【モンハンワールド】ブログ小説⑨

上位プケプケ#20

新大陸へと渡ったハンター達。各地の調査を進めるため、探索に向かったハンター達から次々と新しい情報が寄せられてくる。中には、おかしな情報もいくつかあり、今回は、その中の一つ、大蟻塚の荒地で毒妖鳥の姿を目撃したという。古代樹の森にしか生息していない毒妖鳥が何故荒地に?疑問を抱きながらも、荒地に降り立ったハンターは、毒妖鳥を探すため走り出す!荒地の森。その小さな森には所狭しと木々が生い茂り、様々な生物が息づく、この場所を好む大型のモンスターも少なくない。目撃情報があったのも、この辺りだ。川から上がってきたハンターも、森の中へ足を踏み入れていく。木漏れ日が差し込める中、落ち葉を踏み歩く音が歩みを進めてゆく。大きな茂みを搔き分けた先の視界に、周りの緑に溶け込む、ジロりとした大きな瞳と目が合う。探していた毒妖鳥だ。咆哮を上げると、茂みから出てきた侵入者に対し勢いよく駆け出してくる!その姿に、茂みから身を乗り出していたハンターは、もう一度茂みを搔き分け、前に歩いてきた場所へと戻る。それを追いかけ、勢いよく茂みに飛び込んできた毒妖鳥の頭が顔を覗かせる。それを待っていたと言わんばかりに、武器を構えていたハンターは、傍らに出て来た緑色の頭に向かって渾身の一撃を放つ!その衝撃をまともに受けた毒妖鳥だったが、怯まずこちらを睨み付けてきた。渾身の一撃に体勢を崩すと考えていたハンターは、堂々と佇む姿に、思わず息を吞む。次の瞬間、毒妖鳥の口から飛び出してきた大きな舌が、ハンターの身体に激しくぶつかる!その凄まじい衝撃にハンターは、後方に吹き飛ばされると同時に、全身を激しい痛みに襲われる!地面に激しくぶつかり、転がった先で、膝を付きながら何とか立ち上がるハンターは、今まで戦ってきた毒妖鳥とは桁違いの強さに驚き、額から汗がにじむ。涼しい顔でこちらを見ていた毒妖鳥が、また勢いよく駆け寄ってくる!身体を毒に蝕まれながらも、武器を持つ手に、力を入れたハンターは、駆け寄る毒妖鳥を寸前でかわすと、すぐに身体を翻し、武器の矛先を傍らに見える頭部に叩きつける!二度目の頭部に走る痛みに毒妖鳥は怯むが、すぐに体勢を立て直す。だが、ハンターは、わずかでも自分の攻撃が通用した事に対し、少し安心し、安全に立ち回るため距離を取る。離れていくハンターを視界に、毒妖鳥は怒りの咆哮を上げる!毒妖鳥を横目で見つめるハンターの、武器を握る手にも一層力が入る。荒地の小さな森。ハンターは、桁違いに強い毒妖鳥の怒りに触れ、猛攻撃を目の当たりにする。新大陸に脚を踏み入れたハンターの、新たな任務が始まる。

