【モンハンワールド】ブログ小説⑫

上位ツィツィヤック#26

海の中がそのまま陸地になった様な台地。珊瑚の木々や海藻に似た植物が風に吹かれ、揺らされる。この地に降り立ったハンターは、珊瑚の並木道を進んで行く。しばらく行くと細かい砂粒に砕かれた珊瑚の砂が堆積して出来た通り道の先で、群れるシャムオスが何かに威嚇している。ハンターの視界からは、珊瑚の壁に遮られ、何に威嚇しているのか確認できない。次の瞬間、群れは一瞬で閃光に包まる!視界を奪われた群れはフラフラと動き回り出す。間違いない壁の向こうに奴がいる。その閃光の正体に向かい走り出したハンターの視界に、壁の向こうから、こちら側に藍色の頭が顔を出す。鉢合わせになった目と目が向き合う。一瞬の静寂の後、敵と判断した眩鳥は、力強く跳躍すると鋭い爪を向け、ハンターに向かって勢いよく飛びかかる!正面から飛びかかってくる眩鳥に対し、身体を真横に移動させながら、かわしたハンターを、着地し、鞭のようにしならせた尻尾が勢いよくぶつかる!その一撃を受け、後方に弾き飛ばされたハンターは、受け身を取り、片膝を付きながら地面を滑り止まる。痛みに耐え、起き上がるハンターを視界に頭部の発光膜を大きく広げた眩鳥は、凄まじい閃光を放つ!離れようにも、広範囲に放たれた閃光に、逃げる間もなく呑み込まれてしまう!視界の見えない中、突然、凄まじい衝撃がハンターを襲う!勢いよく飛びかかってきた鋭い爪が、無防備な棒立ちする身体を、突き飛ばしたのだ。身構えることが出来なかった身体に激痛が走り、弾き飛ばされた先で地面を勢いよく転がる!激しい痛みに耐え、よろめきながら起き上がるハンターの視界に、勢いよく飛びかかってくる眩鳥の姿が迫る!痛む身体に鞭を撃ち、寸前で真横に回避したハンターを、着地し、素早く回転させた、しなる尻尾が襲い掛かる!その攻撃が来ると感じていたハンターは、回転してくる尻尾の動きに合わせ、前転する。地面で回転するハンターの身体の上を空振りした尻尾が勢いよく通り過ぎた後、素早く立ち上がったハンターは、身体を翻し、武器を構えた勢いで、真横に力強く振り切る矛先を、傍らに見えてくる頭部を目掛けて勢いよく叩きつける!尻尾を回転させるため全身を回転させた頭部と力強く振り切られた矛先。時計回りと反時計回りの回転が激しくぶつかる!その凄まじい衝撃に、叩き飛ばされた藍色の頭は、全身を激しく回転させながら、勢いよく吹き飛ばされ、落ちた先で地面を転がる!よろけながら立ち上がる眩鳥は、怒り、激しく威嚇する!眩鳥の視界の先で武器を握り締め、走り出したハンターが勢いよく迫る!珊瑚が芽吹く並木道。狭き通路で激しい一騎打ちが幕を開ける!

