【モンハンワールド】ブログ小説⑬

上位ドスギルオス#28

瘴気漂う谷の中層部。群れを引き連れ移動する群れのリーダーは、餌を求め、今日も徘徊を続ける。元々餌の少ない、この谷では、餌を求め徘徊するモンスターも少なくない。もし出会ってしまえば、激しい縄張り争いが始まってしまう。群れを引き連れ、リーダーは、瘴気が漂い、所狭しと様々な種類の骨が散らばる開けた通り道に辿り着く。ここは、谷よりも上層の、まだ新しい死体が、よく落ちてくる場所。落ちてくる餌にありつく為、群れと共に、この場所を訪れたのであろう。その姿を、瘴気に身体を蝕まれながらも、骨の間に身を隠したハンターは、息をひそめ、見つめる。次の瞬間、攻撃範囲まで入ってきたリーダーを、坂になるほど積み上がった骨の間から確認できたハンターは、勢いよく飛び出し、武器を握り締め、骨の坂を滑り降りてゆく。群れるギルオスをかわしながら、勢いよく跳躍し、丸めた身体は空中で回転を始め、その外側に構えた武器は力強く大回転する。坂の下から上を見上げる様に振り返る、黒々とした頭部に向けて、勢いづいた激しい連撃が襲い掛かる!その凄まじい連撃に頭部に並ぶ黒々とした鱗が剝がれてゆく。凄まじい衝撃に、頭部から横倒れになってゆく姿の傍らで、着地と同時に受け身を取り、身体を翻したハンターは、親玉の頭部目掛けて武器の矛先を勢いよく叩きつける!手応えのある感覚に、調子づくが、それは矛先に飛び込んできたギルオスだった。攻撃を阻み、身代わりの様に渾身の一撃を浴びた一匹は、吹き飛んだ先で地面を転がり、動かなくなった。武器を持ち直したハンターは、群れに取り囲まれ、傍らで倒れる黒々とした頭が起き上がる。横目で鋭く睨み付け、振り向きざまに、噛み付いてくる大きな頭を、傍らで、巨体に潜り込む様にかわすと、その脇腹に、振り切った武器の矛先を当て、股をすり抜ける様に冷静に通り抜けたハンターに、飛びかかってきた一匹が片腕に噛み付き、ぶら下がる。腕を力強く振り、払い飛ばすが、嚙まれた腕は痺れ、力があまり入らない。防具を付けているものの、それを貫通した牙が腕に刺さり、その傷口から彼らの持つ強力な麻痺毒を貰ってしまったようだ。戦いが長引けば、やがて身体の自由を奪われてしまう。構えていた武器を背中に掛けると、大きな尻尾の傍らに立っていたハンターを、取り囲んでいた群れが、次々と襲い掛かってくる!飛びかかってくる群れの動きを見極めながら、かわしていくハンターは、親玉に対し円を描くように大きく回り込む。それは、群れとリーダーを出来るだけ引き離す為だった。でなければ、例え傍らにいた親玉に、大きな一撃を与えられていたとしても、群れの一斉攻撃を全て、かわす事は出来ない。当たり所が悪ければ、一瞬の内に全身に麻痺毒が回り、その先に待っているのは死だ。振り向いた痺賊竜は、群れに追われながら大回りに走るハンターを目掛けて、身体をのけぞる様にして、麻痺液を勢いよく吐き出す!それを待っていたハンターは、身体の方向変え、痺賊竜に向かって走り出す!吐き出された麻痺液が直線的に飛んでくるのに対し、斜め前方に前転したハンターの傍らを麻痺液が勢いよく飛び去ってゆき、ハンターを追って来ていた群れの何匹かを、麻痺液が覆いかぶさり、包み込まれる。その強力な麻痺液を浴び、倒れる群れを背に、駆けるハンターは、麻痺液を吐き出した反動に大きく振られる頭を目掛けて、武器を構えた勢いで、麻痺に蝕まれる片腕をかばいながら力強く振り切った!その矛先は、黒々とした頭部を捕らえ、その衝撃に、一瞬怯みを見せた頭部の傍らで、武器を背中に掛け、距離を取り始めるハンターを視界に、痺賊竜は、怒り、激しく威嚇する!瘴気漂う谷の中層部。様々な骨が所狭しと敷き詰められた開けた通り道。群れに追われ、麻痺に蝕まれる片腕をかばいながら戦うハンターは、痺賊竜の逆鱗に触れる!

