【モンハンワールド】ブログ小説㉒

炎王龍テオ・テスカトル#46

新大陸での調査を進めるハンターは、今回特定された古龍の居場所へと向かう。降り立った大地から見上げる空は噴煙が上がり、その地にぽっかりと開く大穴からは、熱気が充満し、地の色を赤々と発光させる火山地帯が覗き込める。その地へと足を踏み入れていくハンターは、袋から出したクーラードリンクを飲みながら、溶岩が溶け出し赤々と発光する狭い通り道を下ってゆく。奥には溶岩の冷え固まった開けた場所、その奥には果てしなく続く溶岩の海がどこまでも広がっている。溶岩の冷え固まった地面に佇み、大きな翼を休ませる古龍は、赤い甲殻に身を包み、頭部を覆う様に生える立派な鬣は王の証である様に気高く生え揃う。その地に足を踏み入れたハンターの視界の先に、熱風で鬣をなびかせる気高き王の姿が映し出される。向き合う王の激しい咆哮は、果てしなく続く溶岩の海へと響き渡ってゆく。熱風の中、視界の先から放たれた開戦の合図に、武器を握り締め、走り出すハンターに向けて炎王龍は灼熱の炎を勢いよく吐き出す!炎王龍の頭部の高さまである、吐き出された炎は地面を走る様に勢いよくハンターに迫ってくる!とっさに真横に転がった身体の傍らを通り過ぎる炎に、まとわり付いた凄まじい熱気がハンターに押し寄せてくる。蒸し焼きにされてしまいそうな熱気に、逃げる様に走り出したハンターを灼熱の炎が追いかけてくる!横目で見た視界に立つ炎王龍を見て、その状況を理解する。吐き出された炎は今も放出され続け、放出している頭部は、ハンターの逃げる方角に合わせて向きを変えてきているのだ。もし立ち止まろう物なら、その身体は一瞬にして跡形もなく燃え尽きてしまうだろう。だが、このまま走り続けたとしても、追いつかれ、燃やされてしまうのは時間の問題だ。走りながら考えるハンターは、ある事に気が付き、一つの考えが頭に浮かぶ。それは危険な賭けになるが、やらなければいずれ燃やされてしまう。額に汗をにじませながら覚悟を決めたハンターは、炎王龍に回り込む様に全力で走り出す!直線的に逃げるのをやめた分、炎の迫る速度は速くなる。迫ってくる炎に恐怖を感じながらを駆けてゆくハンターは炎王龍の傍らまで辿り着く。だが、振り向かれる頭部の方が一歩早い。このままでは辿り着く前に全身を焼かれてしまう。一か八か地面を力強く蹴ったハンターは身体ごと炎王龍に向かい飛び込んでゆく!それは、振り向かれる頭部を間一髪でかわし、懐に潜り込んだハンターのすぐ後ろの地面を、灼熱の炎が勢いよく焼いてゆく。ハンターの考えは放出口より後ろに回り込めれば炎をかわす事が出来るというものだった。一か八かの賭けだったが何とか成功する事が出来たハンターは、すかさず立ち上がり、見上げた視界に映る巨大な胴体に武器の矛先を力強く叩き上げる!勢いよく突き上げる様に下から叩き上げられた胴体は、悲鳴を上げる様によろめく。その姿に武器の持ち手に力を込め、もう一度勢いよく矛先を叩き上げる!だがそれは、駆け出し始めた後ろ脚を叩き抜け、空を切る。駆け抜けた炎王龍は振り返る視界の先に立つハンターに勢いよく飛び掛かる!向き直していたハンターは武器を腰に掛け、正面から迫ってくる姿に対し、真横に飛び込む様に回避する。その傍らに勢いよく飛び込んできた炎王龍は、力強い前脚で地面を砕き止まる。地面を砕かれた衝撃で、弾け飛んでくる岩石の欠片をかわしながら身体を翻したハンターは、傍らに見える隙の出来た胴体に向けて勢いよく矛先を叩き上げる!胴体にぶち当たる感覚に手ごたえを感じたハンターは、武器を持ち直し、もう一撃を放とうとするが、妙な違和感に捕らわれる。熱気の急激に強まる感覚に、戻し見た視界に映る炎王龍の姿に、思わず息を吞む。それは目の前に佇む炎王龍の全身が炎に包まれ、火だるまの様に燃え上がっているのだ。近くにいるだけで燃えて尽きてしまいそうな凄まじい熱気に、思わず距離を取ってしまったハンターを、視界の傍らで見つけた炎王龍は振り向き、見下ろす。溶岩の冷え固まった地面が広がる開けた陸地。周りには溶岩の海がどこまでも続く風景の中、全身に炎の鎧を身に付けた炎王龍の視界に捕らえてしまったハンターを、火力を更に高めた灼熱の炎が容赦なく襲い掛かる!

