【モンハンワールド】ブログ小説⑮

リオレイア亜種#32

新大陸の調査を進める内に各地で見つかる変わった痕跡。ハンターが見つけたのも、その内の一つだった。それは、見慣れた雌火竜の痕跡なのだが、微妙に異なる様にも見える。その痕跡を持ち帰ったハンターは、生態研究所を訪ねる。ここはモンスターを専門に様々な研究を行う施設だ。顔なじみの老人、彼はこの施設の所長を務めている。変わった痕跡を見てもらうが、一つだけでは手掛かりが足りないと言われ、他の調査と併用して痕跡を回収していたのだが、ついに奴の居場所が特定された。翼竜に摑まり、この地に降り立ったハンターは、海の中が、そのまま陸地になった様な自然が広がる珊瑚の並木を進んでゆく。しばらく進むと巨大なイソギンチャクの樹が育つ通り道へと辿り着いたハンターは、周りを彩る桃色の景色を眺めながら、歩みを進める。珊瑚の壁の向こう側、視界を遮られた壁へと脚を伸ばしたハンターは、振り向いた視界の先に立つ、モンスターの姿を目にし、驚く。そこに立つ雌火竜は、全身を桜色に染め、周りの風景に溶け込んでいたのだ。普段と違う色の雌火竜に驚くハンターに、振り向いた桜火竜は、鋭く睨むと同時に咆哮を上げる!その咆哮は珊瑚の並木を揺るがし、イソギンチャクの樹も揺れる。咆哮をまともに受けたハンターは、鼓膜を引き裂かれる様な痛みに襲われ、動くことが出来なくなった。足音を響かせながら駆け出し、正面に詰め寄ってきた桜火竜は、脚を軸に身体を大きく動かし回転させると、棘の付いた硬い尻尾が、ハンターの身体を薙ぎ払う様に勢いよく放たれる!その衝撃を脇腹から受けた身体は、胴体を中心に走る激しい痛みと共に真横に勢いよく弾き飛ばされる!宙を舞う身体は、イソギンチャクの樹にぶつかり、地面に落ちる。弾力のある樹にぶつかった事で衝撃は和らいだものの、胴からくる激しい痛みに簡単に立ち上がる事はできない。挨拶代わりの一撃にしては、重過ぎる。よろけながらも立ち上がるハンターの視界に、大きく口を開き噛み付こうとする桜火竜が目に映り、とっさに真横を向き、転がる後ろで牙と牙がかみ合う音が鳴る。だが、すぐに振り向いた桜火竜は、まだ起き上がれていないハンターに噛み付こうと、また口を開く!開かれた口は傍らまで迫り、慌てて転がるが脚が頭部をかすめ、その勢いに押し出され、体勢を崩した身体が地面を転がる。横たわる身体を横目で見下ろす桜火竜は、身体を低く構えると巻き上がる様に全身を回転させながら一気に跳躍する。その勢いで回転した尻尾が、立ち上がろうとするハンターに襲い掛かる!目の前まできた尻尾に、とっさに真横を向き転がった身体を、かすめる様に通り過ぎてゆく尻尾の勢いに、巻き上げられた風圧はハンターの脚をもつれさせる。巻き上がる様に大空に羽ばたいた桜火竜は、見下ろした先にいるハンター目掛けて急降下する!風圧に脚を取られるも、立ち上がろうとするハンターの視界に、勢いよく急降下する桜火竜の姿があった。珊瑚の揺れる並木道。イソギンチャクの樹が聳え立ち、桜色に染まるこの場所で、隙の無い桜火竜の猛攻撃が、ハンターを苦しめる!