上位ラドバルキン#29

瘴気漂う谷の上層部。様々な骨が所狭しと敷き詰められる、大きく開けた大地。この場所へ足を踏み入れたハンターは、坂の上から聴こえてくる物音に耳を傾ける。その音は次第に大きくなり、坂の上から姿を現す。鋭く尖った骨の数々を身にまとう巨大な塊は、勢いよく転がりながら降りてくる。地面に敷き詰められた骨は、転がってくる巨大な塊に、弾き飛ばされてしまう。バラバラと音を立て落ちてくる骨を、見極めかわしていくハンターの視界の先に、地面に大きな顎を叩きつけ、止まる骨鎚竜の姿があった。その叩きつけられた大きな顎に、敷き詰められた様々な骨の数々は、凄まじい衝撃が巻き起こり、爆発が起きたかの様に周りの地面と共に勢いよく吹き飛び散ってゆく。ゆっくりと持ち上げられた大きな顎の下にあった地面は、半球状に大穴が出来上がっていた。飛び散ってくる骨をかわしながら、武器を手に走り出したハンターは、黒々とした大きな股の間から、骨で守られていない腹部に向かって、武器の矛先を勢いよく振り下ろす!腹部に走る衝撃に、後ずさる股の間を抜け、前方に走り出すハンターを見下ろした骨鎚竜は、現れた邪魔者に対し、咆哮を上げる!咆哮の範囲外まで逃れる事の出来たハンターは、身体を翻し、また巨体へと向かい、走り始める。近づいてくる姿に狙いを付けた骨鎚竜は、身体を丸めながら前転すると同時に力強く回転を始めた。その地面を転がり始めた巨大な塊に、巻き込まれた骨の数々が音を立てながら飛び散ってゆく。直線的に迫ってくる巨大な塊に、真横に前転したハンターは、転がってくる巨体を寸前でかわす。だが、傍らを通り過ぎた巨大な塊に、巻き上げられた骨達が飛び散り、その中の、いくつかがハンターの背中にぶち当たり、その衝撃に尻餅を付いてしまう。巨大な塊は、通り過ぎた先で方向転換すると、ハンター目掛けて勢いよく転がり出す!尻餅から立ち上がろうとしたハンターの身体に、勢いよく転がる巨大な塊が激しく衝突する!防具を貫通する様な凄まじい衝撃に、全身に激痛が走ると同時に、勢いよく弾き飛ばされた身体は、その先にある、骨の斜面に激しく打ち付けられて転がる。全身に受けた激しい痛みと朦朧とする意識の中、立ち上がったハンターの視界の先で、勢いよく転がり、大きな顎を激しく地面に叩き付け止まる骨鎚竜の姿が映る。死を思わせる程の恐ろしい破壊力に額に汗をにじませながら、後がないハンターは、武器を腰に掛けると、痛む全身に力を込めて駆け出してゆく!振り向く骨鎚竜の姿に、円を描くように走るハンターは同時に坂を駆け上がる!その姿に、尻尾を力強く横振りした骨鎚竜の遠心力は身体に付く骨を振り飛ばす!坂を駆け上がったハンターは、勢いよく滑り降りながら、振り飛ばされてくる鋭く尖った骨をかわすと、腰に掛ける武器を握り締めながら地面を勢いよく蹴り、力強く跳躍した身体を丸め、空中で回転を始めた身体の外側で、大回転を始めた武器の矛先を、尻尾を大きく振り、一回転して戻ってきた頭部を目掛けて凄まじい連撃を叩き込んでゆく!その連撃に頭部から背中にかけて生え揃う尖った骨は、次々と音を立てながら、砕かれてゆく!その凄まじい衝撃に、うなり声を上げながら体勢を崩した骨鎚竜の傍らで、受け身を取り、武器を持ち直したハンターは、よろめく巨体の腹部に、力強く振り下ろした武器の矛先を叩きつける!その衝撃に耐えながら、体勢を立て直した股の下を潜り抜けたハンターは、武器の腰に掛け、走り出す!振り向く骨鎚竜は、離れて行くハンターに、怒りの咆哮を上げる!危険に一早く気付き、走り出していたハンターは、咆哮の範囲外まで逃れ、振り向くと、そこには巨大な顎を大きく掲げた骨鎚竜が立ちふさがっていた!瘴気漂う谷の上層部。様々な骨が所狭しと敷き詰められ、大きく開けた大地で、ハンターを覆いかぶさる様に掲げられた巨大な顎が勢いよく振り下ろされる!