套龍ヴァルハザク#47

第3期団から寄せられた情報により調査を進めていた古龍の居場所が遂に特定された。翼竜に摑まり、この地へと降り立ったハンターは、様々な骨が散らばる開けた通り道を抜け、奥地へと進んでいく。酸の泉が自然に作られる開けた場所を抜け、腐れかけた台地の根を力強く搔き分けた先にある開けた場所へと辿り着く。そこには、様々な骨が所狭しと敷き詰められ、その中央には様々な骨が高々と積み重なった屍の山が聳え立っていた。足を踏み入れるハンターに、ギルオスの群れが騒ぎ出す。侵入者を取り囲んだ群れは、次々と飛び掛かっていく。攻撃をかわしながら、いつもより気性の荒い群れをよく見ると瘴気状態に陥っている。下手に攻撃を受け続ければ自分も瘴気状態に陥ってしまう。倒してしまうのが無難だ。そう思った時だった。周りの瘴気が急激に吸い上げられる様に聳え立つ屍の山へと集められてゆく。すると周りを取り囲む群れが急に苦しみ始め、やがて動かなくなる。まるで瘴気を吸い取られてミイラになってしまった様に…。次の瞬間、その屍の山はバラバラと音を立て、立ち上がっていく。その姿を見上げながら呆然と立ち尽くすハンターの視界に、その全貌が映し出される。表面は爛れた皮膚の様な皮に覆われ、そこからは二層に分かれた顎を覗かせ、穴の開いた翼を大きく広げる。死しても尚、生き続ける不死の怪物を思わせる様な悍ましい姿を見上げるハンターに、気付いた屍套龍は見下ろした先にいるハンターに向けて激しい咆哮を放つ!谷へと響き渡っていく程の激しい咆哮に、敷き詰められた骨達は揺れ重なり悲鳴を上げる。その咆哮をまともに受けたハンターは、鳴り響く声に意識が薄れる。叫ぶのを止め、ゆっくりと振り戻ってきた頭部は、ハンターに向き直す。ようやく薄っすらと戻ってきた意識、視界に映し出されたのは、目の前まで迫った屍套龍の二層に分かれる大顎だった!噛み砕く様に突如視界に現れた大顎に、考える間もなく嚙み飛ばされた身体は、防具を貫通してきた二層の大顎に、その身を貫かれ、激しい痛みと共に宙を舞い、落ちた先の地面で敷き詰められた骨を散らばらせながら転がってゆく。嚙み傷から流れ出る血を押さえながら立ち上がる視界の傍らに立つ巨体は、長く巨大な尻尾をハンターに向けて振り下ろす!痛みに耐えながらも、懐に向かって飛び込む様に跳躍した身体は、振り下ろされた尻尾と後ろ脚の間を潜り抜け、立ち上がった視界に佇む巨大な胴体に、構えた武器を力強く叩き上げる!だがそれは、爛れる様な皮に阻まれ、鈍い音を立て、止まる。懐からくる衝撃に、後方に跳躍した巨体は、地面に着地すると同時に前のめりに噛み付いてくる!倒れ込む様に迫る大顎に、とっさに転がった身体は、大顎は回避できたが前脚の目の前で止まってしまい、そのまま激突される様に前脚に弾き出される。巨体の範囲の広い攻撃に苦戦しながら、立ち上がった視界に屍套龍の口から勢いよく吐き出されてゆく圧縮された瘴気が襲い掛かる!為す術も無く押し流されてゆく身体は、骨の敷き詰められた地面を勢いよく転がった先で止まる。地面に手をつき、立ち上がろうとする身体を異変が襲う!全身に浴びせられた瘴気に体力が急激に奪われる。瘴気の谷。骨が敷き詰められた開けた奥地。身体を瘴気に蝕まれ、痛みに耐えながら立ち上がる視界に、周りの瘴気を勢いよく吸い上げていく屍套龍の姿が映し出される。

【モンハンワールド】ブログ小説㉑

上位キリン#44

珊瑚の並木が揺れる台地。高所の頂きから下界を見下ろす幻獣は、蒼角を掲げ、鬣をなびかせる。高所に聳え立つ険しい崖を登るハンターは、幻獣の住む頂きを目指す。崖に生える蔦を力強く摑みながら、雲を突き抜ける程高い崖を、這い上がる様に登り切った視界に、静かに佇む幻獣の姿が映し出される。一瞬の沈黙の後、武器を手に、走り出したハンターに高鳴り声を上げる幻獣。頂きで響き渡る高鳴り声は、下界へと降りてゆく。近づいて来るハンターに、勢いよく駆け出す幻獣は珊瑚の砂粒を蹴り上げながら、蒼角を突き出し、突進を始める。勢いよく正面に迫ってくる幻獣に、力強く振り切られた矛先は蒼角をかすめ、その衝撃耐えた幻獣はハンターの身体を突き飛ばす!突き上げられた身体は、後方に吹き飛び、落ちた先の地面を転がる。珊瑚の砂地に片腕を付け、立ち上がった傍らに立つ幻獣は、自分を取り囲むように落雷を落としてゆく。頭上の雲が光ると同時に落ちてくる落雷に、逃げる様に飛び込んだ身体の傍らで地面が音を立て、弾け飛んで行く。立ち上がりながら振り返り、目にした光景は、落雷が落ちたと思われる幻獣の周りに、えぐれた地面を作り出していた。いくつかの、えぐれた地面の中心に佇む幻獣は、ゆっくりと振り返り、静かにハンターを見つめる。危険を感じたハンターは、幻獣に回り込む様に走り出す!その直後、高鳴り声を上げた幻獣は、狙い落す様にハンターに向けて巨大な稲妻を落す!薄々感づいていたハンターは、光った瞬間に合わせて飛び込む様に跳躍する。倒れ込む様に地面に滑り込んだ身体の傍らに落ちてきた巨大な柱の様な稲妻は地面を爆発した様に激しく吹き飛ばし、直撃は間逃れたものの傍らに倒れ込む身体は、弾け飛ぶ珊瑚の砂粒と共に吹き飛ばされ、地面を転がる。起き上がる視界に帯電し、青白い電気を身にまとう幻獣の姿が映し出される。視界の先で佇む幻獣を中心に、周りへと伸びてゆく肉眼でも確認できる程の青白い電気の帯に、ハンターの脳裏にあの時の光景が蘇り、思わず息を吞む。珊瑚の並木が揺れる高所。雲海を見渡せる頂きで、伸びてくる青白い電気の帯は、ついにハンターの脚元へ到達する。

