる様に、勢いよく飛び込んで行った角竜を横目で捕らえたハンターは、飛び込んで行った砂の滝に気を配りながら、後ずさる。だが、滝の後ろからハンターを捕らえる瞳は、背後に狙いを付ける。荒地の下層に広がる砂漠。砂が滝のように流れ落ちる開けた砂地。ハンターの警戒するのとは真逆の砂の滝から、勢いよく飛び出してきた二本の巨角は、背後を狙って襲い掛かる!