上位ボルボロス#21

新大陸の大蟻塚の荒地。再びこの地を訪れたハンターは、見慣れた痕跡を目にする。岩壁に付着した粘着質の泥。それと同じ性質の足跡が蟻塚のそびえ立つ、砂漠の方へ伸びてゆく。痕跡をたどると、やはりあのモンスターがいた。荒地に広がる開けた砂漠。凹凸の砂地に点々と立つ、蟻塚の一つを掘り起こす、岩の様にも見える硬い甲殻を持つ後ろ姿は、食事に夢中だ。その後ろ姿に懐かしさを感じながらも、武器を手に、走り出したハンターは、岩肌の様な後ろ脚目掛けて、重い一撃を放つ!その不意打ちに、頭飾りが、ゆっくりと起き上がり、こちらを振り向く。視界の先で距離を取りながら横目で見つめるハンターに向けて咆哮を上げるが、十分距離を取ったハンターに、その咆哮は届かない。土砂竜は頭飾りで地面を、すくい上げるように突進を始めると、その速度は徐々に増してゆく。勢いづいた突進は、避けようとしたハンターの身体をかすめ、通り過ぎて行く。かすめただけの衝撃だったが、その思いもしなかった威力に、身体ごと地面に叩きつけられ転がった先で、よろけながらも立ち上がる。もし、直撃していれば、ただでは済まされなかっただろう。焦る気持ちに、通り過ぎた先で、こちらを視界に捕らえながら、方向転換した土砂竜は、また突進を始める。勢いづいた突進に徐々に距離を詰められる。寸前まで迫った突進を横目に、砂地に飛び込む様に勢いよく跳躍したハンターの身体は、突進をギリギリでかわし、急には止まれない巨体は、進路の目の前にあった蟻塚にぶつかり、蟻塚は粉々に砕け散る。頭飾りはぶつかった衝撃に、よろけ、それを視界に捕らえたハンターは、武器を手に、一気に駆け出してゆく!そして、よろける後ろ脚に向けて渾身の一撃を放つ!その衝撃に耐え切れず、後ろ脚から横倒れになる巨体に重い一撃を浴びせる!だが、その衝撃に耐えた巨体は、立ち上がると、傍らに見えるハンターに怒りの咆哮を上げる!武器を振り下ろした反動に、間合いを取ることができなかったハンターは、咆哮をまともに受けてしまう!薄れた意識を取り戻しながら、広がってきたハンターの視界に、勢いづいた怒りの猛突進が目の前に来ていた!考える間もなく宙に投げ出されたハンター。…次に気が付いた時、視界に広がってきたのは、テントの天井だった。倒れた時運良く通りかかったアイルー達がここまで運んできてくれたのだ。天井を見上げながらハンターは、感じた。ちょっとした油断は、命取りになることを。大蟻塚の荒地。新大陸の恐ろしさをハンターは、改めて肌で感じるのであった。

【モンハンワールド】ブログ小説⑧

幻獣キリン#18

珊瑚の並木が揺れる、高所の頂きから下界を見下ろす幻獣は、伝説に語り継がれる幻の存在。美しく、なびかせる鬣から覗く一本の雷角は生命の象徴。頂きを目指すハンターは、珊瑚が連なる険しく切り立った崖にしがみ付き力強く、よじ登ってゆく。登り切った視線の先に静かに佇む幻獣と向き合う。武器を構え、走り出したハンターを視界に幻獣も左右に跳躍しながら前方に駆け出す。走り抜けて行く両者は、お互いを横目で確認する。走り抜けた先で、顔を振り向かせる幻獣は、視線の先のハンターに狙いを付ける。振り向くハンターも身体の向きを変え、距離の離された幻獣に向かって走り出す身体に、天から放たれた神の雷が襲い掛かる!その一撃は上空で閃光を放つと同時に、ハンターの身体を一瞬で貫き通す!その破壊力は強大で、凄まじい衝撃にハンターの全身に激痛が走り、周りの地面と共に激しく吹き飛ばされる!全身の痺れる様な激痛に耐え、立ち上がろうとするハンターの視界に、狙いを付け走り出した幻獣が迫ってくる!雷角が触れる寸前で、何とか、かわす事の出来たハンターは身体を翻し、傍らに見える角に向けて武器を力強く振った!その武器の矛先は幻獣の雷角を、かすり抜ける。直撃では無かったものの、弱点に、かすめられた衝撃に一瞬の隙が生まれる。素早く武器を持ち換えたハンターは傍らで怯む雷角に向け、もう一撃をお見舞いする!その衝撃に角が欠け、吹き飛んで行く!怯みながらも身体を翻した幻獣は、後方に立つハンター目掛けて後ろ蹴りを放つ!その思いがけない攻撃に避ける間もなくハンターの身体は宙を舞い、後方に吹き飛ばされる!地面とぶつかり倒れた先で再び起き上がったハンターの視界の先で帯電する幻獣は、青白い稲妻を身体にまとい、その瞳はハンターに向き合う。身の危険を感じながらもハンターは幻獣に向け、真っ直ぐ走り出す!その動きに合わせるかの様に幻獣も勢いよく駆け出す!迫ってきた幻獣に一撃を浴びせようと武器を構えるが、さらに増した、その速度に間に合わず、接触する身体は後方に吹き飛ばされる!地面を転がり、また立ち上がろうとする傍らで、青白く巨大な静電気を身体から、いくつも伸ばし始めた幻獣の姿が目に入ってきた。その帯状に広がった視界に確認できる程、巨大な静電気はやがて周りを取り囲む。珊瑚の並木が揺れる頂きで、逃げ場を失ったハンターに、神の裁きが下されようとしていた!