鋼龍クシャルダオラ#45

古龍の代表的な存在とも言える鋼龍は、行動範囲が広く各地で目撃されている。調査を進める内、この新大陸でも痕跡が見つかり、遂に居場所を特定する事が出来た。翼竜に摑まりこの地に降り立ったハンターは、溶岩の冷え固まった地面を駆け抜け、高所を目指す。噴煙上がる大空を見渡せる開けた高所。溶岩の冷え固まった地面から無数の小さな結晶が連なり生える。溶岩の冷え固まった地面から生える小さな結晶を踏み歩く四つ脚は、ゆっくりと巨体を揺らしながら散歩をする。頑丈な鋼に包まれた大きな身体からしかやかな尻尾を生やし、胴体から生える巨大な翼は、羽ばたく度に強風を発生させる。その地に足を踏み入れたハンターの視界の先で、見上げる程長い首の先に付く頭部から青い瞳が見下ろす。立ちはだかる視界の先の強敵に走り出したハンターに、古龍の咆哮が大空を駆け巡る。ビリビリと伝わってくる咆哮を肌で感じながらも、怯む事無く結晶の生える地面を駆けていく。叫び終わり、振り向き直す頭部の傍らまで辿り着いたハンターは、鋼の頭部に向けて、構えた武器を勢いよく振り下ろす!だがそれは、鋭く睨んだ様に見えた瞳に、矛先が振り下ろされる直前で蛇行する様に動いた巨体の前脚に阻まれ、突き飛ばされたハンターは転がった地面に脚具を突き立て、滑り止める様に受け身を取り、立ち上がる。衝撃は少なかったとはいえ、巨体に似合わない俊敏な動きは厄介だ。再び走り出そうとする視界に、鋼龍の大きく開いた口から勢いよく放たれた圧縮された空気の塊は地面の結晶を弾き飛ばしながら、ハンターへと勢いよく飛んでくる!直線的に放たれた空気弾に、真横に転がりかわした身体の傍らを、空気の塊は勢いよく通り過ぎてゆく。だが、空気の塊にまとわりつく風の勢いは、強風にも匹敵する程強く、いきなり吹き荒れる強風に屈み、身動きが取れなくなってしまったハンター目掛けて勢いよく飛び掛かる鋼の牙は、その身体を噛み付き飛ばす!無防備な身体を守る防具を貫き、身体に突き刺さる鋼の牙。飛び掛かってきた勢いで空中に弾き飛ばされた身体は、落ちた地面の結晶を砕き、砕け散った結晶の欠片は勢いよく飛び散り防具の隙間から入り込むと身体に突き刺さり、転がる。嚙み傷と、結晶の刺さる痛みに耐えながら、立ち上がるハンター。視界を戻すと傍らに立っていた鋼龍が横目で見下ろす。振り向きざまに薙ぎ払う様に口から放たれた圧縮された空気に、逃げる間もなく捕まったハンターの身体は、大きくのけ反る様に尻餅を付いてしまう。その姿を見下ろす鋼龍は、翼を大きく広げ、風がその翼をなびかせてゆく。ハンターは、見上げるその姿に風を操っている様な感覚を思わせられていた。次の瞬間、大地を力強く蹴り、跳躍した巨体は風を巻き上げる様に回転しながら大空へと舞い上げる。それに寄り添うように力強く回転しながら巻き上げられた風は、一瞬にして巨大な竜巻へと姿を変える。突如、目の前で起った天災に、為す術も無く呑み込まれてゆくハンターに、巻き上げられてゆく岩や結晶がぶち当たる。油断すれば自分も一瞬で吹き飛ばされてしまう状況に、必死になって地面にしがみ付く。無数の小さな結晶が連なり生える高所。突如襲い掛かってきた天災に呑み込まれ、眼も開けられない程に吹き荒れる巨大な竜巻の中で必死になって地面にしがみ付くハンターを、大空へと舞い上がった鋼龍は、鋭く睨み、急降下する!