岩賊竜ドドガマル#33

龍結晶の地。溶岩の冷え固まった山岳地帯。斜面を滑り降りていくハンターは、大きく口を開けた洞窟の中へと入って行く。長い斜面を滑り降りた先には、いくつもの大きな結晶が柱の様に聳え立ち、溶岩が冷え固まって出来た地面からも小さな結晶が、ちらほらと顔を覗かせる。その大きく開けた地に、黙々と岩を食べ続けるモンスターがいた。奴は近づくハンターに見向きもせず、岩が貯えられてゆく腹は、はち切れんばかりに膨れ上がっている。武器を構えたハンターは、膨れ上がった腹部を目掛けて矛先を勢いよく振り下ろす!いきなり叩きつけられた腹部に逆流する様に波打った大きな腹。波は頭部まで走り、出口から赤々した岩が吐き出され、地面に接触すると爆発し、弾け飛ぶ。周囲を包む熱風を肌で感じながら、武器を持ち直した矛先を、もう一度腹部に振り切るが、後ずさる前脚をかすめ、横眼で邪魔者を見つけた岩賊竜は、咆哮を放つ!洞窟を響き渡る叫びは、傍らに立つハンターの耳に轟音を駆け巡らせる。その凄まじい叫びを受け、よろめく身体に向き合った岩賊竜は、四つ足で這う様に勢いよく突進を始める。しゃくれる大きな口から爆塵を噴き出しながら迫る頭部に、棒立ちの身体は、なすすべなく突き飛ばされてしまう。岩で出来た地面に転がりながら、何とか受け身を取る身体に、防具の隙間に付いてしまった爆発性の塵が火花を散らす様な痛みを与える。このまま放って置けば隙間に付く塵と塵がこすれ合い、爆発を引き起こし周りの隙間に付く塵にも引火し、連鎖爆破してしまう。額に汗をにじませながら、塵を何とか振り払う為、地面を転がる姿に、傍らまで近づいた岩賊竜は、口を大きく膨らませ、地面を転がるハンターに向けて、腹に溜め込んでいた岩を一気に吐き出す!吐き出された赤々とした岩の数々が、ハンター目掛けて降り注いでくる!地面に触れると同時に爆発し、弾け飛ぶ火花を、傍らに転がるハンターは、かわす事が出来ず、ついに、飛んできた火花が爆発性の塵に引火してしまう。次の瞬間、防具の隙間から爆発した塵は次々と連鎖爆破し、ハンターの身体は、一瞬にして炎に包まれると同時に爆発の凄まじい衝撃に、宙を舞う!全身が吹き飛びそうになる衝撃に意識を失いかけながら、地面に叩き付けられた身体は、勢いよく転がる!朦朧とする意識の中、激痛に耐え、立ち上がろうとするハンターの視界の先で、岩を吐き出し少し凹んだ腹を震わせながら、岩賊竜は、突進を始める。龍結晶の地。大きな結晶の柱が支えるかの様に天井まで伸び、冷え固まった溶岩が地面を作る。いくつも通路が伸びる開けた洞窟で、劣勢になりながらも武器を持ち直したハンターを、岩賊竜の突進が襲い掛かる!

【モンハンワールド】ブログ小説⑭

上位トビカガチ#30

古代樹の森。木々の生い茂る広大な森には豊かな自然が広がる。木漏れ日が差し込める木々の間を抜け、木々が生い茂る開けた場所へ獣は足を踏み入れる。大木がいくつも育ち、その根元近くから段差の様に生えるキノコは大きくて硬い。大木の陰に身を潜めていたハンターは、根元近くから生える大きなキノコに登ると、颯爽と駆け抜けていく後ろ姿に向けて勢いよく跳躍すると、腰に掛けた武器に手を伸ばし、それを力強く叩き落す!矛先は大きく広がる自慢の尻尾に叩き込まれ、突然走る激しい痛みに、よろける尻尾にはハンターがしがみ付いていた。重くなった尻尾に違和感を感じ、振り返る飛雷竜の瞳に、自慢の尻尾にしがみ付く厄介者が映り込む。振り落そうと必死にもがく尻尾に、しがみ付きながらもハンターは、ナイフを突き立てる。自慢の尻尾に痛みが走り、勢いよく大木に叩き付ける!だが、今度は背中から痛みを感じる!それは、大木に尻尾が叩き付けられる直前、しがみ付いた手に力を込めて宙に飛び上がったハンターは、衝撃の少ない背中に着地すると同時に刃物を突き立てた為だった。今度は背中で始まった繰り返される痛みと動き回った疲れに、息を切らす姿を視界に捕らえたハンターは、頭によじ登り、立ち上がると同時に武器を構えると、動けなくなった頭部に渾身の一撃を放つ!その振り下ろされた矛先は勢いよく頭部を叩きつけ、その凄まじい衝撃に横倒れになる頭部の傍らで、受け身を取るハンターは、身体を翻し、正面に向かい合った頭部に、武器の矛先を叩きつける!繰り出された重い一撃に、よろけながらも立ち上がる視界の目の前で、もう一撃が見え、勢いよく跳躍した身体は、近くに生える大木にしがみ付き、枝に付く葉が揺れ、ひらひらと落ちてくる。かわされた武器の矛先は地面に叩き付けられ、ハンターは、持ち直した武器を腰に掛ける。大木を登った飛雷竜は、大きな枝から木々を移動する。だが、移動する位置を推測する事は、大木を下から見上げるハンターには難しい。死角だけは守ろうと、ハンターは大木を背に立つ。だが、攻略法を見つけなければ、いずれは同じ事だ。どうにかして位置を探らなくては。焦る気持ちに鼓動が早くなる。ハンターに分かるのは、木々を移動する微かな物音、落ちてくる樹の葉。だが、ここである事に気付く。青い葉っぱは、飛雷竜が大きな枝から木々を移動する時に、枝が揺れる為落ちてくる。つまり、まだ青い葉が落ちてきた先にある大木に飛雷竜が身を潜めているという事では…。そう考えた矢先、ハンターの視界に、青い葉が、ひらひらと落ちてくる。その先にある大木を見上げた視界に、勢いよく飛び降りてくる飛雷竜の姿が映し出される!古代樹の森。木々が生い茂り、大木がいくつも育つ開けた通り道。木々の間から、時折り木漏れ日が差し込める中、大木に身を潜めた飛雷竜は、ハンター目掛けて勢いよく飛び降りてくる!力強く放たれた、自慢の尻尾がハンターを容赦なく襲い掛かる!