ゾラ・マグダラオス誘導作戦#19

前回の作戦の失敗により、今も歩みを進め続けている熔山龍は瘴気の谷を越え、地脈回廊を進んでいる。古代竜人の話では、このまま奴が進み続け地脈回廊の更に先、マグマが噴き出る大地で、生命が尽きれば大爆発が起こり、大陸はおろか、全世界が火の海に包まれてしまうという、そんな事になれば、この世界の生物ほぼ全てが生命の危機に侵されてしまう!失敗は許されない!支度を済ませた主人公達5期団は、総司令率いる調査団体と共に乗り込んだ船で拠点に到着する。今回の誘導作戦は、地脈回廊を進む熔山龍を進路の先にある、この拠点で撃退し進路を変えさせ、外海に逃がすというもの。ハンター達は、大まかに分けて背中に乗り込む部隊、外側から援護する部隊に別れ、行動する。いざとなれば総司令が用意してもらったという船の先端に付く巨大兵器、撃龍槍を放つという。作戦の再確認が終わる頃、地脈回廊を進む熔山龍が姿を現し出す。総司令の掛け声と共に、ハンター達は一斉に動き出す!翼竜に摑まり火山の様な背中に降り立ったハンターは、熔山龍が拠点にたどり着くまでの間に、少しでも弱らせる為、排熱器官を目指し、走り出す!岩肌からマグマが噴き出す悪路を進むと、巨大な岩の間から排熱器官が顔を出す。赤々とした排熱器官は時折、マグマを噴き出し、周囲を赤く染める。ハンターは、静まった時を見計らい器官を砕いてゆく。やがて器官は熱を排出する事を止め、黒々と染まってゆく。これで一つ目は完了だ。それを目に方向転換すると、目の前に切り立った様にそびえ立つ黒々とした溶岩の山が映る。それに、しがみ付くと力強く登り始める。噴き出すマグマをかわしながら、頂上まで登りきると、そこには、大きく口を開く巨大な穴の下に、爪の様に尖る赤々とした巨大な排熱器官が佇んでいた。静まった時を見計らい、その中に勢いよく飛び込んだハンターは、着地すると同時に受け身を取ると、赤々とした巨大な器官を砕いてゆく。飛び散ってくるマグマを振り払いながら、砕き切った排熱器官は、また黒々と染まる。武器をしまいながら、今回は順調に行きそうだ、と思った矢先、急に外が騒がしくなった。急いで崖を登り切ったハンターの視界に、またあの時の古龍が目に入ってきた!翼を大きく広げ、飛び回る古龍は外側から狙うバリスタ部隊を翻弄し、熔山龍の背中に急降下して行く。それを視界にハンターは、勢いよく走り出す!山を駆け下り、着地した先で、あの時の古龍と視線が向き合う!咆哮し、勢いよく駆け寄ってきた古龍は、腕の様な前脚をハンター目掛けて力強く地面に叩きつける!その勢いに腕の様な前脚に付く無数の棘が広範囲に飛び散る!ハンターは避けようとするが、勢いよく飛び散ってくる無数の棘を、かわせるはずもなく棘のいくつかが身体に突き刺さる!その痛みに耐えながら、回り込む様に走り出したハンターに、勢いよく駆け寄る古龍は、鋭い爪で力強く引っ掻いてきた!ハンターは身体を翻し、寸前で回避すると同時に武器を手に、古龍の懐に潜り込むと、顎の下からの顔を出す大きな角に向けて渾身の一撃を放つ!凄まじい衝撃に古龍は、うなり声を上げ、空へと飛び上がり、そのまま飛び去って行った。その後ろ姿を目に、ハンターは胸をなでおろすが、喜ぶのもつかの間、熔山龍が拠点に迫る!急ぎ、翼竜に摑まるとハンターは拠点へと向かう。飛び交うバリスタと砲撃に、びくともしない熔山龍。拠点に着地すると同時に、走り出したハンターも戦いに加わる!海に面した地脈回廊の最後の砦。失敗の許されない、世界の運命を賭けたハンター達の激しい死闘が幕を開ける!