上位パオウルムー#27

陸珊瑚の台地。珊瑚が細かく砕かれ、砂粒の様になった物が堆積して出来た、開けた斜面の通り道。桃色の毛に覆われた飛竜は、歩きながら、ゆっくりと斜面を登っていく。その後ろ姿を目にし、ハンターは、追いかけるように走り出す。行動範囲が広い浮空竜は、飛び去られてしまうと追跡が難しくなる。ここで食い止めるのが無難だ。追いつく寸前で振り返る桃色の頭に、武器を振り出した矛先が、かすめてゆく。頭部に、かすめた矛先に、警戒した浮空竜が後方に、軽く跳躍する。坂を見下ろした浮空竜の視界に、武器を抱えながら、距離を取ってゆくハンターが映る。その姿に咆哮を放つが、範囲外に逃れたハンターに、その咆哮は届かない。坂を下り詰めよってきた桃色の飛竜は、ゴム質の甲殻に覆われた、硬く、しなる尻尾を勢いよく横回転に振る!正面に立つハンターに、時計回りに繰り出された回転に対し、その回転に合わせて右斜め前に前転したハンターの頭上を、周りの空気を掻き切る様にゴム質の尻尾が通り過ぎてゆく。立ち上がるハンターの視界に、回転の勢いで戻ってきた頭部が映る。素早く武器を構えた勢いで矛先を桃色の頭部目掛けて勢いよく振り下ろす!その衝撃に戻ってきた頭部は悲鳴を上げ、後ずさるが、すぐに体勢を立て直す。新大陸のモンスターは、やはり耐久力が段違いだ。武器を持ち直したハンターに、正面に向き直した浮空竜は、前方の空気を吸引する様に首元の浮き袋に、たくわえだす。正面に立っていたハンターは、もの凄い勢いで吸い込まれてゆく周りの空気に脚を取られ、浮空竜に引き寄せられる。立ち上がった視界に触れてしまうぐらいに近づいた浮空竜の顔の二つの目がこちらを見ている。次の瞬間、突進を始め、動き出した顔が勢いよく、ハンターの顔にぶつかる!よじれそうになる顔の激しい痛みと共に、勢いよく坂を転げ落ちたハンターは、激しい痛みに、顔を覆いながら、ゆっくりと立ち上がる。じんわりと見えてくるハンターの視界に、浮き袋をいっぱいに膨らませた浮空竜が空中を漂いながら、フワフワと近づいて来るのが見えた。それはハンターが坂を転げ落ち、視界が戻るまでの間、浮空竜は浮き袋に空気を溜め、空に浮き上がった事を証明していた。そうしている間に射程距離まで近づいた浮空竜は、圧縮した空気を一気に吐き出し、それは渦を巻きながら、小さな竜巻となりハンターに襲い掛かってきた!直線的だった竜巻の移動に、横方向に転がり、かわしたハンターだったが、竜巻を取り巻く空気の渦に脚を取られてしまう。その一瞬の隙を狙い、勢いよく上空に飛び上がった浮空竜は、垂直に急降下しハンターの頭上に勢いよく落下して来る!脚を取られ、無防備な体勢のハンターの頭部に凄まじい衝撃が襲い掛かる!防具を伝わる激しい衝撃に、地面を激しくバウンドした身体は、宙を舞い、また地面とぶつかり、坂を勢いよく転がり、後方にあった珊瑚の壁にぶつかって止まる。全身の身の千切れる様な痛みと、朦朧とする意識の中、必死で立ち上がったハンターを見つめながら、ゆっくりと空中から詰め寄ってくる浮空竜の姿があった。浮き袋から圧縮した空気を吐き出して出来た、小さな竜巻が勢いよく迫ってくる!この一撃を食らえば命はないだろう。瀕死の身体に鞭を撃ち、竜巻に対し、横方向に身体を向けたハンターは、坂に向かって飛び込む様に跳躍した身体の後ろを竜巻が通り過ぎてゆく。思いっ切り跳躍した身体に竜巻を取り巻く空気も届かない。受け身を取り、走り出した身体は、勢いよく坂を駆け上がっていく!その姿に、狙いを付け、圧縮した空気を放つが、何度も放った事で浮き袋の空気が少なくなり、風圧の弱まった竜巻は、ハンターに簡単にかわされる。浮上する力も弱まった身体は低空を漂う。回り込む様に駆け上がったハンターは、勢いよく坂を滑り降り出し、力強く跳躍した身体を丸め、空中回転し出した外側を回転する武器の矛先が、坂の下で弱々しく漂う浮き袋に激しい連撃を繰り出してゆく!珊瑚の斜面に出来た、開けた通り道。劣勢まで追い詰められたハンターの快進撃が始まる!