【モンハンワールド】ブログ小説⑫

上位ツィツィヤック#26

海の中がそのまま陸地になった様な台地。珊瑚の木々や海藻に似た植物が風に吹かれ、揺らされる。この地に降り立ったハンターは、珊瑚の並木道を進んで行く。しばらく行くと細かい砂粒に砕かれた珊瑚の砂が堆積して出来た通り道の先で、群れるシャムオスが何かに威嚇している。ハンターの視界からは、珊瑚の壁に遮られ、何に威嚇しているのか確認できない。次の瞬間、群れは一瞬で閃光に包まる!視界を奪われた群れはフラフラと動き回り出す。間違いない壁の向こうに奴がいる。その閃光の正体に向かい走り出したハンターの視界に、壁の向こうから、こちら側に藍色の頭が顔を出す。鉢合わせになった目と目が向き合う。一瞬の静寂の後、敵と判断した眩鳥は、力強く跳躍すると鋭い爪を向け、ハンターに向かって勢いよく飛びかかる!正面から飛びかかってくる眩鳥に対し、身体を真横に移動させながら、かわしたハンターを、着地し、鞭のようにしならせた尻尾が勢いよくぶつかる!その一撃を受け、後方に弾き飛ばされたハンターは、受け身を取り、片膝を付きながら地面を滑り止まる。痛みに耐え、起き上がるハンターを視界に頭部の発光膜を大きく広げた眩鳥は、凄まじい閃光を放つ!離れようにも、広範囲に放たれた閃光に、逃げる間もなく呑み込まれてしまう!視界の見えない中、突然、凄まじい衝撃がハンターを襲う!勢いよく飛びかかってきた鋭い爪が、無防備な棒立ちする身体を、突き飛ばしたのだ。身構えることが出来なかった身体に激痛が走り、弾き飛ばされた先で地面を勢いよく転がる!激しい痛みに耐え、よろめきながら起き上がるハンターの視界に、勢いよく飛びかかってくる眩鳥の姿が迫る!痛む身体に鞭を撃ち、寸前で真横に回避したハンターを、着地し、素早く回転させた、しなる尻尾が襲い掛かる!その攻撃が来ると感じていたハンターは、回転してくる尻尾の動きに合わせ、前転する。地面で回転するハンターの身体の上を空振りした尻尾が勢いよく通り過ぎた後、素早く立ち上がったハンターは、身体を翻し、武器を構えた勢いで、真横に力強く振り切る矛先を、傍らに見えてくる頭部を目掛けて勢いよく叩きつける!尻尾を回転させるため全身を回転させた頭部と力強く振り切られた矛先。時計回りと反時計回りの回転が激しくぶつかる!その凄まじい衝撃に、叩き飛ばされた藍色の頭は、全身を激しく回転させながら、勢いよく吹き飛ばされ、落ちた先で地面を転がる!よろけながら立ち上がる眩鳥は、怒り、激しく威嚇する!眩鳥の視界の先で武器を握り締め、走り出したハンターが勢いよく迫る!珊瑚が芽吹く並木道。狭き通路で激しい一騎打ちが幕を開ける!