【モンハンワールド】ブログ小説⑦

火竜リオレウス#16

古代樹の森。そびえ立つ巨木の高所、大空が見渡せる開けた陸地を寝床にする火竜は、赤い甲殻で身を包み、翼を広げ、大空を羽ばたくその姿は、【空の王者】とも呼ばれ、飛竜の代表的な存在とも言えるモンスターだ。巨木の高所へと向かうハンターは、大きな木の根が絡み合って出来た、高所へと続く斜面を登って行く。登り切った先で、ゆっくりと歩く空の王者と目が合ってしまう。見つめ合う両者、一瞬の静寂の後、火竜の咆哮が古代樹の森に響き渡る!開戦の合図だ!咆哮した火竜は、その翼を大きく広げ、羽ばたかせながら、ゆっくりと空に舞い上がる。その姿を視界に捕らえながら、武器を構え、回り込む様に走り出したハンターに向かって、火竜は薙ぎ払う様に前方広範囲に炎を吐き出す!突然の視界に入ってきた炎に慌てて体制を変え、寸前でかわしたハンターに生まれた一瞬の隙を、空の王者は見逃さなかった!目の前に吐かれた炎の奥から急激に迫ってくる大きな影は、炎を突き破り、鋭く尖った爪が目の前に現れる!ハンターは考える間もなく、かぎ爪の餌食となる!その鋭く尖った爪は身体を貫き飛ばし、後方に吹き飛ばされる!とっさに受け身を取り、立ち上がるハンターの身体を爪の毒が蝕む!その姿を静かに見つめる鋭い瞳。始まって間もない闘いの中、空中からの隙のない連続攻撃に、圧倒されるハンターの額に汗がにじむ。気を取り直し、走り出したハンターに、翼を大きく羽ばたかせ、息を吸う火竜の口から燃え盛る炎が顔を覗かせる。次の瞬間、勢いよく吐き出された業火球は、一直線にハンターに向かい飛んで行く!その直線的な攻撃に身体の向きを変え、火球をすり抜けるようにかわし、回り込む様に走り出したハンターの後方で、燃え盛る火球は地面に激しくぶつかる!その衝撃に地面の砕け散った岩と同時に火花が周りに飛び散ってゆく。視界をさえぎる大量の火花をかわしながら走るハンターの視界に、空中に飛ぶ鋭い爪を持つ脚が姿を現す。その脚に向かいハンターは、渾身の一撃を放つ!その凄まじい衝撃に耐え切れず、体勢を崩した空の王者は、落下し、地面に激しく叩き付けられる!横倒れになった巨体の傍らを通り過ぎ、頭部に狙いを付けたハンターは、手にした武器を一気に振り下ろす!叩きつけられた衝撃に耐え、立ち上がる火竜は、怒りの咆哮を上げる!それよりも速く距離を取って走り出していたハンターに、怒りの業火球が勢いよく吐き出される!古代樹の豊かな自然が広がる森の高所で、生死を賭けたハンターの激しい死闘が幕を開ける