上位アンジャナフ#31

荒地の小さな森。所狭しと木々が生い茂り、草花が育つ。その地を好む巨大なモンスターは、茂みの間から、大きな顔を覗かせる。巨体を大きく動かし、茂みから出て来た大きな脚は、生い茂る木々が木陰を作る、開けた地へと足を踏み入れる。巨体の出て来た茂みの陰に身を潜めていたハンターは、傍らに踏み入れてきた大きな脚に向かい、腰に掛ける武器を手に持つと、その矛先を勢いよく叩きつける!大きくて硬い脚に叩きつけられた矛先は鈍い音を立てる。弾かれはしないものの、大きな脚はビクともしない。後ろ脚に感じる微々たる感触に、見上げるほど高い、振り向く頭部は、感触のあった片脚を見下ろす。振り向く頭部を視界に捕らえながら、大きな股を潜り抜けたハンターは、大きく揺れ動く腹部に武器を突き出し、アッパー状に勢いよく矛先を叩きつける!だが、分厚い皮膚に守られた腹部も鈍い音を立てる。武器を腰に掛け、距離を取り始めるハンターを、後ずさりながら見下ろした視界に、発見した蛮顎竜は、咆哮を上げる!範囲外の咆哮に、ハンターは怯むことなく走り続ける。追いかけてくる大きな脚に、回り込む様に駆けていくハンターを見下ろす頭部は、振り向きざまに大きな口を開きながら鋭く尖った牙は、薙ぎ払う様にハンターに嚙み付く!見上げた先に勢いよく迫ってきた、立ち並ぶ鋭い牙に対し、真横に前転した身体の上をすれすれで通り過ぎて行く顎は、見上げる高さまで戻ってゆく。立ち上がった傍らに見える大きな脚に、武器を構えた勢いで、振り切られた矛先は力強くぶつかる!鈍い音を立てるが、その衝撃に甲殻が少し剥がれ落ちた脚を確認する。硬い甲殻に覆われているが、攻撃が効いていない訳ではない事が剥がれ落ちた甲殻の欠片で証明された。長期戦になる事は間違いないが、確実にダメージは蓄積されている。その事に多少の喜びを感じながら、武器を腰に掛け、走りだそうとするハンターの背中に凄まじい衝撃が走る!その死角からの激しい衝撃に背中に激痛が走り、息が詰まる。弾き飛ばされた身体は大きな股を潜り抜け、蛮顎竜の正面に勢いよく転がる!その一撃の正体は、巨大な尻尾をしならせ、ハンターに狙いを付け、勢いよく放たれた蛮顎竜の物だった。転がってきた邪魔者を見下ろした蛮顎竜は、大きく口を開くと鋭い牙をむき出しにして、巨体と共に勢いよく突進を始める!倒れながらも、意識を取り戻したハンターの視界に、鋭い牙が立ち並ぶ大きな口が迫る!とっさに片腕をついたハンターは、力を振り絞り、真横に前転する。その僅か後ろを通り過ぎてゆく巨体の勢いに巻き起こった風圧が、防具の隙間を通り過ぎてゆく。その風圧に草花が揺れる先を横目で確認すると、通り過ぎた地は地面がえぐられ、その先で、しゃくり上げられた大顎の間から、吐き散らせれる様に草木をまき散らす蛮顎竜の姿があった。もし、一歩遅ければ自分がなっていたかと思うとゾッとする。顎から零れ落ちてくる、砕き折られた木々を見つめながら立ち上がるハンターに、ゆっくりと振り向く大きな頭部に付く瞳は、その姿をジロりと見下ろしてくる。荒地にある小さな森。木々の間から木漏れ日が差し込め、見上げる視界に、光が輝きを放ち、吹き抜ける風が草木をささやかせる。その地に似合わぬほど大きな身体を持つ蛮顎竜を見上げるハンターは、見下ろしてくる瞳に恐怖を感じながらも、武器を握り締め、また走り出す!