【モンハンワールド】ブログ小説⑪

上位ジュラトドス#24

荒地の湿地帯。川の水と荒地から運ばれてくる砂により水と泥が混じり合う水辺に花を咲かせる植物が一面を彩る。その場所を更に下流に進むと、そこには、泥水が支配する開けた水辺が現れる。その地を好む咬魚ガライーバが、あちらこちらで泳ぎ回る中、一際大きい背びれが泥水の深い所で泳ぎ回っている。泥水に入れば、進むときに水面にできる波紋によって気付かれてしまう。ハンターは壁沿いに出来たわずかな陸地を、奴に気付かれる事のない様に、背びれに向かって慎重に歩みを進めて行く。やがて、泳いでくる背びれが、接近して来たのを見計らい、武器を手に、走り出したハンターは、泥水の中へ足を踏み入れてゆく。水面に波紋ができ、不自然に出来た波紋に固まった泥の付く頭が振り返る。その間にも歩みを進めていたハンターは、傍らまで近づいた頭部に、渾身の一撃を放つ!その一撃に頭部に付く固まった泥は割れ、泥水に吸い込まれるように落ちてゆく。むき出しになった頭部は、ハンターに狙いを付け、勢いよく泳いでくる!まとわりつく泥水に移動が制限される中、間合いを取っていたハンターは、泳いでくる頭部を寸前でかわすと同時に身体を翻し、傍らを泳ぐ胴体に、力強く振り切られた武器の矛先が当たる!その衝撃に身体に付く泥の一部が剝がれ落ちる。むき出しになった鱗をちらつかせながら、泳ぎ切った向こう側で方向転換した泥魚竜は、身体を起き上がらせ、ハンターに狙いを付けると、身体をのけ反らせ、口いっぱいに溜めた泥を一気に吐き出す!その勢いよく吐き出された大量の泥の塊に、回避する為走り出すが、腰まで浸かった泥水に脚を取られ、素早く動く事が出来ない。次の瞬間、振り向いたハンターの視界を覆いかぶさる様に、大量の泥の塊が全身を呑み込む!水面に激しく叩きつけられた様な痛みと、呼吸ができない圧迫感に襲われながら、水底に引きずり込まれる!その恐怖に、もがき、苦しみながら、泥から這い上がってきたハンターの視界に、勢いよく泳ぎ迫ってくる泥魚竜の姿が映る。このままでは、直撃してしまう!何とか回避しようと身体に力を入れ、動こうとするが、先ほどに増して身体の自由が利かない!その異変に、身体に目を向けると、泥の塊が肩の高さまで全身を覆っていた。どうにもできない状況に、振り返るハンターの目の前に、硬い鱗で覆われた頭部が映る!次の瞬間、激しくぶつけられた頭部に、勢いよく突き飛ばされた身体は、全身の激しい痛みと共に後方の水面に、大きな音を立て、呑み込まれる!度重なる痛みに耐えながら、水面から立ち上がったハンターの視界に、また勢いよく泳いでくる泥魚竜。完全に奴のペースだ。このままでは、倒されてしまう。だが、ここであることに気付く。泳いでくる魚竜の後ろには、盛り上がった小さな陸地の様な物が沢山できている。これは、泳ぐときに尾ビレが水底の泥を大きく搔き分けながら、進む為できる。これを利用できれば。幸い、突き飛ばされた事で、浅瀬に立っていたハンターは、泳いでくる泥魚竜を視界に捕らえながら回り込む様に走り出す!その姿を追うように泳ぎ出した魚竜は、距離を詰めてゆく。出来たばかりの小さな泥の陸地を走り出したハンターに狙いを付け、飛びかかる様に勢いよく泳いできた頭部を、陸地を渡りながら寸前で、かわしたハンターは、陸地の途切れ目から勢いよく跳躍し、鱗の並ぶ頭部に向かって武器の矛先を勢いよく振り下ろす!その凄まじい衝撃に、飛び上がるように勢いよく泥水から出てきた泥魚竜は、泥水をまき散らしながら水面に横倒れになる。ハンターは、この好機に傍らで、もがく頭部を目掛けて、渾身の一撃を幾度どなく浴びせてゆく。放たれる連撃に硬い鱗もどんどん剥がされてゆく。よろけながらも立ち上がった魚竜は、怒り、激しく威嚇すると、泥水に潜り、身体をかき回す様に泳ぎ始める。すると、水底の泥が身体に、まとわり付き、全身を覆う。荒地の湿地帯。泥水が支配する開けた水辺で、再び泥の鎧に身を包む泥魚竜が、侵入者に襲い掛かる!