【モンハンワールド】ブログ小説⑳

滅尽龍ネルギガンテ#42

新大陸に渡り、調査を進めていた古龍の居場所がついに判明する。生態研究所を後にしたハンターは、翼竜に摑まり、結晶の連なる大地へと降り立つ。見上げると、噴煙の上がる空が広がる開けた場所に、大きく口を開ける暗がりの入り口。奥へ進むと一面を結晶が覆う開けた場所へと辿り着く。凹凸の激しい地形には、針の様に鋭く尖る結晶が連なり生え揃う。視界の先で聴こえてくる物音に目を向けると、暗がりから白く染める鋭く長い棘を、全身に生やす巨体が、近づいて来る。それは、熔山龍との闘いで現れた、あの古龍だった。武器を構えるハンターに、向き合った滅尽龍は激しい咆哮を上げる!その咆哮は、一面に生え揃う結晶を震わせ、響き渡る雄叫びを肌で感じながら、武器を握り締め、走り出す!凹凸のある地面を越え、駆けて抜けて来るハンターに、力強い四つ脚は簡単に詰め寄り、前脚で地面を削り、勢いよく引っ搔き上げる!とっさに真横に転がり、寸前でかわしたハンターの傍らを大爪が通り過ぎ、砕き飛ばされた地面の欠片が、腕具をかすめ、通り過ぎてゆく。あの大爪をまともに受け、引き裂かれれば、ただでは済まされないだろう。前脚の外側に転がり立ったハンターは、そこから見える脇腹に向けて矛先を力強く振り切る!次の瞬間、脇腹の目の前に折り畳まれた翼は地面に付けられ、滅尽龍は内側から翼を力強く押し付けながら近づく。内側から押し付けられた鋭い棘が立ち並ぶ翼は、溶岩が冷え固まって作られた地面をいとも簡単に磨り潰す様に、勢いよく押し迫る!それはまるで、剣山の壁が勢いよく迫ってくる様な感覚に捕らわれてしまう。次の瞬間、目の前から迫ってくる白く染まる剣山に、その身を貫かれ、力強く押し上げられた身体は、宙を舞い、防具を貫通して来た無数の棘に全身を串刺しにされた様な激痛が走り、押し飛ばされた先の地面を転がる。全身を流れ出る血と貫かれた痛みに耐え、よろけながらも立ち上がろうとする身体に、力強く駆け寄って来た滅尽龍は、強靭な前脚を振り上げると見下ろした視界に映るハンター目掛けて、前脚を勢いよく振り下ろす!見上げる先の光景に、傷付いた全身に力を込めて、振り絞る様に転がった傍らに、振り下ろされた強靭な前脚は、地面を粉々にする破壊力を見せつけ、叩き付けられた衝撃で前脚に生える無数の棘が一瞬にして弾け飛ぶ!勢いよく弾け飛んだ無数の棘は傍らに転がった身体に突き刺さる!突き刺さる棘を抜いた傷口から血が滴り落ち、更に増す痛みに耐える呼吸は荒くなっていく。破壊力と隙のない攻撃に追い詰められていくハンター。回避したところを攻撃され、攻撃するにも凹凸の地形に慣れている滅尽龍に分がある。全身に傷を負い絶望的な状況で、ある考えが頭をよぎる。それは危険な賭けだが、この状況では他に方法がない。闇雲に動き回っても倒されるのは時間の問題だ。覚悟を決めたハンターに、トドメを刺しに来た強靭な前脚が勢いよく振り下ろされる!その姿に対し、懐に飛び込む様に跳躍した身体は脇腹と後ろ脚の間を飛び抜け地面に転がる。後方に転がり抜けた身体を叩きつける様に強靭な尻尾が勢いよく振り下ろされる!頭上から降りてくる尻尾を、転がった身体は寸前でかわし、走り抜けた先にある坂を駆け上がり、身体を翻すと、武器を握り締め、勢いよく滑り降りていく。振り返り、滑り降りてくるハンターに狙いを付けた滅尽龍は、振り上げた強靭な前脚を勢いよく振り下ろす!振り下ろされる強靭な前脚を目に、力強く跳躍し、丸めた身体は空中で回転を始め、その外側に構えた武器は勢いよく大回転する!地面に叩き付けられた強靭な前脚から放たれた無数の棘がハンターに襲い掛かる!だが、高速回転する武器の矛先が無数の棘を弾き飛ばしてゆく!棘の嵐を通り過ぎた先に巨大な二つの角が現れる。高速回転する武器の矛先は巨大な角に幾度となく連撃を繰り出していく!ハンターの思いついた考えは、攻撃と防御を同時に行える、この捨て身の策だった。その凄まじい衝撃に、唸り声を上げる滅尽龍の巨大な片角は砕き飛ばされ、受け身を取り、傍らに着地したハンターは、傷口をかばいながら見上げた視界に立ちはだかる滅尽龍の姿に驚かされ、思わず息を吞む。そこには、全身に生える白い棘を、黒々と染め、棘を更に鋭く長く尖らせた滅尽龍の姿があった。向き合った滅尽龍は激しい咆哮を上げると、翼を大きく広げ、力強く跳躍した巨体は空高く舞い上がり、黒々とした剣山の塊は、全てを呑み込む様に急降下する!咆哮に怯む身体は、必死で意識を集中させ、覆いかぶさってくる巨大な剣山を前に、振り絞る様に跳躍し、前のめりに倒れ込む形で飛び込んだ身体は、剣山の塊を寸前でかわし、すぐ後ろで、爆発が起きたかの様な轟音が走り、辺り一面に飛び散る地面の先で結晶の壁が粉々に砕かれ、破片が広範囲に飛び散ってゆく。轟音と共に勢いよく飛び散ってくる破片を這いつくばる様に凌いだハンターは、振り返った先に広がる恐ろしい光景に目の当たりにする。溶岩が冷え固まった地面は、辺り一面を激しくえぐられ、その上を砕け散った結晶が敷き詰められた様に散らばり、結晶の壁が粉々に砕かれた先に出来上がった大穴は砂煙に覆われ、煙幕が立ち込めたように暗がりを覆う。晴れてくる砂煙の中からゆっくりと姿を現す巨大な黒い影は、暗がりから勢いよく飛び出してくる!一面を覆う美しい結晶が瓦礫と化した、凹凸の地形が広がる開けた場所。暗がりから顔を出す巨体に、傷を負うハンターは、武器を握り締め、また走り出す!