【モンハンワールド】ブログ小説⑬

上位ドスギルオス#28

瘴気漂う谷の中層部。群れを引き連れ移動する群れのリーダーは、餌を求め、今日も徘徊を続ける。元々餌の少ない、この谷では、餌を求め徘徊するモンスターも少なくない。もし出会ってしまえば、激しい縄張り争いが始まってしまう。群れを引き連れ、リーダーは、瘴気が漂い、所狭しと様々な種類の骨が散らばる開けた通り道に辿り着く。ここは、谷よりも上層の、まだ新しい死体が、よく落ちてくる場所。落ちてくる餌にありつく為、群れと共に、この場所を訪れたのであろう。その姿を、瘴気に身体を蝕まれながらも、骨の間に身を隠したハンターは、息をひそめ、見つめる。次の瞬間、攻撃範囲まで入ってきたリーダーを、坂になるほど積み上がった骨の間から確認できたハンターは、勢いよく飛び出し、武器を握り締め、骨の坂を滑り降りてゆく。群れるギルオスをかわしながら、勢いよく跳躍し、丸めた身体は空中で回転を始め、その外側に構えた武器は力強く大回転する。坂の下から上を見上げる様に振り返る、黒々とした頭部に向けて、勢いづいた激しい連撃が襲い掛かる!その凄まじい連撃に頭部に並ぶ黒々とした鱗が剝がれてゆく。凄まじい衝撃に、頭部から横倒れになってゆく姿の傍らで、着地と同時に受け身を取り、身体を翻したハンターは、親玉の頭部目掛けて武器の矛先を勢いよく叩きつける!手応えのある感覚に、調子づくが、それは矛先に飛び込んできたギルオスだった。攻撃を阻み、身代わりの様に渾身の一撃を浴びた一匹は、吹き飛んだ先で地面を転がり、動かなくなった。武器を持ち直したハンターは、群れに取り囲まれ、傍らで倒れる黒々とした頭が起き上がる。横目で鋭く睨み付け、振り向きざまに、噛み付いてくる大きな頭を、傍らで、巨体に潜り込む様にかわすと、その脇腹に、振り切った武器の矛先を当て、股をすり抜ける様に冷静に通り抜けたハンターに、飛びかかってきた一匹が片腕に噛み付き、ぶら下がる。腕を力強く振り、払い飛ばすが、嚙まれた腕は痺れ、力があまり入らない。防具を付けているものの、それを貫通した牙が腕に刺さり、その傷口から彼らの持つ強力な麻痺毒を貰ってしまったようだ。戦いが長引けば、やがて身体の自由を奪われてしまう。構えていた武器を背中に掛けると、大きな尻尾の傍らに立っていたハンターを、取り囲んでいた群れが、次々と襲い掛かってくる!飛びかかってくる群れの動きを見極めながら、かわしていくハンターは、親玉に対し円を描くように大きく回り込む。それは、群れとリーダーを出来るだけ引き離す為だった。でなければ、例え傍らにいた親玉に、大きな一撃を与えられていたとしても、群れの一斉攻撃を全て、かわす事は出来ない。当たり所が悪ければ、一瞬の内に全身に麻痺毒が回り、その先に待っているのは死だ。振り向いた痺賊竜は、群れに追われながら大回りに走るハンターを目掛けて、身体をのけぞる様にして、麻痺液を勢いよく吐き出す!それを待っていたハンターは、身体の方向変え、痺賊竜に向かって走り出す!吐き出された麻痺液が直線的に飛んでくるのに対し、斜め前方に前転したハンターの傍らを麻痺液が勢いよく飛び去ってゆき、ハンターを追って来ていた群れの何匹かを、麻痺液が覆いかぶさり、包み込まれる。その強力な麻痺液を浴び、倒れる群れを背に、駆けるハンターは、麻痺液を吐き出した反動に大きく振られる頭を目掛けて、武器を構えた勢いで、麻痺に蝕まれる片腕をかばいながら力強く振り切った!その矛先は、黒々とした頭部を捕らえ、その衝撃に、一瞬怯みを見せた頭部の傍らで、武器を背中に掛け、距離を取り始めるハンターを視界に、痺賊竜は、怒り、激しく威嚇する!瘴気漂う谷の中層部。様々な骨が所狭しと敷き詰められた開けた通り道。群れに追われ、麻痺に蝕まれる片腕をかばいながら戦うハンターは、痺賊竜の逆鱗に触れる!