上位リオレイア#25

荒地にある小さな森。その地を好む、緑色の甲殻に身を包む飛竜は、大きな翼を羽ばたかせ、木漏れ日が差し込める空から降りてくる。着地すると同時に巻き起こった風が森を吹き抜け、草花を揺らす。その風を茂みで感じながら、改めて視線を戻した先で、ゆっくり歩き出す力強い脚に向かい、茂みを飛び出し、武器を手に走り出すハンター。物音に気付き、予測通り振り向く緑色の頭部に合わせ、ハンターは、渾身の一撃を放つ!頭部に当たる突然の衝撃に、後方に跳躍した雌火竜の頭部を矛先が、かすめる。武器をしまうと同時に駆け出し、距離を取り始めたハンターを視界に捕らえた雌火竜は咆哮を上げる!咆哮の範囲外まで間合いの取れていたハンターは、雌火竜を回り込む様に走り出す。その動きに勢いよく突進を仕掛ける雌火竜を寸前でかわすと同時に体勢を翻したハンターは、武器を出す勢いを利用して矛先を胴体に叩きつける!衝撃を受けるも通り過ぎた先で、方向転換した火竜は、視界の先で近づいて来るハンター目掛けて、燃え盛る火球を吐き出す!その直線的な炎に身体を斜め前方へ前転し、かわしたハンターの視界にもう一度吐き出された燃え盛る火球が襲い掛かる!前転し終わらない間に、吐き出された火球に、立ち上がろうとした全身を一瞬で炎が包むと同時に、身体に触れ、激しく爆発した衝撃に、後方に勢いよく吹き飛ばされる!その激しい痛みと全身が燃え盛る炎に包まれながら、地面に転がった身体は、その激しい痛みと炎に耐えながら、何とか立ち上がる。連続で吐かれた燃え盛る火球に、周りの草木が燃え揺れる。身体に付く炎を振り払いながら、走り出したハンターに狙いを付け、火球を吐き出そうと身体をのけ反らせる動きを見せる。あの動きは先程の連続業火球だ。そう考えたハンターは大きく円を描くように走り出す!次の瞬間、吐き出された火球は、直線的に勢いよく飛んでくる!距離の取れていたハンターは、走りながらかわすと、飛んで行った先で地面が吹き飛ぶ音が聞こえると同時に正面からは、燃え盛る火球が近づいてくる!ハンターの読みは正しかった。その火球を斜め前方に前転しながら、寸前でかわした傍らで、反対側に向けて火球を吐き出す雌火竜の頭部が映る。武器を握り締めたハンターは、火竜の頭部を目掛けて渾身の一撃を放つ!その凄まじい衝撃をまともに受け、怯む頭部にもう一撃を叩き込むと、すぐに武器をしまい、間合いを取り始めるハンターを鋭く睨み、雌火竜は怒りの咆哮を上げる!新大陸の荒地にある小さな森。火竜の口から連続で吐き出された燃え盛る火球は、狭き森を炎の海へと変える。咆哮から逃れることの出来たハンターと雌火竜は再び向き合う!

【モンハンワールド】ブログ小説⑩

上位ドスジャグラス#22

古代樹の森。木々に囲まれ、様々な植物が芽吹き、動物たちの暮らす森。群れを成し縄張りで暮らすモンスター達がいた。翼竜に摑まり、降り立ったこの地は、始まりの日を思い出す。キャンプを駆け出るハンターの視界に、広大な自然が蘇る。また走り出すハンターは、木々の生い茂る森の中へと入っていく。木漏れ日が差し込め、木々が揺れる、草木が生い茂る広間。群れの中、一回り以上大きい親玉は、頭部から生える立派な鬣を持ち、前脚の爪は獲物を捕らえる為、鋭く尖る。身を隠す場所の多い広間の草陰から見つめる瞳は機会を窺う。歩き回る大きな前脚が目の前に差しかかった時、武器を構え、草陰から勢いよく飛び出したハンターは、傍らに見える草むらから飛び出してきた何かに振り向く大きな頭部に向けて、渾身の一撃を放つ!その衝撃に怯むリーダーに、周りの群れが騒ぎ、ハンターを取り囲む。群れの攻撃をかわしながら、もう一撃食らわそうと、親玉に視線を戻すが、立ち直った巨体の爪が勢いよく引っ搔いてきた!その一撃をかわすことが出来ず、後方に吹き飛ばされ、片膝をつくハンターに、群れが次々に攻撃を仕掛ける!その連続攻撃に痛みを感じながらも、体勢を立て直すハンターの視界に賊竜の突進攻撃が目の前まで来ていた。かわす間もなく、また後方に吹き飛ばされ、地面を転がるハンターを取り囲む群れ。連携の取れた群れと親玉のコンビネーションに、手も足も出ない。このままでは、いずれ倒されてしまう。立ち上がりながら群れの攻撃をかわすハンターは、親玉を横目に捕らえながら、大きく円を描くように回り込んでゆく。次々に飛びかかってくる群れを押しのけ、ガラ空きになった親玉の姿が近づいてきた。狙いを付けた、大きな頭部は口を開き、勢いよく噛み付いてきた!その攻撃を斜め前方に寸前でかわせたハンターは、身体を翻し、傍らに見える頭部に武器を力強く振り切る!勢いよく振られた武器の矛先は頭部をかすめ、その衝撃に大きな頭部がよろめく。怯む頭部に狙いを付けるが、その進路を群れに阻まれる。起き上がった賊竜は、怒り、激しく威嚇する!群れも、その怒りにつられる様に騒ぎ出す!木漏れ日が差し込める木々の広間で、連携の取れた怒りのコンビネーションがハンターを襲う!