ディアブロス亜種#43

荒地の砂漠。下層に広がる洞窟内の砂漠の奥には、砂が滝の様に流れる落ちてゆく光景が周りを包み込む開けた砂地がある。そこへ続く一本の坂道を下ってゆくハンターは、降り立った先に立つ、全身を真っ黒に染める角竜を視界に捕らえ、向き合った角竜は激しい咆哮を上げる!その激しい咆哮は洞窟内に響き渡り、砂の滝が揺れ動く。大地の揺れ動く咆哮を肌に感じながら、角竜に向かって走り出すハンターを、視界に捕らえる角竜は、黒々とした巨大な二本角を掲げ、勢いよく突進していく。迫ってくる正面からの突進に真横に転がったハンターに合わせ、湾曲する様に曲がってきた突進は、地面に転がった身体を砂ごと、すくい上げる様に勢いよく突き飛ばす!二本の巨角をまともに受けた身体は、激痛と共に突き飛ばされた先で、砂を舞い上げながら地面を転がる。勢いを殺す事無く向きを変えながら突っ込んできた突進に驚かされながら、激痛に耐え、立ち上がろうとする傍らに手を付き、冷や汗が出る。手を付いた傍らには砂の滝が流れ、横目で覗いた滝壺は確認できず、砂が暗闇に無限に呑み込まれてゆく。転がり止まるのがあと一歩遅ければ、底なしの闇の中へ引きずり込まれ、命は無かっただろう。自然に出来た奈落へ通じる落とし穴に、思わず息を吞む。気を取り直し、立ち上がり戻した視界に、取り囲むように力強く歩く巨体は、ハンターを見下ろしながら狙いを付ける。次の瞬間、勢いよく突き出された二本の巨角に、とっさに転がった身体は、突き上げる様に振り上げられた巨角を寸前でかわし、懐に潜り込んだハンターは、目の前にある柔らかい腹部に武器の矛先を振り切る!だがそれは、鈍い音を立て、叩き抜けた矛先は地面に沈む。その一部始終を目の前で見たハンターは、汗をにじませる。腹部に放たれた一撃は、突き振り上げられた巨角の、前に進もうとする勢いを押し殺し、真逆の後方に力強く跳躍し、後方に着地した身体の頭部に掲げられた頑丈な巨角に命中した為だった。俊敏性と破壊力を兼ね揃えた亜種は、原種の角竜をはるかに上回る事に気付かされ、恐怖する。弾かれはしなかったものの、また目の前に掲げられた巨角は勢いよく突進を始める!真横に転がり寸前でかわした身体の傍らを、砂の滝に吸い込まれる様に、勢いよく飛び込んで行った角竜を横目で捕らえたハンターは、飛び込んで行った砂の滝に気を配りながら、後ずさる。だが、滝の後ろからハンターを捕らえる瞳は、背後に狙いを付ける。荒地の下層に広がる砂漠。砂が滝のように流れ落ちる開けた砂地。ハンターの警戒するのとは真逆の砂の滝から、勢いよく飛び出してきた二本の巨角は、背後を狙って襲い掛かる!