角竜ディアブロス#17

荒地の砂漠。いくつかの大きな穴が開き、外の光が差し込める下層に広がる砂地帯。その地をゆっくりと歩き回る二本の大きな角を持つ角竜は、大きな身体を持ち全身を乾燥した硬い甲殻が覆う。その様子を草むらに身を潜め待ち伏せていたハンターの傍らを、大きな脚は音を立て通り過ぎてゆく。その後ろ向きになった姿に、勢いよく草むらから飛び出したハンターは、大きな股の下を潜り抜け、見えてきた顎を目掛けて、武器の矛先を叩きつける!その突然の衝撃に大きな両脚は後方に跳躍する。地面に着地すると同時に目の前に現れた侵入者に凄まじい咆哮を上げる!ハンターは間合いを取る為、走り出すが、広範囲に放たれる高鳴り声に逃げられるはずもない。怯むハンターを横目に回り込む様に歩き出した角竜は、止まると同時に方向転換すると、ハンター目掛けて、立派な二本の角を突き上げる様に突進する!その突き上げをまともに喰らい、ハンターの身体は全身の痛みと共に宙を舞い、砂地に落下する!地面とぶつかる衝撃に砂が空中に舞い上がる。身体の体勢が不安定なまま落下したハンターは、受け身を取ることが出来ず、ぶつかる衝撃をまともに受け、痛みに耐えながらゆっくりと起き上がる。だが、起き上がったハンターの視界に、角竜の姿が見当たらない!次の瞬間、砂地の地面が地響きを立て盛り上がりながら、ハンターに向かって猛突進を始め、ハンターの手前で、砂の中から二本の大きな角が、勢いよく飛び出してきた!その大きな角に、とっさに跳躍した身体を寝そべるように回避したハンターは間一髪で、その攻撃を逃れる。再び立ち上がり、角が飛び出して来た方角を横目で確認すると、方向転換した角竜がこちらに向かって猛突進を始める姿が目に入ってきた!まだ距離はあるが、走ったとしてもハンターの脚では、いずれ追いつかれてしまう!周りを見渡すと近くに巨大な岩があった。イチかバチかで走り出したハンターは巨大な岩を目指す!だが、両者の距離はどんどん縮まってゆく!巨大な岩を目の前に、大きな角がハンターの背後まで迫る!次の瞬間、角が触れる寸前で砂に飛び込む様に回避したハンターの傍らで、速度を制御できない程勢いづいた大きな角は、目の前の巨大な岩に激しい音を立て、勢いよく突き刺さる!立ち上がったハンターの傍らで、刺さった角を必死抜こうと、力強くもがく角竜の姿があった。それを視界に、武器を手に、傍らで、もがく立派な角に向けて、ハンターは、渾身の一撃を放つ!刺さった角は、傍らで放たれた凄まじい衝撃に、勢いよく吹き飛んでいく!この好機に、もう一本にも狙いを付けるハンターだったが、角竜の、角を引き抜こうとする必死の身動きに耐え切れず、巨大な岩は大きな音を立てながら崩壊する。角を一本折られた角竜の瞳は、目の前にいる侵入者をジロりと見下ろす。武器を持ち直し、傍らの巨体を見上げるハンターに、角竜は、怒りの高鳴り声を上げる!傍らで放たれた激しい咆哮に、又しても捕まってしまったハンターは、怯む視界に、砂の地面に勢いよく潜っていく角竜の姿を目撃してしまう。荒地の下層に広がる開けた砂地で、地面の下から侵入者を狙う、角竜の猛反撃が始まろうとしていた!