上位クルルヤック#23

荒地に広がる山岳地帯。緩やかな傾斜が広がる開けた陸地。その地を好み、背中に大きな甲羅を持つ草食動物は群れで暮らす。近くの岩陰に、敷き詰められた枝の巣を作り、その上に大きな卵がいくつか並び、数頭が交代で卵を見張る。腹を空かせた一頭の鳥竜は、群れの巣へと近ずいてゆく。突然の侵入者に草食動物達は威嚇し出すが、それも、お構いなしに鳥竜は、卵を抱えると、当たり前の様に持ち去ってしまう。川を渡り、緩やかな斜面を登ってゆくと、大きな岩が丁度いい空洞になった、わが家へと辿り着いた鳥竜は、さっそく手に持った大きな卵を割ると、中身を食べ始める。その姿を岩陰から確認したハンターは、武器を握り締め、走り出すと、肌色とオレンジ色に彩られた鮮やかな背中に向かって渾身の一撃を放つ!その突然の衝撃に、飛び上がるように驚いてしまった鳥竜の前脚から卵が滑り落ち、地面に黄色いペイントが施される。睨むように振り向く鳥竜。相当ご立腹の様だ。ゆっくりと武器を持ち直すハンターを横目に、地面を掻き分ける様に掘り始めた掻鳥は、前脚で持つのに丁度いい大きさの石を掘り出すと、それを抱え、傍らに立つハンターに向かって勢いよく殴りつけてきた!その大振りな攻撃をかわしたハンターは、傍らに見える鮮やかな身体に武器の矛先を力強く叩きつける!だが、放たれた一撃は鈍い音を立て、弾かれてしまう。直撃したかに思われた武器の矛先は、体勢を向き直した前脚に持つ硬い石に阻まれてしまったのだ。武器が弾かれ、体勢を崩したハンターの視界に、傍らで身体をのけぞらせ、石を勢いよく叩きつけてくる掻鳥の姿が映る!次の瞬間、勢いよく放たれた硬い石は、ハンターの身体を叩きつけ飛ばす!その凄まじい衝撃に、後方に吹き飛ばされると同時に、激しい痛みが体を襲う!吹き飛ばされた先で地面を転がり、激しい身体の痛みに耐えながら、起き上がるハンターの視界に、狙いを付け、勢いよく跳躍しながら、空中で身体をのけ反らせ、硬い石を叩きつけるように降りてくる掻鳥の姿が目に入ってきた。この勢いづく攻撃をまともに受ければ、命はないだろう。痛む身体に鞭を撃ち、全力で飛び込む様に回避した身体は勢いよく落ちてくる石を寸前でかわし、地面に飛び込んだ身体の周りに砂煙が舞う。かわされた事で前脚に持たれた硬い石は、地面に激しくぶつかると同時に、周りの砂が爆発を起こしたかの様に一瞬で飛び散る!起き上がったハンターの視界の砂煙が晴れてゆく。晴れた視界の先で、ゆっくりとこちらに振り向く掻鳥の前脚には、手頃な石が無くなっている。その地面に視線を向けるとバラバラに砕けた石が横たわっていた。掻鳥はハンターに勢いよく近づくと、前脚で引っ掻いてきた!その範囲の狭い引っ搔き攻撃を、簡単にかわしたハンターは、傍らに見える頭部に向かって渾身の一撃を放つ!その衝撃に、頭に生えるトサカの様な羽が砕け散る!一瞬よろけながらも、すぐに体勢を立て直した掻鳥は、怒り、激しく威嚇すると、また地面を搔き分け出す。また石を待たれると厄介だ。武器を握り締め、傍らの頭部に狙いを付け、力強く武器を振り下ろす!だが、それよりも一足早く石を見つけた掻鳥は、手に持つ石を武器の矛先に合わせる。ハンターの視界に、また鈍い音を立て弾かれる武器の先で、のけぞる様に石を構える掻鳥の姿を目撃する!荒地にある巨岩の空洞。そこに住む、卵泥棒の逆襲が始まる!