上位パオウルムー#27

陸珊瑚の台地。珊瑚が細かく砕かれ、砂粒の様になった物が堆積して出来た、開けた斜面の通り道。桃色の毛に覆われた飛竜は、歩きながら、ゆっくりと斜面を登っていく。その後ろ姿を目にし、ハンターは、追いかけるように走り出す。行動範囲が広い浮空竜は、飛び去られてしまうと追跡が難しくなる。ここで食い止めるのが無難だ。追いつく寸前で振り返る桃色の頭に、武器を振り出した矛先が、かすめてゆく。頭部に、かすめた矛先に、警戒した浮空竜が後方に、軽く跳躍する。坂を見下ろした浮空竜の視界に、武器を抱えながら、距離を取ってゆくハンターが映る。その姿に咆哮を放つが、範囲外に逃れたハンターに、その咆哮は届かない。坂を下り詰めよってきた桃色の飛竜は、ゴム質の甲殻に覆われた、硬く、しなる尻尾を勢いよく横回転に振る!正面に立つハンターに、時計回りに繰り出された回転に対し、その回転に合わせて右斜め前に前転したハンターの頭上を、周りの空気を掻き切る様にゴム質の尻尾が通り過ぎてゆく。立ち上がるハンターの視界に、回転の勢いで戻ってきた頭部が映る。素早く武器を構えた勢いで矛先を桃色の頭部目掛けて勢いよく振り下ろす!その衝撃に戻ってきた頭部は悲鳴を上げ、後ずさるが、すぐに体勢を立て直す。新大陸のモンスターは、やはり耐久力が段違いだ。武器を持ち直したハンターに、正面に向き直した浮空竜は、前方の空気を吸引する様に首元の浮き袋に、たくわえだす。正面に立っていたハンターは、もの凄い勢いで吸い込まれてゆく周りの空気に脚を取られ、浮空竜に引き寄せられる。立ち上がった視界に触れてしまうぐらいに近づいた浮空竜の顔の二つの目がこちらを見ている。次の瞬間、突進を始め、動き出した顔が勢いよく、ハンターの顔にぶつかる!よじれそうになる顔の激しい痛みと共に、勢いよく坂を転げ落ちたハンターは、激しい痛みに、顔を覆いながら、ゆっくりと立ち上がる。じんわりと見えてくるハンターの視界に、浮き袋をいっぱいに膨らませた浮空竜が空中を漂いながら、フワフワと近づいて来るのが見えた。それはハンターが坂を転げ落ち、視界が戻るまでの間、浮空竜は浮き袋に空気を溜め、空に浮き上がった事を証明していた。そうしている間に射程距離まで近づいた浮空竜は、圧縮した空気を一気に吐き出し、それは渦を巻きながら、小さな竜巻となりハンターに襲い掛かってきた!直線的だった竜巻の移動に、横方向に転がり、かわしたハンターだったが、竜巻を取り巻く空気の渦に脚を取られてしまう。その一瞬の隙を狙い、勢いよく上空に飛び上がった浮空竜は、垂直に急降下しハンターの頭上に勢いよく落下して来る!脚を取られ、無防備な体勢のハンターの頭部に凄まじい衝撃が襲い掛かる!防具を伝わる激しい衝撃に、地面を激しくバウンドした身体は、宙を舞い、また地面とぶつかり、坂を勢いよく転がり、後方にあった珊瑚の壁にぶつかって止まる。全身の身の千切れる様な痛みと、朦朧とする意識の中、必死で立ち上がったハンターを見つめながら、ゆっくりと空中から詰め寄ってくる浮空竜の姿があった。浮き袋から圧縮した空気を吐き出して出来た、小さな竜巻が勢いよく迫ってくる!この一撃を食らえば命はないだろう。瀕死の身体に鞭を撃ち、竜巻に対し、横方向に身体を向けたハンターは、坂に向かって飛び込む様に跳躍した身体の後ろを竜巻が通り過ぎてゆく。思いっ切り跳躍した身体に竜巻を取り巻く空気も届かない。受け身を取り、走り出した身体は、勢いよく坂を駆け上がっていく!その姿に、狙いを付け、圧縮した空気を放つが、何度も放った事で浮き袋の空気が少なくなり、風圧の弱まった竜巻は、ハンターに簡単にかわされる。浮上する力も弱まった身体は低空を漂う。回り込む様に駆け上がったハンターは、勢いよく坂を滑り降り出し、力強く跳躍した身体を丸め、空中回転し出した外側を回転する武器の矛先が、坂の下で弱々しく漂う浮き袋に激しい連撃を繰り出してゆく!珊瑚の斜面に出来た、開けた通り道。劣勢まで追い詰められたハンターの快進撃が始まる!