【モンハンワールド】ブログ小説⑥

風漂竜レイギエナ#14

珊瑚の並木が揺れる高所。美しい翼を持つ飛竜は、その翼を大きく広げ、身体に付く氷の結晶を散りばめながら、頂きから急降下していく。砂粒の様に細かい珊瑚の欠片が堆積する斜面。美しい翼を大きく広げ、ゆっくりと降りてきた風漂竜を、物影で待ち伏せていたハンターは、武器を手に、走り出す!斜面を滑り加速したハンターは、地面を蹴り、勢いよく跳躍する!空中で丸めた身体を軸に高速回転を始めた武器の矛先は、風漂竜の背中目掛けて連撃を放つ!突然の背中に走る衝撃に、慌てて飛び上がる風漂竜の背中に摑まるハンターは、飛び上がった背中にナイフを突き立てる!その痛みに振り落とそうと、もがく身体は珊瑚の壁に激しくぶつかり、珊瑚が大きな音を立て、崩れていく。その衝撃に振り落とされそうになりながらも、必死に耐え、刃物を背中に突き立てていく。幾度となく突き立てられる刃物に、背中の痛みは激痛に変わる!その痛みに体勢を崩し、地面に叩き付けられる風漂竜の傍らで、受け身を取り、走り出したハンターは、もがく頭部を目掛け、渾身の一撃を放つ!その凄まじい衝撃に、弱点の頭部を激痛が襲う!だが、ハンターは、この好機を逃さない!幾度となく繰り返される重い一撃に、ボロボロになりながらも、立ち上がった風漂竜は怒りの咆哮を上げる!その高鳴り声に怯むハンターを目の前に、風漂竜の身体は更なる冷気を帯び、やがて、その身体から生える氷の結晶は更に大きくなり、周りを取り巻く空気は凍えてゆく。ハンターは、その光景を前に、身体は凍え、吐く息は白く染まる。だが、額からは汗をにじませる。武器を握り締め、回り込む様に走り出したハンターを、鋭い眼光は逃さない!勢いよく地面を蹴り、宙返りした身体の回転で加速し、叩きつけられた長い尻尾は、ハンターの身体を力強く弾き飛ばす!その衝撃に耐え、立ち上がるハンターの身体を急激な寒さが襲う!その異変に自身の身体に目を向けると、身に付けている防具は氷の結晶が大量にこびり付き、冷気を放っていた。先ほど受けた風漂竜の凍てつく尻尾の一撃が、防具を一瞬で冷え固まらせた為だった。視線を戻すと、そこには空中に飛び上がり、大きく美しい翼を広げ、羽ばたく風漂竜の姿があった。次の瞬間、大きく羽ばたいた風漂竜から凍てつく氷の結晶が、ハンター目掛けて一斉に飛んでくる!回避行動を取ろうとするが、冷え切った防具に体温を急激に奪われたハンターは身体が思うように動かない!珊瑚が連なる斜面の高所で、風漂竜の凍てつく冷気が容赦なく襲い掛かる!