【モンハンワールド】ブログ小説⑨

上位プケプケ#20

新大陸へと渡ったハンター達。各地の調査を進めるため、探索に向かったハンター達から次々と新しい情報が寄せられてくる。中には、おかしな情報もいくつかあり、今回は、その中の一つ、大蟻塚の荒地で毒妖鳥の姿を目撃したという。古代樹の森にしか生息していない毒妖鳥が何故荒地に?疑問を抱きながらも、荒地に降り立ったハンターは、毒妖鳥を探すため走り出す!荒地の森。その小さな森には所狭しと木々が生い茂り、様々な生物が息づく、この場所を好む大型のモンスターも少なくない。目撃情報があったのも、この辺りだ。川から上がってきたハンターも、森の中へ足を踏み入れていく。木漏れ日が差し込める中、落ち葉を踏み歩く音が歩みを進めてゆく。大きな茂みを搔き分けた先の視界に、周りの緑に溶け込む、ジロりとした大きな瞳と目が合う。探していた毒妖鳥だ。咆哮を上げると、茂みから出てきた侵入者に対し勢いよく駆け出してくる!その姿に、茂みから身を乗り出していたハンターは、もう一度茂みを搔き分け、前に歩いてきた場所へと戻る。それを追いかけ、勢いよく茂みに飛び込んできた毒妖鳥の頭が顔を覗かせる。それを待っていたと言わんばかりに、武器を構えていたハンターは、傍らに出て来た緑色の頭に向かって渾身の一撃を放つ!その衝撃をまともに受けた毒妖鳥だったが、怯まずこちらを睨み付けてきた。渾身の一撃に体勢を崩すと考えていたハンターは、堂々と佇む姿に、思わず息を吞む。次の瞬間、毒妖鳥の口から飛び出してきた大きな舌が、ハンターの身体に激しくぶつかる!その凄まじい衝撃にハンターは、後方に吹き飛ばされると同時に、全身を激しい痛みに襲われる!地面に激しくぶつかり、転がった先で、膝を付きながら何とか立ち上がるハンターは、今まで戦ってきた毒妖鳥とは桁違いの強さに驚き、額から汗がにじむ。涼しい顔でこちらを見ていた毒妖鳥が、また勢いよく駆け寄ってくる!身体を毒に蝕まれながらも、武器を持つ手に、力を入れたハンターは、駆け寄る毒妖鳥を寸前でかわすと、すぐに身体を翻し、武器の矛先を傍らに見える頭部に叩きつける!二度目の頭部に走る痛みに毒妖鳥は怯むが、すぐに体勢を立て直す。だが、ハンターは、わずかでも自分の攻撃が通用した事に対し、少し安心し、安全に立ち回るため距離を取る。離れていくハンターを視界に、毒妖鳥は怒りの咆哮を上げる!毒妖鳥を横目で見つめるハンターの、武器を握る手にも一層力が入る。荒地の小さな森。ハンターは、桁違いに強い毒妖鳥の怒りに触れ、猛攻撃を目の当たりにする。新大陸に脚を踏み入れたハンターの、新たな任務が始まる。