【モンハンワールド】ブログ小説⑪

上位ジュラトドス#24

荒地の湿地帯。川の水と荒地から運ばれてくる砂により水と泥が混じり合う水辺に花を咲かせる植物が一面を彩る。その場所を更に下流に進むと、そこには、泥水が支配する開けた水辺が現れる。その地を好む咬魚ガライーバが、あちらこちらで泳ぎ回る中、一際大きい背びれが泥水の深い所で泳ぎ回っている。泥水に入れば、進むときに水面にできる波紋によって気付かれてしまう。ハンターは壁沿いに出来たわずかな陸地を、奴に気付かれる事のない様に、背びれに向かって慎重に歩みを進めて行く。やがて、泳いでくる背びれが、接近して来たのを見計らい、武器を手に、走り出したハンターは、泥水の中へ足を踏み入れてゆく。水面に波紋ができ、不自然に出来た波紋に固まった泥の付く頭が振り返る。その間にも歩みを進めていたハンターは、傍らまで近づいた頭部に、渾身の一撃を放つ!その一撃に頭部に付く固まった泥は割れ、泥水に吸い込まれるように落ちてゆく。むき出しになった頭部は、ハンターに狙いを付け、勢いよく泳いでくる!まとわりつく泥水に移動が制限される中、間合いを取っていたハンターは、泳いでくる頭部を寸前でかわすと同時に身体を翻し、傍らを泳ぐ胴体に、力強く振り切られた武器の矛先が当たる!その衝撃に身体に付く泥の一部が剝がれ落ちる。むき出しになった鱗をちらつかせながら、泳ぎ切った向こう側で方向転換した泥魚竜は、身体を起き上がらせ、ハンターに狙いを付けると、身体をのけ反らせ、口いっぱいに溜めた泥を一気に吐き出す!その勢いよく吐き出された大量の泥の塊に、回避する為走り出すが、腰まで浸かった泥水に脚を取られ、素早く動く事が出来ない。次の瞬間、振り向いたハンターの視界を覆いかぶさる様に、大量の泥の塊が全身を呑み込む!水面に激しく叩きつけられた様な痛みと、呼吸ができない圧迫感に襲われながら、水底に引きずり込まれる!その恐怖に、もがき、苦しみながら、泥から這い上がってきたハンターの視界に、勢いよく泳ぎ迫ってくる泥魚竜の姿が映る。このままでは、直撃してしまう!何とか回避しようと身体に力を入れ、動こうとするが、先ほどに増して身体の自由が利かない!その異変に、身体に目を向けると、泥の塊が肩の高さまで全身を覆っていた。どうにもできない状況に、振り返るハンターの目の前に、硬い鱗で覆われた頭部が映る!次の瞬間、激しくぶつけられた頭部に、勢いよく突き飛ばされた身体は、全身の激しい痛みと共に後方の水面に、大きな音を立て、呑み込まれる!度重なる痛みに耐えながら、水面から立ち上がったハンターの視界に、また勢いよく泳いでくる泥魚竜。完全に奴のペースだ。このままでは、倒されてしまう。だが、ここであることに気付く。泳いでくる魚竜の後ろには、盛り上がった小さな陸地の様な物が沢山できている。これは、泳ぐときに尾ビレが水底の泥を大きく搔き分けながら、進む為できる。これを利用できれば。幸い、突き飛ばされた事で、浅瀬に立っていたハンターは、泳いでくる泥魚竜を視界に捕らえながら回り込む様に走り出す!その姿を追うように泳ぎ出した魚竜は、距離を詰めてゆく。出来たばかりの小さな泥の陸地を走り出したハンターに狙いを付け、飛びかかる様に勢いよく泳いできた頭部を、陸地を渡りながら寸前で、かわしたハンターは、陸地の途切れ目から勢いよく跳躍し、鱗の並ぶ頭部に向かって武器の矛先を勢いよく振り下ろす!その凄まじい衝撃に、飛び上がるように勢いよく泥水から出てきた泥魚竜は、泥水をまき散らしながら水面に横倒れになる。ハンターは、この好機に傍らで、もがく頭部を目掛けて、渾身の一撃を幾度どなく浴びせてゆく。放たれる連撃に硬い鱗もどんどん剥がされてゆく。よろけながらも立ち上がった魚竜は、怒り、激しく威嚇すると、泥水に潜り、身体をかき回す様に泳ぎ始める。すると、水底の泥が身体に、まとわり付き、全身を覆う。荒地の湿地帯。泥水が支配する開けた水辺で、再び泥の鎧に身を包む泥魚竜が、侵入者に襲い掛かる!

上位リオレイア#25

荒地にある小さな森。その地を好む、緑色の甲殻に身を包む飛竜は、大きな翼を羽ばたかせ、木漏れ日が差し込める空から降りてくる。着地すると同時に巻き起こった風が森を吹き抜け、草花を揺らす。その風を茂みで感じながら、改めて視線を戻した先で、ゆっくり歩き出す力強い脚に向かい、茂みを飛び出し、武器を手に走り出すハンター。物音に気付き、予測通り振り向く緑色の頭部に合わせ、ハンターは、渾身の一撃を放つ!頭部に当たる突然の衝撃に、後方に跳躍した雌火竜の頭部を矛先が、かすめる。武器をしまうと同時に駆け出し、距離を取り始めたハンターを視界に捕らえた雌火竜は咆哮を上げる!咆哮の範囲外まで間合いの取れていたハンターは、雌火竜を回り込む様に走り出す。その動きに勢いよく突進を仕掛ける雌火竜を寸前でかわすと同時に体勢を翻したハンターは、武器を出す勢いを利用して矛先を胴体に叩きつける!衝撃を受けるも通り過ぎた先で、方向転換した火竜は、視界の先で近づいて来るハンター目掛けて、燃え盛る火球を吐き出す!その直線的な炎に身体を斜め前方へ前転し、かわしたハンターの視界にもう一度吐き出された燃え盛る火球が襲い掛かる!前転し終わらない間に、吐き出された火球に、立ち上がろうとした全身を一瞬で炎が包むと同時に、身体に触れ、激しく爆発した衝撃に、後方に勢いよく吹き飛ばされる!その激しい痛みと全身が燃え盛る炎に包まれながら、地面に転がった身体は、その激しい痛みと炎に耐えながら、何とか立ち上がる。連続で吐かれた燃え盛る火球に、周りの草木が燃え揺れる。身体に付く炎を振り払いながら、走り出したハンターに狙いを付け、火球を吐き出そうと身体をのけ反らせる動きを見せる。あの動きは先程の連続業火球だ。そう考えたハンターは大きく円を描くように走り出す!次の瞬間、吐き出された火球は、直線的に勢いよく飛んでくる!距離の取れていたハンターは、走りながらかわすと、飛んで行った先で地面が吹き飛ぶ音が聞こえると同時に正面からは、燃え盛る火球が近づいてくる!ハンターの読みは正しかった。その火球を斜め前方に前転しながら、寸前でかわした傍らで、反対側に向けて火球を吐き出す雌火竜の頭部が映る。武器を握り締めたハンターは、火竜の頭部を目掛けて渾身の一撃を放つ!その凄まじい衝撃をまともに受け、怯む頭部にもう一撃を叩き込むと、すぐに武器をしまい、間合いを取り始めるハンターを鋭く睨み、雌火竜は怒りの咆哮を上げる!新大陸の荒地にある小さな森。火竜の口から連続で吐き出された燃え盛る火球は、狭き森を炎の海へと変える。咆哮から逃れることの出来たハンターと雌火竜は再び向き合う!