惨爪竜オドガロン#15

瘴気漂う奈落の底。獲物を求め彷徨う地獄の番犬は、薄暗い開けた場所を抜け、瘴気漂う中層部へと登って行く。その姿は返り血を浴びた様に全身を真っ赤に染め、大きく裂けた口から鋭く尖った牙が不規則に並び、脚から生える鋭く研ぎ澄まされた爪は二層に分かれ、標的にした者を一瞬で引き裂いてしまう。瘴気が支配する開けた通り道、無数の骨が散らばる場所に顔を出した地獄の番犬に先客のギルオス達が騒ぎ出す。そんな事はお構いなしの惨爪竜は、堂々とした態度で歩みを進める。その後ろ姿を目に武器を手に、走り出したハンター。後ろから近づいてくる聴き慣れない物音に振り向く血塗られた様に赤い頭部に渾身の一撃が放たれる!その衝撃に耐え、後方に力強く跳躍した惨爪竜に地面を詰めつくす様々な骨が音を立て飛び散ってゆく。地面に着地すると同時に鋭い眼光はハンターに向けられる。部外者に対し咆哮を上げた惨爪竜は、勢いよく駆け出すと素早い動きで一気に駆け寄り、その二層に分かれた鋭い爪で力強く引き裂く!ハンターはとっさに回避しようとするが、それよりも速く放たれた一撃はハンターの身体を激しく切り裂く!二層に分かれた鋭い爪に、切り刻まれる様な感覚と激しい痛みに襲われながら、後方に吹き飛ばされる!その衝撃に耐え、片膝を付きながら受け身を取るハンターの身体を異変が襲う!引き裂かれた傷口から流れ出す血が止まらないのだ。それを視界に駆け寄って来た惨爪竜は、鋭い爪で切り裂いてくる!その攻撃を何とか、かわすが大きく動いた身体から大量の血が噴き出す!その激痛に耐えながら、身体を翻したハンターは狙いを付け、頭部に武器の矛先を叩きつける!その衝撃に耐え切れず血塗られた様に赤く染まる頭部は、堆積した屍を飛び散らせながら、地面に横倒れる!すると、離れて威嚇していた群れが、横倒れになる地獄の番犬目掛けて勢いよく駆け寄り、一斉に襲い掛かる!惨爪竜と敵対関係にある彼らも、縄張りから邪魔者を排除したいのだ。その麻痺毒を持つ一斉攻撃に、惨爪竜の身体を麻痺毒が蝕んでいく。やがて麻痺毒は全身を廻り、惨爪竜は麻痺で身動きが取れなくなる。ハンターは身体に負傷を負いながらも、この好機に惨爪竜の頭部目掛けて渾身の一撃を放つ!引き裂かれた深い傷から大量の血を流しながらも、ハンターは攻撃の手を緩めない!全身の痺れが無くなるも、幾度となく繰り返された攻撃に、ふらつきながらも立ち上がった惨爪竜は怒りの咆哮を上げる!その咆哮に群れは足早に距離を取り、また威嚇を始める。大量に流れ出た血に体力を奪われてしまったハンターは動くことが出来ず、咆哮をまともに受け、大きく怯む。鋭い眼光は、その姿に狙いを付け、勢いよく飛びかかる!瘴気が漂い、屍で埋め尽くされた開けた通り道で、深い傷を負ったハンターの身体を瘴気が蝕む中、地獄の番犬の勢いづいた鋭い爪が襲い掛かる!

【モンハンワールド】ブログ小説⑤

痺賊竜ドスギルオス#12

瘴気の谷。瘴気に包まれる通り道には、大小様々な骨が、そこら中に散らばり、まるで死に場所を求め、集まったモンスター達の墓場の様だ。その瘴気が立ち込める中、群れを引き連れるモンスターの親玉は、少ない餌を求め徘徊する。その抵抗のない身体を、瘴気に蝕まれながらも、ハンターは、奥へと進んで行く。…しばらく進むと目の前に立ち込める瘴気の向こう側にギルオスの影が見えてきた。その影は、周りに見える影よりも一回り以上大きい。間違いない、ドスギルオスだ!その大きな影は、こちらに向かって、ゆっくりと進んできている。物影に隠れようと周りを見渡すが、身を隠す場所が見当たらない。このままでは群れと鉢合わせになってしまう。ならば方法はただ一つ!ハンターは、武器を握り締め、目の前の瘴気に向かって、勢いよく走り出す!身体を蝕まれながらも、瘴気の中を進んで行く。抜け出た先で黒く大きな頭が顔を出す!突然姿を見せたハンターに、周りの群れが騒ぎ出す、それよりも速く放たれた渾身の一撃は、黒く大きな頭に襲い掛かる!その凄まじい衝撃に痺賊竜は地面に激しく叩き付けられる!もがく痺賊竜に、周りの群れがハンターを取り囲むが、攻撃の手を緩めない!次々と襲い掛かってくるギルオス達をかわしながら、その頭部に重い一撃を浴びせていく!凄まじい衝撃に耐えながら、何とか起き上がった痺賊竜は、怒り、激しく威嚇する!武器を手に、群れの攻撃をかわしながら、回り込もうと動き始めたハンターに、狙いを付け、液の滴る大きく鋭い牙が、勢いよく襲い掛かる!その攻撃をかわそうと、回避行動に入るが、群れに阻まれてしまう。次の瞬間、勢いづいた大きく鋭い牙がハンターの身体を貫く!その凄まじい衝撃に後方に吹き飛ばされる。倒れたハンターは立ち上がろうとするが、全身が動かない!それも、そのはずだ。痺賊竜の牙を滴る、その液は、強力な麻痺毒!その鋭い牙をまともに受け、滴る液は、その傷口から体内をめぐり、全身を麻痺させる!痺賊竜は群れと共に、動く事が出来ないハンターを取り囲み、一斉に襲い掛かる!瘴気漂う屍の地。絶体絶命の中、痺賊竜達の猛反撃が始まる!