上位ラドバルキン#29

瘴気漂う谷の上層部。様々な骨が所狭しと敷き詰められる、大きく開けた大地。この場所へ足を踏み入れたハンターは、坂の上から聴こえてくる物音に耳を傾ける。その音は次第に大きくなり、坂の上から姿を現す。鋭く尖った骨の数々を身にまとう巨大な塊は、勢いよく転がりながら降りてくる。地面に敷き詰められた骨は、転がってくる巨大な塊に、弾き飛ばされてしまう。バラバラと音を立て落ちてくる骨を、見極めかわしていくハンターの視界の先に、地面に大きな顎を叩きつけ、止まる骨鎚竜の姿があった。その叩きつけられた大きな顎に、敷き詰められた様々な骨の数々は、凄まじい衝撃が巻き起こり、爆発が起きたかの様に周りの地面と共に勢いよく吹き飛び散ってゆく。ゆっくりと持ち上げられた大きな顎の下にあった地面は、半球状に大穴が出来上がっていた。飛び散ってくる骨をかわしながら、武器を手に走り出したハンターは、黒々とした大きな股の間から、骨で守られていない腹部に向かって、武器の矛先を勢いよく振り下ろす!腹部に走る衝撃に、後ずさる股の間を抜け、前方に走り出すハンターを見下ろした骨鎚竜は、現れた邪魔者に対し、咆哮を上げる!咆哮の範囲外まで逃れる事の出来たハンターは、身体を翻し、また巨体へと向かい、走り始める。近づいてくる姿に狙いを付けた骨鎚竜は、身体を丸めながら前転すると同時に力強く回転を始めた。その地面を転がり始めた巨大な塊に、巻き込まれた骨の数々が音を立てながら飛び散ってゆく。直線的に迫ってくる巨大な塊に、真横に前転したハンターは、転がってくる巨体を寸前でかわす。だが、傍らを通り過ぎた巨大な塊に、巻き上げられた骨達が飛び散り、その中の、いくつかがハンターの背中にぶち当たり、その衝撃に尻餅を付いてしまう。巨大な塊は、通り過ぎた先で方向転換すると、ハンター目掛けて勢いよく転がり出す!尻餅から立ち上がろうとしたハンターの身体に、勢いよく転がる巨大な塊が激しく衝突する!防具を貫通する様な凄まじい衝撃に、全身に激痛が走ると同時に、勢いよく弾き飛ばされた身体は、その先にある、骨の斜面に激しく打ち付けられて転がる。全身に受けた激しい痛みと朦朧とする意識の中、立ち上がったハンターの視界の先で、勢いよく転がり、大きな顎を激しく地面に叩き付け止まる骨鎚竜の姿が映る。死を思わせる程の恐ろしい破壊力に額に汗をにじませながら、後がないハンターは、武器を腰に掛けると、痛む全身に力を込めて駆け出してゆく!振り向く骨鎚竜の姿に、円を描くように走るハンターは同時に坂を駆け上がる!その姿に、尻尾を力強く横振りした骨鎚竜の遠心力は身体に付く骨を振り飛ばす!坂を駆け上がったハンターは、勢いよく滑り降りながら、振り飛ばされてくる鋭く尖った骨をかわすと、腰に掛ける武器を握り締めながら地面を勢いよく蹴り、力強く跳躍した身体を丸め、空中で回転を始めた身体の外側で、大回転を始めた武器の矛先を、尻尾を大きく振り、一回転して戻ってきた頭部を目掛けて凄まじい連撃を叩き込んでゆく!その連撃に頭部から背中にかけて生え揃う尖った骨は、次々と音を立てながら、砕かれてゆく!その凄まじい衝撃に、うなり声を上げながら体勢を崩した骨鎚竜の傍らで、受け身を取り、武器を持ち直したハンターは、よろめく巨体の腹部に、力強く振り下ろした武器の矛先を叩きつける!その衝撃に耐えながら、体勢を立て直した股の下を潜り抜けたハンターは、武器の腰に掛け、走り出す!振り向く骨鎚竜は、離れて行くハンターに、怒りの咆哮を上げる!危険に一早く気付き、走り出していたハンターは、咆哮の範囲外まで逃れ、振り向くと、そこには巨大な顎を大きく掲げた骨鎚竜が立ちふさがっていた!瘴気漂う谷の上層部。様々な骨が所狭しと敷き詰められ、大きく開けた大地で、ハンターを覆いかぶさる様に掲げられた巨大な顎が勢いよく振り下ろされる!