【モンハンワールド】ブログ小説⑩

上位ドスジャグラス#22

古代樹の森。木々に囲まれ、様々な植物が芽吹き、動物たちの暮らす森。群れを成し縄張りで暮らすモンスター達がいた。翼竜に摑まり、降り立ったこの地は、始まりの日を思い出す。キャンプを駆け出るハンターの視界に、広大な自然が蘇る。また走り出すハンターは、木々の生い茂る森の中へと入っていく。木漏れ日が差し込め、木々が揺れる、草木が生い茂る広間。群れの中、一回り以上大きい親玉は、頭部から生える立派な鬣を持ち、前脚の爪は獲物を捕らえる為、鋭く尖る。身を隠す場所の多い広間の草陰から見つめる瞳は機会を窺う。歩き回る大きな前脚が目の前に差しかかった時、武器を構え、草陰から勢いよく飛び出したハンターは、傍らに見える草むらから飛び出してきた何かに振り向く大きな頭部に向けて、渾身の一撃を放つ!その衝撃に怯むリーダーに、周りの群れが騒ぎ、ハンターを取り囲む。群れの攻撃をかわしながら、もう一撃食らわそうと、親玉に視線を戻すが、立ち直った巨体の爪が勢いよく引っ搔いてきた!その一撃をかわすことが出来ず、後方に吹き飛ばされ、片膝をつくハンターに、群れが次々に攻撃を仕掛ける!その連続攻撃に痛みを感じながらも、体勢を立て直すハンターの視界に賊竜の突進攻撃が目の前まで来ていた。かわす間もなく、また後方に吹き飛ばされ、地面を転がるハンターを取り囲む群れ。連携の取れた群れと親玉のコンビネーションに、手も足も出ない。このままでは、いずれ倒されてしまう。立ち上がりながら群れの攻撃をかわすハンターは、親玉を横目に捕らえながら、大きく円を描くように回り込んでゆく。次々に飛びかかってくる群れを押しのけ、ガラ空きになった親玉の姿が近づいてきた。狙いを付けた、大きな頭部は口を開き、勢いよく噛み付いてきた!その攻撃を斜め前方に寸前でかわせたハンターは、身体を翻し、傍らに見える頭部に武器を力強く振り切る!勢いよく振られた武器の矛先は頭部をかすめ、その衝撃に大きな頭部がよろめく。怯む頭部に狙いを付けるが、その進路を群れに阻まれる。起き上がった賊竜は、怒り、激しく威嚇する!群れも、その怒りにつられる様に騒ぎ出す!木漏れ日が差し込める木々の広間で、連携の取れた怒りのコンビネーションがハンターを襲う!