上位ボルボロス#21

新大陸の大蟻塚の荒地。再びこの地を訪れたハンターは、見慣れた痕跡を目にする。岩壁に付着した粘着質の泥。それと同じ性質の足跡が蟻塚のそびえ立つ、砂漠の方へ伸びてゆく。痕跡をたどると、やはりあのモンスターがいた。荒地に広がる開けた砂漠。凹凸の砂地に点々と立つ、蟻塚の一つを掘り起こす、岩の様にも見える硬い甲殻を持つ後ろ姿は、食事に夢中だ。その後ろ姿に懐かしさを感じながらも、武器を手に、走り出したハンターは、岩肌の様な後ろ脚目掛けて、重い一撃を放つ!その不意打ちに、頭飾りが、ゆっくりと起き上がり、こちらを振り向く。視界の先で距離を取りながら横目で見つめるハンターに向けて咆哮を上げるが、十分距離を取ったハンターに、その咆哮は届かない。土砂竜は頭飾りで地面を、すくい上げるように突進を始めると、その速度は徐々に増してゆく。勢いづいた突進は、避けようとしたハンターの身体をかすめ、通り過ぎて行く。かすめただけの衝撃だったが、その思いもしなかった威力に、身体ごと地面に叩きつけられ転がった先で、よろけながらも立ち上がる。もし、直撃していれば、ただでは済まされなかっただろう。焦る気持ちに、通り過ぎた先で、こちらを視界に捕らえながら、方向転換した土砂竜は、また突進を始める。勢いづいた突進に徐々に距離を詰められる。寸前まで迫った突進を横目に、砂地に飛び込む様に勢いよく跳躍したハンターの身体は、突進をギリギリでかわし、急には止まれない巨体は、進路の目の前にあった蟻塚にぶつかり、蟻塚は粉々に砕け散る。頭飾りはぶつかった衝撃に、よろけ、それを視界に捕らえたハンターは、武器を手に、一気に駆け出してゆく!そして、よろける後ろ脚に向けて渾身の一撃を放つ!その衝撃に耐え切れず、後ろ脚から横倒れになる巨体に重い一撃を浴びせる!だが、その衝撃に耐えた巨体は、立ち上がると、傍らに見えるハンターに怒りの咆哮を上げる!武器を振り下ろした反動に、間合いを取ることができなかったハンターは、咆哮をまともに受けてしまう!薄れた意識を取り戻しながら、広がってきたハンターの視界に、勢いづいた怒りの猛突進が目の前に来ていた!考える間もなく宙に投げ出されたハンター。…次に気が付いた時、視界に広がってきたのは、テントの天井だった。倒れた時運良く通りかかったアイルー達がここまで運んできてくれたのだ。天井を見上げながらハンターは、感じた。ちょっとした油断は、命取りになることを。大蟻塚の荒地。新大陸の恐ろしさをハンターは、改めて肌で感じるのであった。

【モンハンワールド】ブログ小説⑧

幻獣キリン#18

珊瑚の並木が揺れる、高所の頂きから下界を見下ろす幻獣は、伝説に語り継がれる幻の存在。美しく、なびかせる鬣から覗く一本の雷角は生命の象徴。頂きを目指すハンターは、珊瑚が連なる険しく切り立った崖にしがみ付き力強く、よじ登ってゆく。登り切った視線の先に静かに佇む幻獣と向き合う。武器を構え、走り出したハンターを視界に幻獣も左右に跳躍しながら前方に駆け出す。走り抜けて行く両者は、お互いを横目で確認する。走り抜けた先で、顔を振り向かせる幻獣は、視線の先のハンターに狙いを付ける。振り向くハンターも身体の向きを変え、距離の離された幻獣に向かって走り出す身体に、天から放たれた神の雷が襲い掛かる!その一撃は上空で閃光を放つと同時に、ハンターの身体を一瞬で貫き通す!その破壊力は強大で、凄まじい衝撃にハンターの全身に激痛が走り、周りの地面と共に激しく吹き飛ばされる!全身の痺れる様な激痛に耐え、立ち上がろうとするハンターの視界に、狙いを付け走り出した幻獣が迫ってくる!雷角が触れる寸前で、何とか、かわす事の出来たハンターは身体を翻し、傍らに見える角に向けて武器を力強く振った!その武器の矛先は幻獣の雷角を、かすり抜ける。直撃では無かったものの、弱点に、かすめられた衝撃に一瞬の隙が生まれる。素早く武器を持ち換えたハンターは傍らで怯む雷角に向け、もう一撃をお見舞いする!その衝撃に角が欠け、吹き飛んで行く!怯みながらも身体を翻した幻獣は、後方に立つハンター目掛けて後ろ蹴りを放つ!その思いがけない攻撃に避ける間もなくハンターの身体は宙を舞い、後方に吹き飛ばされる!地面とぶつかり倒れた先で再び起き上がったハンターの視界の先で帯電する幻獣は、青白い稲妻を身体にまとい、その瞳はハンターに向き合う。身の危険を感じながらもハンターは幻獣に向け、真っ直ぐ走り出す!その動きに合わせるかの様に幻獣も勢いよく駆け出す!迫ってきた幻獣に一撃を浴びせようと武器を構えるが、さらに増した、その速度に間に合わず、接触する身体は後方に吹き飛ばされる!地面を転がり、また立ち上がろうとする傍らで、青白く巨大な静電気を身体から、いくつも伸ばし始めた幻獣の姿が目に入ってきた。その帯状に広がった視界に確認できる程、巨大な静電気はやがて周りを取り囲む。珊瑚の並木が揺れる頂きで、逃げ場を失ったハンターに、神の裁きが下されようとしていた!