【モンハンワールド】ブログ小説⑲

リオレウス亜種#40

龍結晶の地。噴煙が上がる空が覗く、洞窟にある火山地帯。壁際からあふれ出してくる溶岩は小さな滝の様にも見える。熱気の充満する開けた場所で、蒼き甲殻に身を包む火竜は、大きな翼を休め佇む。空が顔を出す斜面を滑り降り、その地に足を踏み入れたハンターは、視界の先で蒼き翼を休め佇む火竜の姿を目撃する。武器を手に走り出したハンターに向き合った蒼火竜は、現れた侵入者を鋭く睨み、咆哮を上げる!火山地帯に響き渡る咆哮は、噴煙の上がる空へと通り抜けてゆく。視界の先で放たれた咆哮を肌で感じながら、回り込む様に走り出したハンターに、詰め寄る様に近づいてきた蒼火竜は、傍らに立つハンターに向けて蒼く染まる尻尾を力強く振り回す!近づいてくる尻尾に対し、前転した身体は、勢いよく振り回された尻尾の下を潜り抜け、身体ごと回転させていた、蒼き頭部が振り戻ってくる姿に向けて、矛先を合わせる。だが、頭部に叩き付けられる寸前で、口から勢いよく吐き出した業火球の地面にぶつかる反動を利用した蒼火竜は、矛先をかわすと同時に地面を蹴り、跳躍した身体は宙を舞い、空中で蒼き翼を大きく羽ばたかせる。ハンターの目の前で地面にぶつかった業火球は爆発を起こし、地面を弾き飛ばす!直撃は逃れられたが、弾け飛ぶ爆発に巻き込まれ、地面を転がる。立ち上がった視界の先から、勢いよく飛びかかってくる鋭い爪が視界に映り込み、とっさに真横に転がる。鋭い爪は傍らを通り過ぎ、その勢いに熱風が防具の隙間を通り過ぎてゆく。反撃に転じようと振り返った目の前に迫る勢いづいた鋭い爪は、ハンター胴体を貫き、引き裂き飛ばす!考える間もなく空中へ投げ出された身体は、胴体に走る激しい痛みと共に勢いよく弾き飛ばされ、落ちた先の地面を転がる。痛みに耐えながら立ち上がろうとする身体に、異なる痛みがハンターを襲う!それは、蒼火竜の鋭い爪が持つ、火竜の毒だった。胴具を貫通して来た鋭い爪は、胴体に突き刺さり、爪先に着く毒を貰ってしまったのだ。傷の痛みと毒の痛みに蝕まれ、よろけながらも立ち上がったハンター。隙のない空中からの連続攻撃、空の王者以上の猛攻撃に、圧倒されてしまう。このままでは遅かれ早かれ倒されてしまう事は目に見えている。焦る気持ちを抱きながらも、空中で羽ばたく蒼火竜を視界に捕らえながらハンターは壁に向かって走り出す!追ってくる蒼火竜は、ハンターの背中目掛けて勢いよく飛びかかってくる!タイミングを見計らい、真横に転がって回避したハンターの傍らを通り過ぎた蒼火竜は、勢いを殺せず、その先にある壁にぶち当たり体勢を崩す。身体を翻したハンターは、その姿を目に、構えた武器を勢いよく叩きつける!武器の矛先は鋭い爪を叩き抜け、その衝撃によろけるが、すぐに体勢を立て直した蒼火竜は、傍らに立つハンターを見下ろし、怒りの咆哮を上げる!噴煙上がる空が覗く火山地帯。激しい咆哮を傍らで受け、身動きの取れたくなったハンターを、空中からの激しい猛攻撃が幾度となく襲い掛かる!

爆鱗竜バゼルギウス#41

龍結晶の地。噴煙上がる大空が見渡せる開けた高所。溶岩の冷え固まった地面からは、あちこちから小さな結晶が連なり生え揃う。大空から降りてくる巨体は、巨大な翼を大きく広げ羽ばたき、ひし形の様な鱗に覆われた頭部と尻尾の下には沢山の黒々とした果実の様な鱗がぶら下がる。巨大な羽ばたきに、開けた高所を暴風が吹き抜け、降り立った巨大な脚は地面に生える結晶達を砕いてゆく。岩陰からそれを見ていたハンターは、武器を手に巨大な後ろ姿に向かい、走り出す!地面を駆ける脚具が、小さな結晶を砕いていく音を聴き、巨体の頭部がゆっくりと振り向く姿に、地面を転がり、懐に潜り込んだハンターは、巨体の視界に捕らわれる事なく、音の異変を感じ、周りを見渡す頭部を下から突き上げる様に、勢いよく矛先を叩き上げる!顎下に叩き上げられた矛先は、たわわに実る黒々とした果実の様な鱗を激しく揺らし、千切れた無数の果実はボトボトと音を立て地面へと落ちてくる。突然走る下顎の痛みに、後方へ跳躍した巨体は、着地し見下ろした視界に現れるハンターに向けて激しい咆哮を放つ!噴煙の空へ響き渡る程の激しい咆哮は、大地を揺らし、回避しようと走り出したハンターの脚を竦ませる。だが、それだけでは済まされ無かった。咆哮に竦むハンターの足元に散らばり落ちた、黒々と染まる爆鱗竜の鱗が、咆哮の衝撃を受け、一斉に赤々と発光し出す。次の瞬間、発光した鱗は爆発する様に一斉に弾け飛ぶ!いくつもの爆発を同時に受けたハンターは、その凄まじい衝撃に、宙を舞うと同時に全身が千切れる様な激しい痛みに襲われ、吹き飛んだ先の地面を転がる。爆発の範囲は狭いが、その一つ一つは凝縮された爆弾の様な破壊力を持ち、それを無数に受けたハンターは、全身がバラバラになる様な痛みに、歯を食いしばりながら、這い上がる様に立ち上がる。こんな凄まじい破壊力の爆弾は、何度も喰らえる様な物ではない。慎重に立ち回らなければ、一瞬にして命を奪われる事だろう。思わず息を呑んだハンターの視界の先で突進を始めた爆鱗竜が勢いよく突っ込んでくる!とっさに転がった傍らを通り過ぎた巨体は、大きな脚で力強く立ち止まると、尻尾を勢いよく振り上げ、後方で立ち上がったハンターの頭上で尻尾を震わせる。すると尻尾の下に付く黒々とした果実がハンター目掛けて落ちてくる。それを見たハンターは、さっき起った状況を思い出し、離れようと勢いよく駆け出していく!その直後、振り下ろされた尻尾は、落ちてゆく黒々とした無数の果実を叩き抜け、触れた果実は赤々と発光しその場で爆発すると同時に飛び散ってゆく!それよりも一歩早く動き出していたハンターは、寸前でかわした身体を翻し、視界に捕らえた頭部に矛先を振り切ろうとするが、振り向いた首元から落ちてくる黒々とした果実に、攻撃の手が止まる。その姿に巨体は、のけ反った身体を勢いよく叩きつけてくる!大振りな体当たりに対し、地面を転がった身体の上を巨体が勢いよく通り過ぎてゆく。だが、全身の振られた勢いに、黒々とした果実がまた降ってくる。大きな股下を潜り抜け、巨体の後方に出てくるハンター。攻撃しようにも落ちてくる無数の時限爆弾に手も足も出ない。何か別の方法を考えなくては…そう思い、もう一度爆鱗竜に向き直したハンターは、ある事に気が付く。前よりも、ぶら下がる果実が、明らかに少なくなっている。それは、無数に生える果実にも限りがある事を現していた。なら方法はただ一つ!後方に立つハンターに振り上げた尻尾から黒々とした果実を落としてゆく。それをかわしながら爆鱗竜に回り込む様に走り出したハンターは、側面に立ち止まり攻撃を誘う。その姿に巨体を大きくのけ反らせ、体当たりを放つ爆鱗竜は、大きく振られた身体に付く黒々とした果実を大量に落とす。大振りな攻撃を転がりながら易々とかわしたハンターは、顎下を横目で確認する。すると、始めはたわわに実っていた果実が、今は数えられるだけしかぶら下がっていない。今なら千切れ落ちてきたとしても、簡単にかわせる。ハンターは、この好機に、振り向く頭部を目掛けて武器の矛先を力強く振り下ろす!矛先は、巨大な頭部を激しく叩き付け、地面に叩き付けられた頭部は、結晶を砕き飛び散らせる!手ごたえを感じ、よろける姿に持ち直した武器を振り上げ、もう一撃を放つが、体勢を立て直そうと動く頭部をかすめ抜け、地面を叩きつける。ハンターは、持ち直した武器を手に、視界を戻した目の前に立つ爆鱗竜の姿を目にし、驚く。頭部は赤々と発光し、ほとんど千切れ落ちたはずの果実は、また、たわわに実り、その色を赤々と発光させている。目の前に佇むその恐ろしい姿に、危険を感じ、離れようと走り出すハンターに向けて、爆鱗竜の怒りの咆哮が響き渡る!噴煙立ち昇る大空を見渡せる開けた大地。激しい咆哮に立ち竦むハンターの頭上から、赤々と発光した果実が次々と千切れ落ちる!