上位クルルヤック#23

荒地に広がる山岳地帯。緩やかな傾斜が広がる開けた陸地。その地を好み、背中に大きな甲羅を持つ草食動物は群れで暮らす。近くの岩陰に、敷き詰められた枝の巣を作り、その上に大きな卵がいくつか並び、数頭が交代で卵を見張る。腹を空かせた一頭の鳥竜は、群れの巣へと近ずいてゆく。突然の侵入者に草食動物達は威嚇し出すが、それも、お構いなしに鳥竜は、卵を抱えると、当たり前の様に持ち去ってしまう。川を渡り、緩やかな斜面を登ってゆくと、大きな岩が丁度いい空洞になった、わが家へと辿り着いた鳥竜は、さっそく手に持った大きな卵を割ると、中身を食べ始める。その姿を岩陰から確認したハンターは、武器を握り締め、走り出すと、肌色とオレンジ色に彩られた鮮やかな背中に向かって渾身の一撃を放つ!その突然の衝撃に、飛び上がるように驚いてしまった鳥竜の前脚から卵が滑り落ち、地面に黄色いペイントが施される。睨むように振り向く鳥竜。相当ご立腹の様だ。ゆっくりと武器を持ち直すハンターを横目に、地面を掻き分ける様に掘り始めた掻鳥は、前脚で持つのに丁度いい大きさの石を掘り出すと、それを抱え、傍らに立つハンターに向かって勢いよく殴りつけてきた!その大振りな攻撃をかわしたハンターは、傍らに見える鮮やかな身体に武器の矛先を力強く叩きつける!だが、放たれた一撃は鈍い音を立て、弾かれてしまう。直撃したかに思われた武器の矛先は、体勢を向き直した前脚に持つ硬い石に阻まれてしまったのだ。武器が弾かれ、体勢を崩したハンターの視界に、傍らで身体をのけぞらせ、石を勢いよく叩きつけてくる掻鳥の姿が映る!次の瞬間、勢いよく放たれた硬い石は、ハンターの身体を叩きつけ飛ばす!その凄まじい衝撃に、後方に吹き飛ばされると同時に、激しい痛みが体を襲う!吹き飛ばされた先で地面を転がり、激しい身体の痛みに耐えながら、起き上がるハンターの視界に、狙いを付け、勢いよく跳躍しながら、空中で身体をのけ反らせ、硬い石を叩きつけるように降りてくる掻鳥の姿が目に入ってきた。この勢いづく攻撃をまともに受ければ、命はないだろう。痛む身体に鞭を撃ち、全力で飛び込む様に回避した身体は勢いよく落ちてくる石を寸前でかわし、地面に飛び込んだ身体の周りに砂煙が舞う。かわされた事で前脚に持たれた硬い石は、地面に激しくぶつかると同時に、周りの砂が爆発を起こしたかの様に一瞬で飛び散る!起き上がったハンターの視界の砂煙が晴れてゆく。晴れた視界の先で、ゆっくりとこちらに振り向く掻鳥の前脚には、手頃な石が無くなっている。その地面に視線を向けるとバラバラに砕けた石が横たわっていた。掻鳥はハンターに勢いよく近づくと、前脚で引っ掻いてきた!その範囲の狭い引っ搔き攻撃を、簡単にかわしたハンターは、傍らに見える頭部に向かって渾身の一撃を放つ!その衝撃に、頭に生えるトサカの様な羽が砕け散る!一瞬よろけながらも、すぐに体勢を立て直した掻鳥は、怒り、激しく威嚇すると、また地面を搔き分け出す。また石を待たれると厄介だ。武器を握り締め、傍らの頭部に狙いを付け、力強く武器を振り下ろす!だが、それよりも一足早く石を見つけた掻鳥は、手に持つ石を武器の矛先に合わせる。ハンターの視界に、また鈍い音を立て弾かれる武器の先で、のけぞる様に石を構える掻鳥の姿を目撃する!荒地にある巨岩の空洞。そこに住む、卵泥棒の逆襲が始まる!