骨鎚竜ラドバルキン#13

瘴気に包まれる谷の上層部。色々な種類の屍が所狭しと散らばる開けた場所。甲虫カンタロスが骨の上をカサカサと音を立て歩き回る。上層部には、そういった開けた陸地が多い。そのエリアどうしを結ぶ大きな通路を、身体を丸め、転がりながら移動してくる巨大なモンスターは、開けた場所に降りてくると、身体に付く無数の骨をまき散らしながら、もの凄い音と地響きを立て、豪快に止まる。その衝撃に地面に散らばる無数の骨もあちこちに吹き飛ばされてゆく。ゆっくりと持ち上げられる大きな顎、全身を包む色々な種類の骨の数々は、硬く、自身の身を守る。その後ろ姿を視界に捕らえ、走り出したハンターは、斜面の多い、この地形を利用し、坂を滑り降りていく。武器を構え、滑り降りていく両脚に力を入れたハンターは、勢いよく跳躍した身体を丸め、空中で回転を始めた身体と外側の武器は速度が増してゆく。次の瞬間、高速回転する武器の矛先が、巨体の骨と激しくぶつかる!衝撃を受けた骨は、尻尾の先から胴体にかけて次々と砕かれてゆく!折れた骨がバラバラと音を立て地面に落ちていく光景を横目に、ハンターは着地すると同時に受け身を取り、斜面を駆け上がっていく。身体に付く骨の折れていく感覚にゆっくりと振り向く骨鎚竜の視界に、斜面を滑り降りてくるハンターの姿が映る。咆哮しようとする骨鎚竜よりも早く、跳躍し、空中で高速回転する武器の矛先は、骨鎚竜の頭部に激しい衝撃を与える!その衝撃に怯む巨体を容赦なく連撃が襲う!頭部から胴体にかけて放たれた連撃は、巨体に付く様々な骨を次々と砕き、骨鎚竜を包んでいた骨の半分近くが砕かれ、むき出しになった部分も、ちらほら顔を出す。怯む巨体の傍らで、たま受け身を取ったハンターは、むき出しになった黒い身体の一部に矛先を向け、一撃を放つ!普段は骨で覆っている部位でも、身体がむき出しになる今なら、確実にダメージを与えることが出来る!むき出しになった身体に衝撃が走り、一瞬怯むも、体勢を立て直した骨鎚竜は怒りの咆哮を上げる!その咆哮を傍らで受け、怯むハンターを横目に、骨鎚竜は屍の地面に潜りながら粘着質の身体をグルグルとかき回し始める。咆哮を受け、少しずつ意識を取り戻していくハンターの視界に、屍の地面から這い上がってくる骨鎚竜の姿が映る。這い上がって来た巨体には、頭から尻尾の先までびっしりと様々な骨が生え揃う。苦労して砕いてきた骨や、むき出しになった身体も包み込まれ、振り出しに戻されてしまう。武器を握り締め、走り出したハンターに狙いを付け、骨鎚竜は身体を丸め、勢いよく転がりだす!瘴気漂う谷の上層部。屍の散らばる開けた大地で、再び睨み合った両者は激しくぶつかり合う!