【モンハンワールド】ブログ小説⑱

爆鎚竜ウラガンキン#38

龍結晶の地。溶岩が冷え固まり作られた、開けた斜面は湾曲した壁に覆われる。大空が覗く、この場所を好む巨体は、背中には転がる事に適した柱が生え揃い、叩きつける事に適した大顎は対象物を粉々に粉砕する。斜面を滑り降りてくるハンターは、武器を手に、下った先でゆっくりと佇む巨体に向かって力強く跳躍した身体を丸めると、空中で回転を始めた身体の外側を回る武器は、それと同じ方向に大回転を始める。佇む頭部に向かって叩き付けられた矛先は、頭部から後ろ脚に掛けて連撃を繰り出してゆく。幾度となく繰り返される衝撃に、頑丈な巨体も、よろめきを見せる。揺れ動く脚に叩き付けられた連撃のトドメは、叩き抜けた先の地面を砕き、岩石を飛び散らせる!持ち直した武器を構えた視界に、体勢を立て直した巨体は大顎を振り上げる。その動作に危険を感じたハンターは、武器を腰に掛け、その場から離れようと一気に駆け出すが、傍らに、隕石の様な大顎が勢いよく落ちてくる!大顎は地面へ叩き落されると同時に地震が起きた様な凄まじい揺れを起こし、大きく砕かれた地面は、大量の岩石を勢いよく飛び散らせる!傍らで起きた大地の揺れに、脚を取られ、うずくまるハンターを砕かれた岩石の欠片が大量に襲い掛かってくる!勢いよく飛んでくる岩石の欠片を大量に浴びた身体は、弾き飛ばされ、地面を転がる。揺れが収まり、全身にぶつけられた岩の痛みに耐えながら、立ち上がった視界の先に、半球状に大きな穴が出来上がっていた。それは、溶岩が冷え固まって出来た硬い地面を、易々と破壊するだけの凄まじい威力を持っている事を物語っていた。あの攻撃をまともに受ければ、命はない。ゾッとする様な考えが頭をよぎり、思わず息を吞む。視界の先でゆっくりと持ち上がる大顎は、ハンターに向き直し、前転する様に身体を丸めると、勢いよく転がり始める!轟音を立てながら、転がり迫る巨体に対し、真横に飛び込む様に跳躍した身体の傍らを、巨体が勢いよく通り過ぎてゆく。飛び込んだ先の地面に倒れ込む様に着地した身体の傍らに、巨体から零れ落ちてきた赤々とした甲殻の塊が転がってくる。次の瞬間、その塊はハンターの傍らで爆発し、衝撃を受けた身体は、弾き飛ばされた先で地面を転がる。爆発する甲殻の塊を知り、痛みに耐え、立ち上がった視界の先で、顎を地面に叩きつけ地響きを立てながら止まる爆鎚竜の姿があった。坂の上まで転がり着いた姿に向かい、走り出したハンターは、力強く坂を駆け上がってゆく。その姿を見下ろす様にゆっくりと振り向いた爆鎚竜は、駆け上がって来るハンターに向けて、脚を軸に大きく回転させた身体に生える巨大な尻尾は、振り回される勢いに、身体に付く赤々とした甲殻の塊をまき散らす。これは先程、爆発した塊と同じ物だと分かり、落ち転がってくる塊を慎重にかわしながら駆け上がっていく。その後方で、転がり落ちていく赤々とした塊が音を立て、次々と飛び散ってゆく。回転を終え、深呼吸を始めた巨体の傍らまで登り着いたハンターは、武器を構えた勢いで力強く矛先を振り切る!放たれた矛先は、大きな脚を横殴るが、頑丈な脚はビクともしない。次の瞬間、爆鎚竜の身体から燃え盛る炎が吹き荒れる!巨体を中心に噴き出した炎は、一瞬にしてハンターの身体を包み込む!炎に包まれた身体は、勢いよく吹き飛ばされると同時に、焼かれる痛みを全身に受け、地面を転がる。燃える暑さに耐えながら、よろける身体に力を入れ、立ち上がるハンター。燃え残る炎を払い除けながら戻した視界に、身体を丸め、勢いよく転がってくる爆鎚竜の姿が映し出される。溶岩が作り出した斜面の地形で、全身に火傷を負ったハンターに、トドメを刺す様に勢いよく転がる巨体が襲い掛かる!