ゾラ・マグダラオス誘導作戦#19

前回の作戦の失敗により、今も歩みを進め続けている熔山龍は瘴気の谷を越え、地脈回廊を進んでいる。古代竜人の話では、このまま奴が進み続け地脈回廊の更に先、マグマが噴き出る大地で、生命が尽きれば大爆発が起こり、大陸はおろか、全世界が火の海に包まれてしまうという、そんな事になれば、この世界の生物ほぼ全てが生命の危機に侵されてしまう!失敗は許されない!支度を済ませた主人公達5期団は、総司令率いる調査団体と共に乗り込んだ船で拠点に到着する。今回の誘導作戦は、地脈回廊を進む熔山龍を進路の先にある、この拠点で撃退し進路を変えさせ、外海に逃がすというもの。ハンター達は、大まかに分けて背中に乗り込む部隊、外側から援護する部隊に別れ、行動する。いざとなれば総司令が用意してもらったという船の先端に付く巨大兵器、撃龍槍を放つという。作戦の再確認が終わる頃、地脈回廊を進む熔山龍が姿を現し出す。総司令の掛け声と共に、ハンター達は一斉に動き出す!翼竜に摑まり火山の様な背中に降り立ったハンターは、熔山龍が拠点にたどり着くまでの間に、少しでも弱らせる為、排熱器官を目指し、走り出す!岩肌からマグマが噴き出す悪路を進むと、巨大な岩の間から排熱器官が顔を出す。赤々とした排熱器官は時折、マグマを噴き出し、周囲を赤く染める。ハンターは、静まった時を見計らい器官を砕いてゆく。やがて器官は熱を排出する事を止め、黒々と染まってゆく。これで一つ目は完了だ。それを目に方向転換すると、目の前に切り立った様にそびえ立つ黒々とした溶岩の山が映る。それに、しがみ付くと力強く登り始める。噴き出すマグマをかわしながら、頂上まで登りきると、そこには、大きく口を開く巨大な穴の下に、爪の様に尖る赤々とした巨大な排熱器官が佇んでいた。静まった時を見計らい、その中に勢いよく飛び込んだハンターは、着地すると同時に受け身を取ると、赤々とした巨大な器官を砕いてゆく。飛び散ってくるマグマを振り払いながら、砕き切った排熱器官は、また黒々と染まる。武器をしまいながら、今回は順調に行きそうだ、と思った矢先、急に外が騒がしくなった。急いで崖を登り切ったハンターの視界に、またあの時の古龍が目に入ってきた!翼を大きく広げ、飛び回る古龍は外側から狙うバリスタ部隊を翻弄し、熔山龍の背中に急降下して行く。それを視界にハンターは、勢いよく走り出す!山を駆け下り、着地した先で、あの時の古龍と視線が向き合う!咆哮し、勢いよく駆け寄ってきた古龍は、腕の様な前脚をハンター目掛けて力強く地面に叩きつける!その勢いに腕の様な前脚に付く無数の棘が広範囲に飛び散る!ハンターは避けようとするが、勢いよく飛び散ってくる無数の棘を、かわせるはずもなく棘のいくつかが身体に突き刺さる!その痛みに耐えながら、回り込む様に走り出したハンターに、勢いよく駆け寄る古龍は、鋭い爪で力強く引っ掻いてきた!ハンターは身体を翻し、寸前で回避すると同時に武器を手に、古龍の懐に潜り込むと、顎の下からの顔を出す大きな角に向けて渾身の一撃を放つ!凄まじい衝撃に古龍は、うなり声を上げ、空へと飛び上がり、そのまま飛び去って行った。その後ろ姿を目に、ハンターは胸をなでおろすが、喜ぶのもつかの間、熔山龍が拠点に迫る!急ぎ、翼竜に摑まるとハンターは拠点へと向かう。飛び交うバリスタと砲撃に、びくともしない熔山龍。拠点に着地すると同時に、走り出したハンターも戦いに加わる!海に面した地脈回廊の最後の砦。失敗の許されない、世界の運命を賭けたハンター達の激しい死闘が幕を開ける!