【モンハンワールド】ブログ小説⑫

上位ツィツィヤック#26

海の中がそのまま陸地になった様な台地。珊瑚の木々や海藻に似た植物が風に吹かれ、揺らされる。この地に降り立ったハンターは、珊瑚の並木道を進んで行く。しばらく行くと細かい砂粒に砕かれた珊瑚の砂が堆積して出来た通り道の先で、群れるシャムオスが何かに威嚇している。ハンターの視界からは、珊瑚の壁に遮られ、何に威嚇しているのか確認できない。次の瞬間、群れは一瞬で閃光に包まる!視界を奪われた群れはフラフラと動き回り出す。間違いない壁の向こうに奴がいる。その閃光の正体に向かい走り出したハンターの視界に、壁の向こうから、こちら側に藍色の頭が顔を出す。鉢合わせになった目と目が向き合う。一瞬の静寂の後、敵と判断した眩鳥は、力強く跳躍すると鋭い爪を向け、ハンターに向かって勢いよく飛びかかる!正面から飛びかかってくる眩鳥に対し、身体を真横に移動させながら、かわしたハンターを、着地し、鞭のようにしならせた尻尾が勢いよくぶつかる!その一撃を受け、後方に弾き飛ばされたハンターは、受け身を取り、片膝を付きながら地面を滑り止まる。痛みに耐え、起き上がるハンターを視界に頭部の発光膜を大きく広げた眩鳥は、凄まじい閃光を放つ!離れようにも、広範囲に放たれた閃光に、逃げる間もなく呑み込まれてしまう!視界の見えない中、突然、凄まじい衝撃がハンターを襲う!勢いよく飛びかかってきた鋭い爪が、無防備な棒立ちする身体を、突き飛ばしたのだ。身構えることが出来なかった身体に激痛が走り、弾き飛ばされた先で地面を勢いよく転がる!激しい痛みに耐え、よろめきながら起き上がるハンターの視界に、勢いよく飛びかかってくる眩鳥の姿が迫る!痛む身体に鞭を撃ち、寸前で真横に回避したハンターを、着地し、素早く回転させた、しなる尻尾が襲い掛かる!その攻撃が来ると感じていたハンターは、回転してくる尻尾の動きに合わせ、前転する。地面で回転するハンターの身体の上を空振りした尻尾が勢いよく通り過ぎた後、素早く立ち上がったハンターは、身体を翻し、武器を構えた勢いで、真横に力強く振り切る矛先を、傍らに見えてくる頭部を目掛けて勢いよく叩きつける!尻尾を回転させるため全身を回転させた頭部と力強く振り切られた矛先。時計回りと反時計回りの回転が激しくぶつかる!その凄まじい衝撃に、叩き飛ばされた藍色の頭は、全身を激しく回転させながら、勢いよく吹き飛ばされ、落ちた先で地面を転がる!よろけながら立ち上がる眩鳥は、怒り、激しく威嚇する!眩鳥の視界の先で武器を握り締め、走り出したハンターが勢いよく迫る!珊瑚が芽吹く並木道。狭き通路で激しい一騎打ちが幕を開ける!

上位パオウルムー#27

陸珊瑚の台地。珊瑚が細かく砕かれ、砂粒の様になった物が堆積して出来た、開けた斜面の通り道。桃色の毛に覆われた飛竜は、歩きながら、ゆっくりと斜面を登っていく。その後ろ姿を目にし、ハンターは、追いかけるように走り出す。行動範囲が広い浮空竜は、飛び去られてしまうと追跡が難しくなる。ここで食い止めるのが無難だ。追いつく寸前で振り返る桃色の頭に、武器を振り出した矛先が、かすめてゆく。頭部に、かすめた矛先に、警戒した浮空竜が後方に、軽く跳躍する。坂を見下ろした浮空竜の視界に、武器を抱えながら、距離を取ってゆくハンターが映る。その姿に咆哮を放つが、範囲外に逃れたハンターに、その咆哮は届かない。坂を下り詰めよってきた桃色の飛竜は、ゴム質の甲殻に覆われた、硬く、しなる尻尾を勢いよく横回転に振る!正面に立つハンターに、時計回りに繰り出された回転に対し、その回転に合わせて右斜め前に前転したハンターの頭上を、周りの空気を掻き切る様にゴム質の尻尾が通り過ぎてゆく。立ち上がるハンターの視界に、回転の勢いで戻ってきた頭部が映る。素早く武器を構えた勢いで矛先を桃色の頭部目掛けて勢いよく振り下ろす!その衝撃に戻ってきた頭部は悲鳴を上げ、後ずさるが、すぐに体勢を立て直す。新大陸のモンスターは、やはり耐久力が段違いだ。武器を持ち直したハンターに、正面に向き直した浮空竜は、前方の空気を吸引する様に首元の浮き袋に、たくわえだす。正面に立っていたハンターは、もの凄い勢いで吸い込まれてゆく周りの空気に脚を取られ、浮空竜に引き寄せられる。立ち上がった視界に触れてしまうぐらいに近づいた浮空竜の顔の二つの目がこちらを見ている。次の瞬間、突進を始め、動き出した顔が勢いよく、ハンターの顔にぶつかる!よじれそうになる顔の激しい痛みと共に、勢いよく坂を転げ落ちたハンターは、激しい痛みに、顔を覆いながら、ゆっくりと立ち上がる。じんわりと見えてくるハンターの視界に、浮き袋をいっぱいに膨らませた浮空竜が空中を漂いながら、フワフワと近づいて来るのが見えた。それはハンターが坂を転げ落ち、視界が戻るまでの間、浮空竜は浮き袋に空気を溜め、空に浮き上がった事を証明していた。そうしている間に射程距離まで近づいた浮空竜は、圧縮した空気を一気に吐き出し、それは渦を巻きながら、小さな竜巻となりハンターに襲い掛かってきた!直線的だった竜巻の移動に、横方向に転がり、かわしたハンターだったが、竜巻を取り巻く空気の渦に脚を取られてしまう。その一瞬の隙を狙い、勢いよく上空に飛び上がった浮空竜は、垂直に急降下しハンターの頭上に勢いよく落下して来る!脚を取られ、無防備な体勢のハンターの頭部に凄まじい衝撃が襲い掛かる!防具を伝わる激しい衝撃に、地面を激しくバウンドした身体は、宙を舞い、また地面とぶつかり、坂を勢いよく転がり、後方にあった珊瑚の壁にぶつかって止まる。全身の身の千切れる様な痛みと、朦朧とする意識の中、必死で立ち上がったハンターを見つめながら、ゆっくりと空中から詰め寄ってくる浮空竜の姿があった。浮き袋から圧縮した空気を吐き出して出来た、小さな竜巻が勢いよく迫ってくる!この一撃を食らえば命はないだろう。瀕死の身体に鞭を撃ち、竜巻に対し、横方向に身体を向けたハンターは、坂に向かって飛び込む様に跳躍した身体の後ろを竜巻が通り過ぎてゆく。思いっ切り跳躍した身体に竜巻を取り巻く空気も届かない。受け身を取り、走り出した身体は、勢いよく坂を駆け上がっていく!その姿に、狙いを付け、圧縮した空気を放つが、何度も放った事で浮き袋の空気が少なくなり、風圧の弱まった竜巻は、ハンターに簡単にかわされる。浮上する力も弱まった身体は低空を漂う。回り込む様に駆け上がったハンターは、勢いよく坂を滑り降り出し、力強く跳躍した身体を丸め、空中回転し出した外側を回転する武器の矛先が、坂の下で弱々しく漂う浮き袋に激しい連撃を繰り出してゆく!珊瑚の斜面に出来た、開けた通り道。劣勢まで追い詰められたハンターの快進撃が始まる!