溶岩竜ヴォルガノス#39

龍結晶の地。熱気が充満する火山地帯を進んで行くハンターは、袋に入れてきたクーラードリンクを飲みながら、更に奥地を目指す。溶岩が滝の様に流れ出る光景が広がる奥地に辿り着いたハンターは、溶岩が冷え固まった広い足場に足を踏み入れる。黒々と固まる足場にはいくつかの大きな穴が開き、そこから赤々とした溶岩が煮えたぎる。次の瞬間、その大穴の一つが、大きな音を立て大噴火する!大量に飛び散ってくる溶岩に身体をかばいながら、戻し見た視線の先に、全身を溶岩で覆った巨大な魚竜が佇んでいた。先程の噴火は奴が飛び出して来た為に起きたものだった。足場に降り立った魚竜に向けて走り出したハンターは、物音に気付き振り返る赤々と発光した、溶岩の頭部に武器の矛先を勢いよく叩きつける!叩き付けられた溶岩の甲殻は、内側にある頭部まで衝撃を与え、のけ反る姿に手ごたえを感じ、持ち直した武器をもう一度頭部に向けて、勢いよく振り切る!だが、武器を矛先は頭部を確実に捕らえるも、鈍い音を立て弾かれてしまう。弾かれた反動に体勢を崩し始めた視界に、映り込んできた頭部を見て気付かされる。さっきまで赤々と煮えたぎる様に発光していた頭部は、一変して黒々と染まっていた。それは、冷え固まった溶岩の様に黒く硬くなっていたのだ。今度は逆にのけ反る姿になってしまったハンター目掛けて、巨体を勢いよく真横に回転させた後ろに付く巨大な尻尾が、力強くぶち当たる!全身に走る凄まじい衝撃に、弾き飛ばされた身体は、宙を舞い、転がった先の地面で止まる。防具に守られているものの、それを超えてきた衝撃に、全身が悲鳴を上げる。よろけながら立ち上がろうとする傍らを見て、硬直する。手を付いた傍らに大きな穴が口を開き待っていたのだ。大穴の中では溶岩がぐつぐつと煮えたぎっている。転がり止まるのが、あと一歩遅ければ、その中に落ちていた。そうなれば溶岩に呑み込まれ、跡形もなく溶かされていただろう。ゾッとする様な考えを巡らせながらも、震える身体に活を入れ、また走り出したハンターに向けて身体をのけ反らせ出した溶岩竜は、いっぱいになるまで膨らませた口から、赤々と煮えたぎる溶岩を覗かせる。次の瞬間、勢いよく吐き出された巨大な溶岩の塊は、ハンターを覆いかぶさる様に飛んでくる!あまりの大きさに危険を感じ、真横に飛び込む様に跳躍した身体の後ろに落ちてきた巨大な溶岩の塊は、地面と接触すると同時に爆発が起きたように破裂し、勢いよく飛び散ってゆく!距離は取れていたはずだが、予想以上の爆発に巻き込まれた身体は、地面を転がる。爆発の衝撃に耐えながら起き上がる身体を守ってくれた防具を見て、驚く。爆発により飛んできた溶岩が付着した部分は、焼ただれ、変形してしまっている。爆発の起きた中心に目線を向けると、黒々とした溶岩の冷え固まって出来ていた足場は、大穴を開き、中から煮えたぎる溶岩が顔を覗かせている。それは、溶岩竜が吐き出した赤々と煮えたぎる溶岩の塊が、一瞬にして、冷え固まって出来た足場を溶かし切った事を物語っていた。あの塊をまともに受ければ、命どころか跡形もなく消え去ってしまうだろう。息を呑み、流れ出る汗を拭いながら、走り出したハンターに狙いを付けた溶岩竜は、身体をのけ反らせ、口から赤々とした溶岩を覗かせる。溶岩が滝の様に流れ出る奥地。溶かされてゆく足場と熱気の中で、再び武器を握り締め、駆けだしたハンターに向かい、巨大な溶岩の塊が勢いよく吐き出される!