【モンハンワールド】ブログ小説⑨

上位プケプケ#20

新大陸へと渡ったハンター達。各地の調査を進めるため、探索に向かったハンター達から次々と新しい情報が寄せられてくる。中には、おかしな情報もいくつかあり、今回は、その中の一つ、大蟻塚の荒地で毒妖鳥の姿を目撃したという。古代樹の森にしか生息していない毒妖鳥が何故荒地に?疑問を抱きながらも、荒地に降り立ったハンターは、毒妖鳥を探すため走り出す!荒地の森。その小さな森には所狭しと木々が生い茂り、様々な生物が息づく、この場所を好む大型のモンスターも少なくない。目撃情報があったのも、この辺りだ。川から上がってきたハンターも、森の中へ足を踏み入れていく。木漏れ日が差し込める中、落ち葉を踏み歩く音が歩みを進めてゆく。大きな茂みを搔き分けた先の視界に、周りの緑に溶け込む、ジロりとした大きな瞳と目が合う。探していた毒妖鳥だ。咆哮を上げると、茂みから出てきた侵入者に対し勢いよく駆け出してくる!その姿に、茂みから身を乗り出していたハンターは、もう一度茂みを搔き分け、前に歩いてきた場所へと戻る。それを追いかけ、勢いよく茂みに飛び込んできた毒妖鳥の頭が顔を覗かせる。それを待っていたと言わんばかりに、武器を構えていたハンターは、傍らに出て来た緑色の頭に向かって渾身の一撃を放つ!その衝撃をまともに受けた毒妖鳥だったが、怯まずこちらを睨み付けてきた。渾身の一撃に体勢を崩すと考えていたハンターは、堂々と佇む姿に、思わず息を吞む。次の瞬間、毒妖鳥の口から飛び出してきた大きな舌が、ハンターの身体に激しくぶつかる!その凄まじい衝撃にハンターは、後方に吹き飛ばされると同時に、全身を激しい痛みに襲われる!地面に激しくぶつかり、転がった先で、膝を付きながら何とか立ち上がるハンターは、今まで戦ってきた毒妖鳥とは桁違いの強さに驚き、額から汗がにじむ。涼しい顔でこちらを見ていた毒妖鳥が、また勢いよく駆け寄ってくる!身体を毒に蝕まれながらも、武器を持つ手に、力を入れたハンターは、駆け寄る毒妖鳥を寸前でかわすと、すぐに身体を翻し、武器の矛先を傍らに見える頭部に叩きつける!二度目の頭部に走る痛みに毒妖鳥は怯むが、すぐに体勢を立て直す。だが、ハンターは、わずかでも自分の攻撃が通用した事に対し、少し安心し、安全に立ち回るため距離を取る。離れていくハンターを視界に、毒妖鳥は怒りの咆哮を上げる!毒妖鳥を横目で見つめるハンターの、武器を握る手にも一層力が入る。荒地の小さな森。ハンターは、桁違いに強い毒妖鳥の怒りに触れ、猛攻撃を目の当たりにする。新大陸に脚を踏み入れたハンターの、新たな任務が始まる。

上位ボルボロス#21

新大陸の大蟻塚の荒地。再びこの地を訪れたハンターは、見慣れた痕跡を目にする。岩壁に付着した粘着質の泥。それと同じ性質の足跡が蟻塚のそびえ立つ、砂漠の方へ伸びてゆく。痕跡をたどると、やはりあのモンスターがいた。荒地に広がる開けた砂漠。凹凸の砂地に点々と立つ、蟻塚の一つを掘り起こす、岩の様にも見える硬い甲殻を持つ後ろ姿は、食事に夢中だ。その後ろ姿に懐かしさを感じながらも、武器を手に、走り出したハンターは、岩肌の様な後ろ脚目掛けて、重い一撃を放つ!その不意打ちに、頭飾りが、ゆっくりと起き上がり、こちらを振り向く。視界の先で距離を取りながら横目で見つめるハンターに向けて咆哮を上げるが、十分距離を取ったハンターに、その咆哮は届かない。土砂竜は頭飾りで地面を、すくい上げるように突進を始めると、その速度は徐々に増してゆく。勢いづいた突進は、避けようとしたハンターの身体をかすめ、通り過ぎて行く。かすめただけの衝撃だったが、その思いもしなかった威力に、身体ごと地面に叩きつけられ転がった先で、よろけながらも立ち上がる。もし、直撃していれば、ただでは済まされなかっただろう。焦る気持ちに、通り過ぎた先で、こちらを視界に捕らえながら、方向転換した土砂竜は、また突進を始める。勢いづいた突進に徐々に距離を詰められる。寸前まで迫った突進を横目に、砂地に飛び込む様に勢いよく跳躍したハンターの身体は、突進をギリギリでかわし、急には止まれない巨体は、進路の目の前にあった蟻塚にぶつかり、蟻塚は粉々に砕け散る。頭飾りはぶつかった衝撃に、よろけ、それを視界に捕らえたハンターは、武器を手に、一気に駆け出してゆく!そして、よろける後ろ脚に向けて渾身の一撃を放つ!その衝撃に耐え切れず、後ろ脚から横倒れになる巨体に重い一撃を浴びせる!だが、その衝撃に耐えた巨体は、立ち上がると、傍らに見えるハンターに怒りの咆哮を上げる!武器を振り下ろした反動に、間合いを取ることができなかったハンターは、咆哮をまともに受けてしまう!薄れた意識を取り戻しながら、広がってきたハンターの視界に、勢いづいた怒りの猛突進が目の前に来ていた!考える間もなく宙に投げ出されたハンター。…次に気が付いた時、視界に広がってきたのは、テントの天井だった。倒れた時運良く通りかかったアイルー達がここまで運んできてくれたのだ。天井を見上げながらハンターは、感じた。ちょっとした油断は、命取りになることを。大蟻塚の荒地。新大陸の恐ろしさをハンターは、改めて肌で感じるのであった。