【モンハンワールド】ブログ小説⑪

上位ジュラトドス#24

荒地の湿地帯。川の水と荒地から運ばれてくる砂により水と泥が混じり合う水辺に花を咲かせる植物が一面を彩る。その場所を更に下流に進むと、そこには、泥水が支配する開けた水辺が現れる。その地を好む咬魚ガライーバが、あちらこちらで泳ぎ回る中、一際大きい背びれが泥水の深い所で泳ぎ回っている。泥水に入れば、進むときに水面にできる波紋によって気付かれてしまう。ハンターは壁沿いに出来たわずかな陸地を、奴に気付かれる事のない様に、背びれに向かって慎重に歩みを進めて行く。やがて、泳いでくる背びれが、接近して来たのを見計らい、武器を手に、走り出したハンターは、泥水の中へ足を踏み入れてゆく。水面に波紋ができ、不自然に出来た波紋に固まった泥の付く頭が振り返る。その間にも歩みを進めていたハンターは、傍らまで近づいた頭部に、渾身の一撃を放つ!その一撃に頭部に付く固まった泥は割れ、泥水に吸い込まれるように落ちてゆく。むき出しになった頭部は、ハンターに狙いを付け、勢いよく泳いでくる!まとわりつく泥水に移動が制限される中、間合いを取っていたハンターは、泳いでくる頭部を寸前でかわすと同時に身体を翻し、傍らを泳ぐ胴体に、力強く振り切られた武器の矛先が当たる!その衝撃に身体に付く泥の一部が剝がれ落ちる。むき出しになった鱗をちらつかせながら、泳ぎ切った向こう側で方向転換した泥魚竜は、身体を起き上がらせ、ハンターに狙いを付けると、身体をのけ反らせ、口いっぱいに溜めた泥を一気に吐き出す!その勢いよく吐き出された大量の泥の塊に、回避する為走り出すが、腰まで浸かった泥水に脚を取られ、素早く動く事が出来ない。次の瞬間、振り向いたハンターの視界を覆いかぶさる様に、大量の泥の塊が全身を呑み込む!水面に激しく叩きつけられた様な痛みと、呼吸ができない圧迫感に襲われながら、水底に引きずり込まれる!その恐怖に、もがき、苦しみながら、泥から這い上がってきたハンターの視界に、勢いよく泳ぎ迫ってくる泥魚竜の姿が映る。このままでは、直撃してしまう!何とか回避しようと身体に力を入れ、動こうとするが、先ほどに増して身体の自由が利かない!その異変に、身体に目を向けると、泥の塊が肩の高さまで全身を覆っていた。どうにもできない状況に、振り返るハンターの目の前に、硬い鱗で覆われた頭部が映る!次の瞬間、激しくぶつけられた頭部に、勢いよく突き飛ばされた身体は、全身の激しい痛みと共に後方の水面に、大きな音を立て、呑み込まれる!度重なる痛みに耐えながら、水面から立ち上がったハンターの視界に、また勢いよく泳いでくる泥魚竜。完全に奴のペースだ。このままでは、倒されてしまう。だが、ここであることに気付く。泳いでくる魚竜の後ろには、盛り上がった小さな陸地の様な物が沢山できている。これは、泳ぐときに尾ビレが水底の泥を大きく搔き分けながら、進む為できる。これを利用できれば。幸い、突き飛ばされた事で、浅瀬に立っていたハンターは、泳いでくる泥魚竜を視界に捕らえながら回り込む様に走り出す!その姿を追うように泳ぎ出した魚竜は、距離を詰めてゆく。出来たばかりの小さな泥の陸地を走り出したハンターに狙いを付け、飛びかかる様に勢いよく泳いできた頭部を、陸地を渡りながら寸前で、かわしたハンターは、陸地の途切れ目から勢いよく跳躍し、鱗の並ぶ頭部に向かって武器の矛先を勢いよく振り下ろす!その凄まじい衝撃に、飛び上がるように勢いよく泥水から出てきた泥魚竜は、泥水をまき散らしながら水面に横倒れになる。ハンターは、この好機に傍らで、もがく頭部を目掛けて、渾身の一撃を幾度どなく浴びせてゆく。放たれる連撃に硬い鱗もどんどん剥がされてゆく。よろけながらも立ち上がった魚竜は、怒り、激しく威嚇すると、泥水に潜り、身体をかき回す様に泳ぎ始める。すると、水底の泥が身体に、まとわり付き、全身を覆う。荒地の湿地帯。泥水が支配する開けた水辺で、再び泥の鎧に身を包む泥魚竜が、侵入者に襲い掛かる!

上位リオレイア#25

荒地にある小さな森。その地を好む、緑色の甲殻に身を包む飛竜は、大きな翼を羽ばたかせ、木漏れ日が差し込める空から降りてくる。着地すると同時に巻き起こった風が森を吹き抜け、草花を揺らす。その風を茂みで感じながら、改めて視線を戻した先で、ゆっくり歩き出す力強い脚に向かい、茂みを飛び出し、武器を手に走り出すハンター。物音に気付き、予測通り振り向く緑色の頭部に合わせ、ハンターは、渾身の一撃を放つ!頭部に当たる突然の衝撃に、後方に跳躍した雌火竜の頭部を矛先が、かすめる。武器をしまうと同時に駆け出し、距離を取り始めたハンターを視界に捕らえた雌火竜は咆哮を上げる!咆哮の範囲外まで間合いの取れていたハンターは、雌火竜を回り込む様に走り出す。その動きに勢いよく突進を仕掛ける雌火竜を寸前でかわすと同時に体勢を翻したハンターは、武器を出す勢いを利用して矛先を胴体に叩きつける!衝撃を受けるも通り過ぎた先で、方向転換した火竜は、視界の先で近づいて来るハンター目掛けて、燃え盛る火球を吐き出す!その直線的な炎に身体を斜め前方へ前転し、かわしたハンターの視界にもう一度吐き出された燃え盛る火球が襲い掛かる!前転し終わらない間に、吐き出された火球に、立ち上がろうとした全身を一瞬で炎が包むと同時に、身体に触れ、激しく爆発した衝撃に、後方に勢いよく吹き飛ばされる!その激しい痛みと全身が燃え盛る炎に包まれながら、地面に転がった身体は、その激しい痛みと炎に耐えながら、何とか立ち上がる。連続で吐かれた燃え盛る火球に、周りの草木が燃え揺れる。身体に付く炎を振り払いながら、走り出したハンターに狙いを付け、火球を吐き出そうと身体をのけ反らせる動きを見せる。あの動きは先程の連続業火球だ。そう考えたハンターは大きく円を描くように走り出す!次の瞬間、吐き出された火球は、直線的に勢いよく飛んでくる!距離の取れていたハンターは、走りながらかわすと、飛んで行った先で地面が吹き飛ぶ音が聞こえると同時に正面からは、燃え盛る火球が近づいてくる!ハンターの読みは正しかった。その火球を斜め前方に前転しながら、寸前でかわした傍らで、反対側に向けて火球を吐き出す雌火竜の頭部が映る。武器を握り締めたハンターは、火竜の頭部を目掛けて渾身の一撃を放つ!その凄まじい衝撃をまともに受け、怯む頭部にもう一撃を叩き込むと、すぐに武器をしまい、間合いを取り始めるハンターを鋭く睨み、雌火竜は怒りの咆哮を上げる!新大陸の荒地にある小さな森。火竜の口から連続で吐き出された燃え盛る火球は、狭き森を炎の海へと変える。咆哮から逃れることの出来たハンターと雌火竜は再び向き合う!